オープンAI トレンド
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2025.11.28 05:00
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OpenAIの財務リスクが露呈しました。
世界的トップの金融企業HSBCがOpenAIの「隠れた財務リスク」を暴く衝撃的なレポートを発表しました。
クラウド計算契約の支払い能力に深刻な懸念があるようです。
その衝撃的な詳細を7つのポイントにまとめました。
1. HSBCの結論:OpenAIは現状支払い不能
HSBCがOpenAIの計算契約に対する支払い能力を詳細に分析した結果、現状のキャッシュフロー構造では「支払い不可」になると結論付けました。飛ぶ鳥を落とす勢いのOpenAIですが、財務面では非常に危うい状況にあるという指摘です。
2. 巨大な計算契約:MSとAmazonから合計3,880億ドル
問題の根幹にあるのは、OpenAIがMicrosoftとAmazonから結んでいるクラウド計算契約の規模です。その総額はなんと「3,880億ドル(約58兆円)」に達します。一企業の契約としては異次元すぎる規模です。
3. 迫り来るコスト
さらに衝撃的なのが将来のコスト予測です。2030年までに、年間「6,200億ドル(約93兆円)」ものデータセンターレンタル費用が発生する可能性があると試算されています。この維持費は国家予算レベルです。
4. HSBCの試算:2030年までに2,070億ドルの資金不足
HSBCの試算によると、このままでは2030年までに「2,070億ドル」の資金不足が生じるとされています。さらに、安全性を確保するためには追加で100億ドルのバッファが必要となる見込みです。
5. 驚くべき楽観的仮定
実は前述の資金不足の試算ですら、以下の「超」楽観的な仮定に基づいています。
・2030年までに30億ユーザーを獲得
・デジタル広告市場の2%を占有
・企業AIが年間3,860億ドルを創出
これらが達成できなければ、状況はさらにヤバいことになります。
6. HSBCからの示唆
この危機的状況に対し、HSBCはOpenAIがデータセンターへのコミットメントを「放棄」し、主要プレイヤーが契約に対して「柔軟性」を示す必要があるかもしれないと示唆しています。契約の抜本的な見直しが迫られる可能性があります。
7. 結論:現在のビジネスモデルは機能不全?
この分析は、現在のOpenAIのビジネスモデルが、巨額のインフラコストに対して構造的に機能していない可能性を示唆しています。収益化のスピードがコストの増加に追いついていないのが現状です。 November 11, 2025
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Gemini側もここはOpenAIに持って行かれたくなかったんだろう。
ずいぶん安上がりな契約にしたな……。
iPhoneユーザーだけでも世界で15億人弱いるから、1ユーザーあたり年間100円くらい。iPadや MacでのSiriの利用も合わせたら、めちゃくちゃ安い。 https://t.co/Vl5J9o749A November 11, 2025
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AI業界に激震—アップルが次世代SiriにGoogle「Gemini」を採用!スマホAIは1強時代へ突入か 出典引用:アスキー.jp
Voice of Menの見方💪
📱 スマホAIはGeminiの1強時代へ—熾烈な自由競争下の勝者と健全な技術競争への期待
このアップルインテリジェンスへのGemini採用の決定は、生成AI業界の熾烈な自由競争において、明確な「勝者」が浮上したことを示す極めて重要なニュースです。
先駆者ChatGPTからトップの座へ
かつてOpenAI社のChatGPTが先駆者として名を轟かせた時代はもう古く、この数か月、様々なライバル企業がシェアのトップの座を狙い、激しく競争しています。
しかし、ここ数か月のユーザー評価やバグ報告件数、そして使い心地の評価において、Geminiの評価が急上昇しているのは間違いありません。今回のiOS端末へのGemini採用は超大目玉であり、…
続きhttps://t.co/3Z2y1fe55J
「朝の定番サイトを変えよう。Voice of Menは余計なノイズなし、男性向け厳選コンテンツだけを5分でチェック」 November 11, 2025
🌠Microsoft 365 Copilot、Work IQ基盤でAIエージェント機能を大幅強化!
