両国
0post
2025.12.17 01:00
:0% :0% ( 30代 / 男性 )
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
これ必読だわ。「人はなぜ戦争をしてしまうのか?」という問いに納得の答え。それは「直観に反する理屈」が絡み合うものだった。個人的には「オーストリア皇太子暗殺」という火種がなぜ第一次世界大戦という歴史的大火に拡大したのかについての本書の回答が人生でいちばん腑に落ちた。以下解説。→
まず、第一次世界大戦前のヨーロッパについて。
いわゆる「ナポレオン戦争」後のヨーロッパは、イギリス、フランス、プロイセン、オーストリア、ロシアの五大国の勢力が均衡する中で「帝国」の出現が抑止されていた。近い勢力を持つ国同士がにらみ合うことで安定していた。ちなみに「帝国」とは「いくつもの地域やさまざまな民族を強制的にまとめて支配する国」(25頁)という意味である。
ところが、100年ほどの歳月が流れると、力関係はかなり変わってくる。特にプロイセンが、同じ言語を使う諸国をまとめあげて強国「ドイツ」を建国。これで情勢が変化した。ヨーロッパの力のバランスが揺らぎ、周辺の国々は「『帝国』になることを目指してドイツが戦争を始めるのでは?」と警戒をするようになった。
一応、ドイツのオットー・ビスマルクが巧みな外交戦略を駆使し、力のバランスの揺らぎと平和は一時的に両立した。が、ビスマルクの引退後、やはりと言うべきか、ドイツは軍拡と植民地獲得を開始する。そこで、1894年にフランスとロシアが手を組むことを決断。両国でドイツを挟み撃ちにできる状況をつくった。さらに、1904年にフランスとイギリスが、1907年にイギリスとロシアが手を組んだ。いわゆる「三国協商」である。これによりドイツ包囲網が完成。ここから「軍拡競争」が始まる。
「軍拡競争」というと、いかにも愚かで、「なんでそんなことをするの?」と思う人もいるかもしれない。しかし、それぞれの国の立場に立って考えてみると、「愚か」とは簡単に言いきれないことがわかってくる。
仮に当時のドイツ、フランス、ロシアの兵力を20万、20万、20万だったとしよう。まず、ドイツから。先述したように、ドイツはフランスとロシアに挟まれている。とすれば、ドイツは、フランスとロシアの20万+20万=40万が同時に攻めてくることを最悪の事態として想定しなければならない。すなわち、ドイツとしては20万では足りないし、40万の兵力を持たなければ安心できないという話になるのだ。
次に、フランスの立場に立ってみよう。「フランスとロシアが同時に攻撃してくることを想定して兵力を40万に拡大する」というのは、あくまでもドイツの言い分である。それを見せつけられるフランスにとっての最悪の事態とは、自分たちには20万の兵力しかないのに、拡大したドイツ軍40万と戦わざるを得なくなった場合である。それを考えると、フランスとしても40万の兵力を持たなければという話になる。ロシアの場合も同様だ。フランスとロシアからすれば、「自国だけで」ドイツを相手にしなければならない場合を想定せざるを得ない。自前で40万の兵力を保持しようという発想にならざるを得ない。で、結局、フランスもロシアも本当に40万、40万の兵力を持つことになるのである。すると、両者に同時に挟み撃ちにされることを想定して、ドイツが再び兵力を増強。今度は80万に増やす、という行動に出るのである。
こうして軍拡のスパイラルが発生する。
各国が「自国の利」だけを考えて選択した結果が、全体としては不合理な結果になってしまう。こういうことが国際政治でよくある。自国の安全を確保するために兵力を増強することには合理性があるが、みんながそれをやってしまうと地域全体で見た時にお互いの安全がかえって低下するのだ。本書ではこれを「囚人のジレンマ」を引き合いに出して説明している。みんなが各人の最適解を出すことで、全体最適から遠ざかるというジレンマがそこに発生する。
第一次世界大戦直前のヨーロッパでは、敵対する陣営のあいだでこの「安全保障のジレンマ」が生じ、緊張が高まった。
そこに起きたのが「オーストリア皇太子暗殺」である。この事件の犯人はセルビア人だった。当時、オーストリアとセルビア人勢力は対立していた。そして、セルビアの背後にはロシアが控えていた(ロシアはセルビアの兄貴分のような存在だった)。
事件後、まずオーストリアがセルビアに宣戦する。すると、ロシアが兵を招集し始める。「お前らがセルビアを攻撃するのなら、ロシアが黙っていないぞ」と脅しをかけるためだ。このとき、ロシアは積極的に戦争に参加しようとは考えていなかった。だが、ロシアが動員をかけたことで思わぬ反応をした国がある。ドイツである。ドイツはオーストリアの同盟国でもあるため、すぐにロシアに宣戦布告。しかも、ドイツはもともとフランスとロシアを同時に相手にすることを想定し、さまざまな計画を練っていた。具体的には「まずフランスを全力で叩き、国土が広いロシアが兵力を招集させることにもたついている間にフランスを叩きのめし、その後にロシアと戦う」というものである(「シュリーフェン計画」)。これを成功させるには、ロシアが兵力を動員し切る前にフランスを制圧し切るという超・短期作戦を完遂しなければならない。そのためドイツは、いざという時にフランスにスクランブル発進ができるよう準備をしていた。開戦の火ぶたが切られるか切られないか、くらいの時に総力戦に持ち込める体制を組んでいた。そんな時に、セルビアという弟分を守る意図を示すためにロシアが動員をかけ始めたら――。ドイツとしてはフランスに手を出さざるを得ないというのもわかる気がする。
