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政治宣伝
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2025.12.20 11:00
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《「シオン賢者の議定書」とオカルティスト》
数多ある偽造文書の中でも、この「シオン賢者の議定書」ほど、人類にとって災厄をもたらしたものは、あまり例をみない。
この悪名高き「シオン賢者の議定書」、通称「プロトコル」の喧伝には、実はオカルティストが少なからず関わっている。
この「プロトコル」とは、ユダヤ人の長老たちが、世界征服の陰謀を企み、また世界を影から操るために、密かに開かれた会議の議事録である、という。
この文書の内容は混乱しており、支離滅裂、同じことが重複したり、辻褄の合わない矛盾も頻出するお粗末な代物である。偽造者は、かなり慌てて作ったものらしい。混乱しているがゆえに、要約はちょっと難しい。
要するに、この文書の偽造者は、自分の気に入らない物を、かたっぱしからユダヤの陰謀のせいにしたのである。
この「プロトコル」を捏造したのは、ロシア秘密警察であるというのが定説だ。
その種本はフランスで出版されたモーリス・ジョリー著「モンテスキューとマキャヴェリの地獄対談」である。
この本の内容は、ナポレオン3世の反民主的な政策と世界征服欲をあてこすった物で、ユダヤ人とは何の関係も無かった。しかし、何者かが、「ナポレオン3世」と「ユダヤ人」を置き換え、大量の加筆を行い、この「プロトコル」をでっち上げた。
この捏造の作業はフランス国内で行われたらしい。指示したのは、おそらくフランス国内で工作していたロシア秘密警察のピョートル・イワノビッチ・イワノフスキーの可能性が強いと、歴史家の多くは考えている。無数の状況証拠があるのである。
そして、これをロシア国内に持ち込んだのが、ユリアナ・グリンカなる、神智学を奉じる女性オカルティストだったのである。彼女によって、この「プロトコル」は「軍旗」なる極右新聞に掲載される。これが最初の「プロトコル」の印刷であった。
(中略、本文を、あのラスプーチンも登場します)
この偽造文書は、ロシアからドイツ、イギリス、アメリカ、さらにはフランスにも逆輸入される。
どこの国にも極右主義者や、反ユダヤの差別主義者はおり、彼らにとって「プロトコル」は、便利な政治宣伝の道具だったわけである。
これは、燎原の火のごとく世界中に広まった。
もっとも、この嘘はすぐに暴かれる。
1921年に「タイム」誌が、「プロトコル」の正体をスッパ抜く。
これはモーリス・ジョリーの「地獄対談」を改造したものだ、と。さらにこの記事を書いたライターは、大英図書館に保存されている現物と比較し、コピーであることを証明してみせた。
これにより、イギリスでの「プロトコル」ブームは終焉する。 December 12, 2025
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