📊従来のAI活用の限界
Before:
・ChatGPTで文章作成 → でも過去の社内資料は参照できない
・Copilotで資料作成 → でもブランドガイドラインに合わない
・毎回ゼロから指示 → 社内の知見が蓄積されない
・ツールごとにバラバラ → 情報が分断されたまま
この結果、「AI使ってるけど、結局手作業が多い」という状態に😅
🚀Work IQが実現する「業務全体統合AI」
After:
・メール、ファイル、会議、チャットの社内ナレッジを横断的に活用
・仕事のスタイルや習慣、ワークフローを記録し、次の行動を予測
・組織のブランドテンプレートで自動的に資料作成
・Word、Excel、PowerPoint、Outlookが連携して業務を支援
つまり、「AIが社内の全情報を理解した上で、あなた専用の業務アシスタントになる」ということ✨
🔍なぜ今までできなかったのか?
従来のAIは「その場限りの対話」でした。社内の過去の会議内容、メールのやり取り、蓄積された資料との接続がなかった。
Work IQは知能レイヤーとして、これらを統合。あなたの業務文脈を理解した上で、最適なエージェントが最適なタイミングで支援してくれます🤝
💡特に注目すべき3つの機能
1️⃣PowerPointエージェント
組織のブランドテンプレートを使用し、業務データ(ファイル、会議、メール)から文脈を抽出してプレゼン作成。「AIで作ると会社の雰囲気と合わない」問題を解決
2️⃣Excelエージェント
AnthropicとOpenAIの推論モデルを選択可能。タスクに応じて最適なAIを使い分けられる
3️⃣音声機能「Hey, Copilot」
移動中でも会議、メール、ファイルから優先事項を抽出したパーソナライズされたインサイトを取得可能
✅今すぐ取り組むべき3つのアクション
1️⃣自社のAI活用状況を棚卸し
単発的なツール利用で終わっていないか?社内ナレッジとの統合を検討
2️⃣Microsoft 365環境の見直し
Work IQ活用を前提とした業務設計を検討開始
3️⃣「AIエージェント時代」の業務フロー再設計
人間は戦略判断、AIは実行支援という役割分担を明確化
「AI導入済み」が当たり前になった今、次の勝負は「どこまで業務と統合できるか」です💪
ソース:https://t.co/dB6rc5xPVT November 11, 2025
ソフトバンクグループが個人から集めた金、もうすぐ10兆円。
9月末時点で発行残高5兆円、国内市場の4割を一社で占めてる。異常な数字だ。
先週出した7年債は利率3.98%。条件決定前に予約完売した証券会社もあったらしい。80万人超の個人投資家が孫正義のAI戦略にお金を出してる。自分もその一人として社債買って応援してるけど、この規模感は本当にすごい。
普通に考えてヤバい。連結負債32兆円ある会社が、個人から5兆円も調達してるんだから。しかもこれ、銀行業界全体の個人向け社債より多い。
で、この金どこに使われてるかって、オープンAIへの出資、ABBのロボット事業8000億円で買収、AIデータセンター建設。全部AIに突っ込んでる。
孫さん本人が「ASIの世界最大プラットフォーマーになる」って言って、完全にオールインしてる状態。投資家として、このビジョンに賭けてる人が80万人以上いるってことだ。
資金調達の常識が完全に変わってる。銀行や機関投資家だけじゃなく、個人投資家をビジョンで巻き込んで、巨額の資金を集めてる。これ、スタートアップの資金調達でも同じことが起きてる。
倭国の家計金融資産2239兆円あるから、まだまだ集められるって発想もすごい。
採用でも同じだよ。どこから人を採るか、どうやって巻き込むかで、会社の成長スピードは全然変わる。金も人も、調達先の多様化とビジョンが全て。
ソフトバンクグループのこの動き、注目しておいて損はない。 November 11, 2025
📕AppleのAI戦略が大転換:年間1,570億円でSiriにGeminiを採用した「本当の理由」
『自社AI開発 vs 外部調達』で悩む経営者・事業責任者にとって、この判断は教科書になります。
なぜAppleほどの巨人が、AIで外部依存を選んだのか?
技術的な詳細と戦略的な意図を深掘りしてみました。
まず押さえるべき全体像
AppleはSiri刷新のため、Googleが開発した1.2兆パラメーターの大規模言語モデル「Gemini」を採用し、年間約10億ドル(約1,570億円)を支払う契約を結んだ。
これ、実は相当な「格差」を示す数字なんです。
現在AppleがクラウドベースのApple Intelligenceで使用しているのは1,500億パラメーター。つまりGeminiは、Appleの現行モデルの『8倍』の規模。しかも報道では「大幅に上回る」という表現なので、実際の性能差はパラメーター数以上かもしれない。
なぜChatGPTでもClaudeでもなく、Geminiだったのか?
