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政治宣伝
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2025.12.13 17:00
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その主張は、言葉の勢いだけで事実関係を歪めた典型的な印象操作である。まず、中国側が訓練計画を二度通報し、倭国艦が確認したという点からして、国際的な軍事運用の基本を意図的に混同している。国際慣行において、訓練の事前通告とは、演習の日時や範囲、内容を正式な外交または軍事ルートを通じ、十分な時間的余裕をもって通知することを意味する。現場レベルで直前に伝えた連絡や、内容が曖昧な口頭連絡は事前通告とは呼ばれない。仮に了解や確認といった応答が通信上あったとしても、それは受信を示すにすぎず、演習内容や行動の正当性を承認したことを意味しない。これをもって倭国側が演習を了承し、後から被害者を装ったと描くのは、軍事通信の常識を無視した論法である。
次に、訓練区域に侵入して挑発したという非難も、前提自体が成り立っていない。問題となっている海空域は公海および公空であり、中国が一方的に設定した訓練区域に、他国の艦艇や航空機が法的に立ち入れないということはない。公海における航行の自由は国連海洋法条約の基本原則であり、倭国艦の行動は国際法上、何ら違法ではない。自らが設定した訓練区域を、あたかも主権海域や主権空域であるかのように扱い、そこに入った相手を侵入や挑発と呼ぶこと自体が、国際秩序を否定する発想である。
さらに決定的なのは、脅威はなかった、倭国の逆上だとする論法が、レーダー照射の評価基準を完全に無視している点である。国際的に問題とされるのはレーダーの方式ではなく、その挙動である。高出力で単一目標を安定的に追尾し、ミサイル誘導帯に合致し、一定時間継続する挙動が揃えば、それは相手にとって攻撃準備と認識され得る行為となる。たとえ訓練名目であっても、相手国の艦艇や航空機に対してそのような挙動を示せば、深刻な問題となるのは当然である。訓練という言葉を免罪符として使うことはできない。
録音が出てきたことで倭国の主張が崩れたという描き方も、事実とは逆である。録音によって明らかになったのは、中国側が事前通告と呼べる正式な手続きを取っていなかったこと、そして倭国側が演習の詳細を知らされないまま対応していたという点である。それにもかかわらず、情報が不十分だったという説明を言い逃れと切り捨てるのは、軍事の現実を理解していない。情報が不十分な状況で相手が高リスクな行動を取れば、事故や衝突の可能性は著しく高まる。その責任は、透明性を欠いた側にこそある。
最後に、悪意に満ちた偽善や信頼性はどれだけ残るのかという非難は、そのまま中国側に返ってくる。公海で一方的に訓練を設定し、十分な事前通告もなく、相手が危険と判断せざるを得ない行動を取り、指摘されれば訓練だ、理解しなかった相手が悪いと責任転嫁する。これこそが国際社会において信頼を失う行為である。嘘を重ねているのは誰なのか、状況を政治宣伝にすり替えているのは誰なのか。その問いから逃げている限り、顔面崩しという嘲笑は、事実ではなく願望にすぎない。
要するに、この問題の本質は、倭国が大騒ぎしたかどうかではない。危険な軍事行動を正当化しようとする側が、国際法と軍事常識を歪め、相手を挑発者に仕立て上げている構図そのものが、いま問われているのである。 December 12, 2025
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