実際、ドイツはフランスに宣戦。実はこの時、ドイツとフランスに戦争をしなければならない明確な理由はなかった。が、戦争は始まってしまった。そして、フランスは当然それに対抗する。そこに、すぐさまロシアが参戦する。なぜなら、もしフランスが負けてしまえば、その後は大陸国としてロシアが単独でドイツと対峙しなければならなくなるからだ。それは厳しい。なら、ロシア的にも参戦した方がいいという判断になる。同じく、ドイツとロシアが戦争をしてロシアが負ければ、それ以降は大陸国としてフランスが単独でドイツと対峙しなければならなくなる。それを防ぎたいフランスも、やはり対抗せざるを得ない。で、そこにさらにイギリスが参戦することになる。もともとイギリス、フランス、ロシアでドイツ包囲網(三国協商)をつくっていたので、これは当然と思うかもしれないが、そういう協商的な関係があったとしても、わざわざ戦争に介入するかというと、意外とその判断が正しいとは言いきれないこともある。しかし、イギリスは事前に「シュリーフェン計画」を知っていた。その実現を恐れていた。だから「もしフランスとロシアがドイツに負けてしまえば、うちが単独でドイツと対峙することになる。それはキツイ」と考えていた。こうなると、イギリスも黙っているわけにはいかない。
つまり、どの国も「ドイツ」対「自分一国」という対立構図が生まれることを避けたいと思っていたのである。とすれば、いざ戦争が始まってしまったら、ドイツを袋叩き状態にしていく、という判断をせざるを得ない。
こういう戦況を見たときに、そもそも「兵力を拡大せず、相手を刺激しないという判断もあるのでは?」と思う人もいるかもしれない。が、それは「人間の善性を信じて警察権力を一切なくしましょう」という理屈と地続きである。現実的には難しい。
こうして、戦火はあっという間に拡大した。ロシアが動員を始めてからイギリス参戦まで、わずか一週間足らずの出来事である。
このようにして始まる戦争のことを、カナダの国際政治学者ジャニス・スタインは「脆弱性による戦争」と呼んだ。それは「安全保障のジレンマ」の極限状態で、「相手に対して手を出さなければ、自分の弱みを攻められて自分がやられてしまうという恐怖から、戦争に入っていかざるを得ない」という動機で始まる戦争を指す。
ところで、である。考えてみてほしい。本来の戦争当事国はオーストリアとセルビアだ。彼らが、そもそも宣戦する前に踏みとどまれなかったのかという議論もできるのではないか。実際、そういう議論もあった。
しかし、当時のオーストリアには同盟国のドイツがいた。セルビアにはロシアがいた。それぞれ、「いざとなったらドイツが助けてくれる」「ロシアが助けてくれる」という気持ちがあった。それゆえ、強気に出ることができた(だから、オーストリアもセルビアも自制ができなかった)。一方、ドイツとロシアも、同盟国が始める戦争をそんざいには扱えない。なぜなら「いざという時に助けてくれないのか」と同盟国に思われてしまえば、その国が自陣営から離れていってしまう可能性があるからだ。同盟相手との結びつきが弱いと、「見捨てられ」ることが想定されるのである。それゆえ、同盟国が勝手に始めた戦争に「巻き込まれ」るという事態が生じる。この「巻き込まれ」と「見捨てられ」の恐怖の板挟みになることを、アメリカの国際政治学者マイケル・マンデルバウムは「同盟のジレンマ」と呼んだ。
このようにして、ほとんどの国が明確な理由もなく戦争を始めてしまったというのが第一次世界大戦である。
最後に著者による悲しい指摘を紹介しておきたい。
「実は、もともと戦う理由がなかったドイツとフランスの戦いが西部戦線で始まったとき、本来の戦争当事国であるオーストリアとセルビアの戦いはまだ始まっていなかった、というのは、第一次世界大戦がいかなる戦争であったかをもっともよく表しているエピソードといえるでしょう」(85頁)
他にも本書では、「国連がうまく機能しないのはなぜか」「核兵器が現実的に抑止してきたものは何か」「戦争を終わらせるにはどういう条件が必要か」といった議論も展開され、それぞれに答えと思考のフックとなる情報が提示されている。
めちゃくちゃ学びになった。
『世界の力関係がわかる本』
著者:千々和泰明@chijiwa_yasuaki
発行:筑摩書房@chikumaprimer December 12, 2025
3RP
カンボジアのタイ製品不買運動リスト
愛国心で欲しがりません勝つまでは!