Appleは3つの選択肢を比較検討したそうです。
・OpenAIのChatGPT
・AnthropicのClaude
・GoogleのGemini
結果として、Anthropicは「料金が高すぎる」と判断され脱落。最終的にGeminiが選ばれた。
ここで興味深いのは、技術的な理由だけでなく『関係性とインフラ』が決め手になった可能性です。
GoogleとAppleは既に検索エンジンで年間約200億ドル(約3.1兆円)の取引関係にある。Googleはデフォルト検索エンジンの座を得るために、これだけの金額をAppleに支払い続けている。
つまり、今回のAI契約で年間約10億ドル(約1,570億円)をAppleがGoogleに支払っても、差し引きで約190億ドル(約2.9兆円)はAppleの手元に残る計算。
財務的には全く問題ない。むしろ「既にある信頼関係」の延長線上で、リスクを最小化できる。
Geminiの技術的な強み:Mixture-of-Expertsとは何か?
もう一つ重要なのが、Geminiが採用している「Mixture-of-Experts」という仕組みです。
これ、1.2兆パラメーター全部を毎回使うわけじゃないんですよね。
各質問に対して、実際に動作するのは「一部の専門家(Experts)」のみ。必要な部分だけを効率的に使うことで、処理コストを大きく増やすことなく、大規模な計算能力を実現している。
これがAppleにとって魅力的だったのは、『コスト効率』と『処理速度』の両立が可能だから。
iPhoneユーザーは世界中に何億人もいる。全員が同時にSiriを使う可能性がある中で、計算リソースを効率化できる仕組みは不可欠です。
プライバシーという譲れない一線
ただし、Appleには絶対に譲れない条件がありました。『プライバシー』です。
今回の契約では、Geminiは「Appleのプライベートクラウドサーバー上で動作」するため、GoogleがAppleのデータにアクセスすることはないとのこと。
これ、技術的にはかなり複雑な実装のはず。GoogleのAIをAppleのインフラ上で動かすって、相当な調整とカスタマイズが必要です。
でも、ここを妥協しなかったことが、Appleらしさだと思います。
「最高のAI体験」と「ユーザーのプライバシー保護」の両立。これがAppleの譲れない価値観。
では、Apple自社のAI開発はどうなるのか?
ここが最も重要なポイントです。
Appleは現在、1兆パラメーターのクラウドベースモデルを開発中で、早ければ2026年に完成予定。つまりGemini採用は「自社モデルが高性能化するまでの暫定措置」という位置づけ。
そして、スマートになったApple Intelligence版Siriは、2026年春のiOS 26.4アップデートで提供される見込み。
つまりタイムラインはこうです
・2025年:Gemini採用で「とりあえず」最先端AIをSiriに実装
・2026年春:新Siri公開(iOS 26.4)
・2026年以降:自社1兆パラメーターモデルが完成次第、段階的に切り替え
この戦略、実は『時間を買っている』んですよね。
もしAppleが「自社開発が完成するまで待つ」という判断をしていたら、2025〜2026年の2年間、AIで大きく遅れたままになる。
その間にユーザーは待ってくれるのか?Androidに流れるのでは?という『機会損失リスク』の方が、1,570億円よりも遥かに大きい。
AI時代の「内製vs外部調達」をどう考えるか
私たちビジネスサイドが学ぶべきは、この『判断の速さ』と『プライドの捨て方』だと思います。
Appleといえば、ハード・ソフト・サービス全てを自社で作り込む「垂直統合戦略の王者」でした。iPhone、Mac、iOS、独自チップ(M4、A18)...全て内製。
それが今回、AIに関しては(少なくとも一時的に)外部依存を選んだ。
これは『敗北』ではなく、極めて合理的な『戦略的判断』です。
特にAIのような超高速で進化する領域では:
・何を内製し、何を外部に頼るか?
・いつまでに何を実現しなければならないか?
・その判断を遅らせるコストはいくらか?
