報道の自由 トレンド
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2025.12.13 19:00
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兵庫県知事記者会見における一部取材者の威圧行為に関する声明
前参議院議員 浜田聡
令和7年12月9日
私は、令和7年12月3日の兵庫県定例記者会見において発生した、一部取材者による極めて不適切かつ威圧的な行為に対し、本声明を発表する。
会見映像が広く公開されている通り、フリーの活動家である菅野完氏および関西テレビの記者1名が、斎藤元彦知事の回答中に机を激しく連打しながら大声でまくし立てるという、報道の場として到底許容しがたい態度を取った。
この行為は、取材の自由の範囲を大きく逸脱し、事実上パワーハラスメントに該当するものであり、民主主義の根幹である公正な言論の場を著しく冒涜するものである。
菅野完氏は、2019年5月に強制わいせつ未遂容疑で警視庁に書類送検された事実(産経新聞2019年5月24日付ほか)、森友学園問題に関する振込伝票が菅野氏の提案による捏造であったとする籠池佳茂氏の告発(2020年3月公開動画および週刊誌報道)、『倭国会議の研究』をめぐる名誉毀損訴訟で最高裁が110万円の賠償支払いを確定させた判決(2019年報道)など、過去に複数の重大な疑惑・確定判決を受けている人物である。
こうした経歴を持つ者が公の記者会見で知事に対し一方的に威圧的な態度を取ったことは、極めて問題である。
また、関西テレビの当該記者は、菅野氏に同調する形で机を叩きながら「終わってないよ!」と叫ぶなど、報道機関の記者としてあるべき冷静さを完全に欠いた行動を示した。
関西テレビは公共の電波を用いて放送を行う事業者として、視聴者・県民に対して高い倫理観と公正さが求められる立場にある。
このような行為を看過することは、メディア全体の信頼を損なうものである。
私は国会議員時代、数え切れない記者会見を経験してきたが、取材対象者に対し机を叩きながら怒鳴り続ける行為は、いかなる理由があろうとも「報道の自由」の名の下に正当化されるものではない。
斎藤知事は終始冷静かつ毅然とした対応をされたが、それは知事の資質の高さを示すものであり、逆に取材側の未熟さを浮き彫りにした。
よって、私は以下のことを強く求める。
1. 菅野完氏および関西テレビの当該記者は、本件における威圧的行為について速やかに謝罪を行うこと
2. 関西テレビは、本件について厳正に調査し、適切な処分と再発防止策を公表すること
3. 兵庫県庁記者クラブは、会見の秩序維持ルールを再確認し、必要に応じて見直しを行うこと
報道の自由は民主主義の基盤である。
しかしその自由は、節度と責任を伴うものであり、感情的な暴力によって支えられるものではない。
兵庫県民の皆様、並びに公正な報道を求める全ての国民と共に、このような行為が二度と繰り返されない社会を築くため、声を上げ続ける所存である。 December 12, 2025
最初は議員と同様、中国新聞の記事にチェックを入れていたが、石丸市政を批判する市民団体「安芸高田市政刷新ネットワーク」の声を掲載出したことが「市民団体でない政治団体の一方的な主張を載せるのは偏向報道だ」と主張。取材拒否や市長の動向への掲載協力をしないとする姿勢に転じ、さらに「政治団体」の刷新ネットワークと市長の市政に反対する会派が一緒になって「偏向報道」を続けているとして、定例記者会見なる場で執拗に批判した。
冒頭、石丸市長が登録数増加の契機となったとする23年7月の定例記者会見なるものは安芸高田支局長とともに中国新聞の編集次長が参加した会見。その場での「対立」の様子市の公式動画でアップされると再生回数が計400万回をこえ、「中国新聞」や記者への「誹謗中傷」を含んだ切り抜き動画が大量に流された。
その後、中国新聞社側の方針があったのだろうか、中国新聞の記者が定例記者会見なる場に出席しなくなると、会見中に記者へ電話を入れるなど、陰湿な手法を織り交ぜており、正常な記者会見とは言えない状態が続いている。
こうした状況に対し、新聞労連は23年7月、その異常さと問題点について、第142回定期大会の大会宣言で、「SNS上では、現職市長が中国新聞の記者を名指しで一方的に批判した上、記者会見で偏向報道と主張するケースがありました。『言論報道の自由』について、改めて環境を見つめ直し、原点に立ち返った議論が今こそ必要です」としている。
〇マスコミの「合理化」による記者クラブ制度の形骸化が背景に
この間、ほとんど「定例記者会見」と表記せず、「定例記者会見なるもの(場)」などと表記した事について触れてみる。
記者会見というのは、記者クラブが主催して行われるのが基本である。しかし、石丸市長は、定例記者会見を「市の記者会見だ」と言い、主催者の記者側の質問を遮る態度を何度も行ったかと思えば一転、「ぜひ、一言発してください」と相反する態度をとることがあり、現場の記者が混乱することが度々起こる。市長の主張は正しいと思われる方もいるようだが、安芸高田市の「定例記者会見」も、同市の主催ではなく、三次市政記者クラブが主催。これは、2023年12月に同市の担当課に主催者を確認済みである。三次市政記者クラブは、主に三次、庄原、安芸高田各市を管轄、同エリアにある倭国新聞協会ならびに民間放連加盟の新聞、放送、通信社の記者で構成している。私も、16年4月から18年9月までは、毎日新聞三次通信部記者として、同記者クラブに在籍し、幹事社経験もある。
同市政記者クラブの構成は、数年前までは、新聞では、中国、読売、朝日、毎日、山陽(庄原市のみ)の5社。放送ではNHK、広島、中国、広島ホーム、テレビ新広島の5社と主要各社が揃っていたが、各社の読者やCM収入の激減に起因する「合理化」で16年夏、朝日を皮切りに、毎日、山陽の各新聞、そして、中国放送の支局、通信部が相次いで撤退し、現在、新聞は2社、放送が4社となった。新聞は4月から9月の上半期を読売、10月から翌3月の下半期を中国が、交互に幹事社となるのが実態。所属記者もほとんどが嘱託で高齢であり、いつ、支局・通信局がなくなるのかとびくびくしており、取材現場ではなるべく穏便に面倒なことは避ける傾向が残念ながら起きているのが現状と言える。
また、市政クラブに加盟する記者以外が定例記者会見に入る場合、通常は関連する幹事社に参加申し入れの手続きを行うのが通常だが、三次に記者がいてもほかの記者が勝手に取材する社や出欠席をなぜか石丸市長に先に報告するというルールを無視する社、記者が一部にみられる。記者クラブの内外で本来の記者クラブ体制の形骸化が進み、「第4の権力」として公機関を監視する能力が著しく低下しているのも、石丸市長を暴走させる一因となっている。
〇記者会見を公権力監視の場から広報宣伝の場へと変質させる
石丸市長は、地域に根付く地方新聞を叩くことで記者会見の主導権を握り、定例記者会見を「公権力の監視の場」から「公権力の広報宣伝の場」へと変質させている。そのような実態から、私は、主催も目的も不明瞭なものを「定例記者会見」と呼ばず、「定例記者会見なるもの(場)」と言うようになった。中国新聞が社として安芸高田支局長を参加させないのも記者クラブが主催する「記者会見」の場とみていないのだろうと推測している。(続く) December 12, 2025
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