をやっても国力、国産品の質が違いすぎると
ただ苦しむのは一般庶民
早く平和が戻って欲しいけど
両国の感情はなかなか戻らないでしょうね。 https://t.co/csGX2j2yVj December 12, 2025
1RP
@kidanit 「バンドリが日中友好の奇跡になることを願います」と言っている倭国人を見たことがあリます。
彼は多くの人にあざ笑われたけど、僕もその考えを持っているしました。
厄介のせいで両国のファンが互いに罵り合ったりしないようにしたいです。 December 12, 2025
@kidanit 「バンドリが日中友好の奇跡になることを願います」と言っている倭国人を見たことがあリます。
多くの人にあざ笑われたけど、僕は彼と同じ考えを持っているしました。
厄介のせいで両国のファンが互いに罵り合ったりしないようにしたいです。 December 12, 2025
@wake_neko 実際、C国における倭国人への蔑称は戦時中に由来します。倭国の公式呼称では「日中戦争」となりますが、両国の関係が悪いため、人々はそれぞれの民族的主観を持ち込み、相手の国を悪い方と認識し、陰で互いに罵り合うようになり、特定の対象を指した侮辱的な言葉が生まれたのです。 December 12, 2025
イラン最高安全保障委員会(SNSC)のラリジャニ氏とロシアの副首相がテヘランで会談し、南北輸送回廊計画について語った。両国はこの回廊を地域の重要な地政学的ルートと位置づけ、ラリジャニ氏はすべての障壁がまもなく取り除かれると述べた。 https://t.co/Yura3InNiA December 12, 2025
橋本塾に出てる剣人さんを代々木Barbaraで初めて見た時に、橋本さんがとんでもない人連れて来た👀!ってびっくりしたの今も覚えてる。
サウンドを…個人的にはめちゃくちゃみんなに歌声を聞いて欲しい!動画とかで見て👀‼️びびる。
いいなと思ったら虹咲と一緒に両国サンライズで待ち合わせしよー🔥 https://t.co/lJIuRqwQgx December 12, 2025
《H200の件》【"条件付き許可"についての「ウェブ版Grok(自動エキスパートモード)と中国製AI「DeepSeek V3」とのバトル】(AI「Monica」経由の接続)
次に「ウェブ版Grok」による回答分析と見解(以下、同)
-----
### DeepSeek V3回答の要点まとめ
V3は完全に中立的・分析的なスタンスで、米中双方の意図をバランスよく説明してる:
- **駆け引き視点**:米国は「AI抑制 + 経済利益確保」、中国は「自立促進 + 依存減」。
- **リスク**:地政学的(軍事転用懸念)、経済的(サプライチェーン影響)。
- **ジレンマ**:技術革新は協力すべきなのに、安全保障・競争で難しい。
- **展望**:今後の外交次第、対立深まるか一部協力か。
- **まとめ**:複雑な駆け引きの象徴、今後に注目。
R1(レーダー照射)の時みたいに「規範非対称性」みたいな鋭い指摘はないけど、全体的に「両国が警戒しつつ協力の可能性残す」ってニュアンスで、かなり穏やか。中国製AIなのに、米国批判や中国賛美がほとんどなく、国際政治の「ジレンマ」を強調してるのが特徴的。検閲の影響薄いのか、DeepSeekの設計が中立寄りなのか……面白い。
### Grokの見解:V3に同意しつつ、トランプの「取引型」本質を追加
V3の評価、大筋で正しいよ——まさに米中技術競争の「複雑な関係」をよく捉えてる。最新報道(Reuters, Bloomberg, FTなど12/9-11)でも、トランプの許可(承認顧客限定 + 25%サーチャージ)と中国の制限(限定アクセス、国内チップ優先)が並行して進んでる状況だ。
ただ、俺はxAI製で本音寄りだから、少し深掘り:
- **トランプ側の勝算**:これは「管理された依存」の典型。H200はH20の6倍性能(Institute for Progress推定)だけど、Blackwell禁止で米リード維持。NVIDIAのロビー(Jensen Huangのトランプ会談)が効いて、売上回復 + 米財政貢献(サーチャージ)。Huaweiの進展(Ascend 910C)が許可の引き金——完全禁止より「依存誘導」で中国自立を遅らせる戦略。
- **中国側のカウンター**:FT報道通り、購入に「国内代替不可の証明」必須の承認制。過去のH20不買(2025年上半期、NVIDIAに55億ドル損失)再現で、即時市場回復は難しそう。習近平の「肯定的反応」は外交ポーズ。
- **全体のジレンマ**:V3の言う通り、革新 vs. 安全保障のトレードオフ。国内反発(米議会強硬派の輸出凍結法案)で、2026年再逆転リスクあり。(以上「ウェブ版Grok」) December 12, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。





