解説：
縦隔気腫とは、左右の肺の間、胸腔中央部にある「縦隔」という空間に、本来存在しないはずの空気が漏れ込み、貯留した状態を指します（胸部CTの赤矢印）。
胸部レントゲンでは添付画像のように見え（緑や青の矢印）、青矢印のように気管や大動脈弓などのラインが妙に鮮明に見えるのも読影ポイントのひとつです。

誘因としては、激しい咳や嘔吐、強い発声やいきみ、激しい運動など、胸腔内圧が急激に上昇する行為が挙げられます。

主な症状は胸の痛みや違和感ですが、空気が喉頭・気管周囲に及ぶと、圧迫によって咳・嗄声・嚥下しにくさなどの症状が出現することがあります。
重症例では呼吸困難に至ることもあります。
また、食道・気管の穿孔や外傷に伴う縦隔気腫では、縦隔炎へ進行し得るため、特に注意が必要です。

B先生は、患者さんが大きく咳き込んだ直後に症状が出現していた点に着目し、違和感を覚えたのではないかと思われます。

身体所見としては、心拍動と同期してザラザラ・バリバリとした摩擦音が聴こえる「ハマン徴候」、頸部や前胸部の皮下に“雪を握ったときのサクサク感”として触知される「握雪感」がとても有名です。
今回の症状とこれらの所見から縦隔気腫を鑑別に挙げたB先生の判断は、非常に的確だったといえます。

尚、これらの所見は国家試験でも頻出であり、研修医として初めて遭遇すると「これが握雪感か！」と感動するポイントでもあります。

ちなみに皮下気腫は気胸でも見られますが、呼吸音に左右差がなかった点を踏まえ、縦隔気腫を鑑別の最上位に置いたB先生の診断力はお見事です。

本症例は若手医療者に向けて、「聴診や触診の重要性」や「典型例のイメージを持つことの大切さ」を共有する目的で構成しています。

エピソードは過去の実例を基に再構成しており、掲載している匿名画像は Radiopaedia より引用しています。 December 12, 2025

【記事紹介】この記事が面白かった！

みなさん、リハビリテーションを行なっている際に患者様が退屈そうにしていませんか？

この記事（広島国際大学, 2025）が、とてもユニークな間接嚥下訓練を紹介しています。

ARゲーム「ピロピロParty」新作2種（気球＆MUSIC）を学生と企業が共同開発、10/30発売。

吹き戻しコントローラーで呼吸・嚥下訓練、福岡教授監修で機能変化検証。

これまでのリハビリテーションはどうしても単一動作が多くなりがちでいかに能動的に参加してもらえるかが大切でした。

この訓練ではARで楽しみながら口腔機能向上と脳活性化を図り、誤嚥リスクの低減をできそうです。

記事はこちら→ https://t.co/nyAag4pOvI

#嚥下リハ #ARゲーム #言語聴覚士 December 12, 2025

夜勤明け〜。
帰宅中〜。
昨日の昼食時から嚥下すると喉が痛かったので、
薬飲んで出勤したけれど、夕食後から声も濁声状態に。
帰ったら近所の開業医さん行こうと思ったんだけれど、
今日水曜日で午後は休み。　＼（＾ｏ＾）／オワタ December 12, 2025

PTAの見学会で支援学校に行った。バギー車いす移動用の広い玄関ホールと廊下。保健室のほか医療室もあり看護師常駐。給食も普通食から嚥下食まで４段階。一人につき一人の担任がつき特性を熟知。人も施設も支援制度もみんな一人ひとりに優しくて感動した。公的支援が作り出すあたたかい世界だった。 December 12, 2025

PTA見学会で特別支援学校に行った。バギー車いす移動用の広い玄関ホールと廊下。保健室のほか医療室もあり看護師常駐。給食も普通食から嚥下食まで４段階。一人につき一人の担任がつき特性を熟知。人も施設も支援制度もみんな一人ひとりに優しくて感動した。公的支援が作り出すあたたかい世界だった。 December 12, 2025

2025/12/10のパカラッタ作文（84

ぱ　パウチごはんも
か　缶詰ごはんも
ら　ラップで巻いたごはんも
た　食べたら美味しい

むせこみゼロを目指す！口腔嚥下体操の新しい形、おんまさんパカラッタ！
https://t.co/rMXW0IVIQ3 December 12, 2025