国際関係 トレンド
0post
2025.12.13 22:00
:0% :0% (50代/男性)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
野党として、首相や政府の答弁を精査すること、それが官僚作成なのか、個人の見解なのかを問い、説明責任を明確にしようとする姿勢自体は、議会制民主主義としてとても健全なことだと思います。
そして権力を監視する、言質を曖昧にしない。これは野党にしかできない、重要な役割です。ただ、その上でひとつだけ、気になっている点があります。
それは、
「ゴール」はどこに設定されているのか
です。
今回、辻元さんの貢献で、高市首相の答弁が官僚作成ではなく、高市さん個人の見解であることが明らかになりました。これは辻元さんの大きな成果だと思います。
しかし、その後の多くの議論を見ていると、暗黙の前提として、その先に「撤回」あるいは「辞任」がゴールとして想定されているように見えます。
はたして、「撤回」はゴールなのでしょうか。
仮に、首相の発言が撤回される、あるいは首相がその責任を取って辞任する事態が起きたとします。
その瞬間の国内世論は、
「説明責任を果たさせた」
「野党が勝った」
という評価になるかもしれません。中には「ざまぁみろ」と溜飲を下げる人もいるでしょう。
しかし、現実政治の結果はその瞬間の拍手喝采では終わりません。外交、安全保障、国際関係では必ず「次の反応」が引き起こされます。
なぜ撤回するのか。
どこが誤りだったのか。
撤回した場合、倭国の立場に影響はないのか。
倭国の立場は強くなるのか、
弱くなるのか、
それとも曖昧になるのか。
こうした視点で、どれほど具体的にシミュレーションが共有されているのか。正直なところ、あまり見えてきません。
倭国の政治制度では、与党に投票した人だけが、政策の恩恵を受けるわけではありません。
自民党に投票していなくても、政府が決めた外交方針、安全保障政策、公共投資や社会保障の影響は、国民全体に等しく及びます。
「この減税は〇〇党支持者だけ」
「〇〇党支持者はこの道路を使えない」
そんな仕組みは存在しません。
つまり、与野党問わず、国会議員の行動の帰結は、支持していない人も含めた全国民が引き受ける構造になっているのです。
🗣️ だからこそ知りたいのは、
・「撤回」させた先にリスクはないのか
・どうリカバリーすれば国民全体にとって、最も損失の少ない着地になるのか
という視点です。
撤回させて得られる成果によって、最も利益を得るのは誰なのか。それは国民全体なのか、特定の勢力なのか。撤回の先にある「倭国の立場」を考えた議論と情報を、知りたいと思っています。 December 12, 2025
3RP
バンコクオンライン、「台湾有事」について。中国から見た場合、アメリカから見た場合、それぞれのベネフィットとリスクについて考えてみました。国際関係について論じる時に「善悪」や「正邪」でデジタルに切り分けてはいけません。計量的に「程度の違い」を見る必要があります。 December 12, 2025
3RP
12月8日(月)、映画監督の原田眞人さんが逝去されました。享年76歳でした。
1979年に『さらば映画の友よ インディアンサマー』での初監督以降、映画監督のみならず批評家、著述家としても活躍していること、『ラスト・
サムライ』(原題:The Last Samurai、2003年)には、明治維新を推進する財閥当主役で出演するほか、2007年からは倭国大学国際関係学部教授として後進の指導にも当たってきたことも周知の通りです。
主な監督作品に『金融腐蝕列島・呪縛』(1999年)、『突入せよ!「あさま山荘事件」』(2002年)、『クライマーズハイ』(2008年)、『わが母の記』(2012年)などがあり、近年は『関ヶ原』(2017年)や『燃えよ剣』(2021年)など、司馬遼太郎の小説を映画化していることでも広く知られています。
また、ロサンゼルス・ドジャースを熱心に応援しているということでも広く知られており、私も大リーグの関係で何度かお話を伺う機会に恵まれました。
原田さんから伺ったお話の中で印象的であったのは、「アンビバレンス」の重要さということでした。
すなわち、原田んさんによれば、映画のドラマの質を高めるために不可欠なのは、「アンビバレンス」という要素であり、ビジネスと民族自決の間で葛藤するロレンス(『アラビアのロレンス』)や、『プラトーン』、『ゴッドファーザー』といった作品を思い浮かべれば、比較的容易に理解できるとされます。
こうした考えを大リーグに当てはめるとどうなるかというのが原田さんの次の問いであり、ビジネスとパブリック・グッド(公共財)との間の相克だというのが一つの答えでした。
確かに、21世紀の大リーグは利益の追求が最優先されています。
これは、一面において米国の経済の発展や他の競技との競争の過程で生じた当然の現象にも思われます。
それでも、あたかもビジネスが全て、という現在の大リーグに、どれだけパブリック・グッドの要素を回復することができるかが重要だという指摘に、原田さんの洞察の鋭さが実感されたものでした。
ところで、私は2015年3月17日に丸の内ピカデリー1において行われた映画『駆け込み女と駆け出し男』の完成披露試写会への招待を受け、参加しました。
15歳の時に映画監督になることを志して以来50年間希望していた時代劇を初めて手掛けたということもあり、登場人物の様子に黒澤明の影響を認め、画面の構成に溝口健二の痕跡を見出し、明暗の強調に1960年代の新藤兼人の面影を見付けることは難しくないのが『駆け込み女と駆け出し男』でした。
あるいは、『マイ・フェア・レディ』『明日に向って撃て!』『天使にラブソングを』などの構図や展開が連想されるのも、米国の映画に通暁する原田さんならではのものでした。
しかし、目配りの繊細さと発想の大胆さが合わさり、全国4つの寺で撮影された四季の風景が随所に織り込まれることで、『駆け込み女と駆け出し男』は鮮やかな印象と心地よい緊張を覚える、後味のよい作品となり、原田さんの映画監督としての力量の高さを実感するには十分な作品を目にすることができたのは、大変な喜びでした。
それだけに、今回の訃報は大変に残念なものであり、様々な分野で顕著な功績を残し続けてきた原田眞人さんのご冥福をお祈り申し上げます。 December 12, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