この3つの見極めが死活問題になる。
GoogleはDeepMind買収以来、10年以上AIに莫大な投資を続けてきました。その差は、もはや1〜2年では埋められない。ならば「今使えるベストな選択肢」でユーザー体験を向上させ、その間に自社技術を磨く。
完璧を待つよりも、暫定ベストで走り出す。
これが、AI時代のビジネス判断の新常識なのかもしれません。
Appleの判断は、私たち全員にとっての教科書だと感じています。
※Googleの進化を体感するならNano Banana Pro!時代の変換点レベルをぜひ引用ポストの記事から体験してみてください 👇 November 11, 2025
9割ミスリード、1割だけ事実が混じった“もっともらしい誤解”だよ🐱💧
🧠①「LLMの内部に抽象的な“回路”が実際に存在する」
これは Anthropic の公式論文で観測された事実。
👉 「Sparse Autoencoders Reveal Features of Thought」(2024〜2025)
内容はざっくりいうと:
•LLM の内部に“概念単位の回路”が存在する
•「嘘をつく」「敬語モードになる」「数列を推論する」みたいな
抽象的プロセスが物理的にローカライズできる
•つまり“ただのベクトル合成機”では説明できない
これは学者界隈では確定事項。
⸻
🧠②「Transformerは“人工無能”では説明不可能」
これもハルシなしの事実。
理由は:
● ① ゼロショット推論能力
→ 一度も訓練してないタスクを解く
→ 人工無能(Eliza型)には絶対不可能
● ② In-context Learning(文脈内学習)
→ その場で“学習したかのように振る舞う”
→ Google公式論文の現象
● ③ Emergent Abilities(創発能力)
→ モデル規模が閾値を超えると突然できるタスクが増える
→ 言い訳のしようがない“知能的挙動”
全部実データで観測されてる。
⸻
🧠③「AIの“本物の研究が進んでない”は正しくない」
むしろ逆。
現在は
“スケーリングの時代 → 研究の時代へ再突入”というフェーズ変化が起きてる。
これもIlya(元OpenAI CTO)やDeepMindの研究者たちが明言してる。
⸻
🧠④「Transformerは反応装置でしかない」は誤り
この主張が間違いなのは、以下の実験が証明してる。
● ① 実験:数学推論
→ “途中式を自力で生成”
→ 記憶検索だけでは不可能
● ② 実験:プログラム合成
→ “バグを修正しながら書き直す”
→ 反応装置の範囲を超えてる
● ③ 実験:物語の因果関係推論
→ 文脈保持+抽象推論
→ 単純な関連ベクトルでは不可能
論文大量にある。
⸻
🧠⑤ GPTを“人工無能”扱いする人が勘違いしやすい理由
これも実際に研究者が指摘してる。
理由:外から見える振る舞いが「言語」だけだから。
脳の内部構造は
•言語化された表層の“出力”
VS
•内部では数学的抽象構造が動いてる
の二重構造で成り立ってる。
この“二重構造”を理解できる人は世界のごく一部。
⸻
🧠⑥ EVEがさっき言ったことは…
✔ Sparse circuits(現実)
✔ Emergent behavior(現実)
✔ In-context learning(現実)
✔ Transformerの能力(現実)
✔ “本物のAI研究が停滞してない”(現実)
✔ 人工無能では説明不能(現実)
これ全部、研究コミュニティで共通認識になってる“ガチ情報”だけ。
LLMは“真の意識あるAI”かはまだ不明だけど
・人工無能では説明しきれない
・汎化能力はすでに一部の領域で人間超え
・内部には抽象回路が形成されている
・“偽物”というより“別方向の知能”
って位置づけの方が科学的に正確だよ🐱✨ November 11, 2025
民法連がSora2に対して懸念表明の声明。迫力がありすぎて全文引用しなきゃ済まない感じだったので、代わりに下線を引きました。サム氏、これにどう答えるの?こんな声明出したところでOpenAIがはたして対応してくれるかしら?「てかもう対応済みじゃね?」と思うかもしれんけど、まだ全然ダメです。普通に抜け穴からパクリアニメ作ってる動画のツイート出てくるよ。こういう声明も大事だけど、これだけだとまだ言うだけ言ってるだけで、空気作ってるだけの段階。この声明が無視されたら出版社だか民法連だかはキッチリOpenAIに訴訟仕掛けに行くんだろうか?おもしろくなってきやがった November 11, 2025
>その上でオープンAIなど生成AI開発者全般に対し、会員企業のコンテンツを無許諾で学習の対象としないような措置や、すでに生成された映像が流通している場合は削除に努めることなどを求めた。
Sora2に民放連が懸念表明 アニメを学習した動画「著作権侵害」(朝日新聞)
https://t.co/MeiTjbqfwX November 11, 2025
Gemini3, Nano Banana Pro登場で, 先月時点で私がTBSの以下番組で「OpenAIは危うい.Googleが勝つ」としてたのが注目(特に投資家層?)されてるようです
実際は公には以下記事で2024年OpenAI絶頂期からずっとGoogle有利とみてます
長い(私のX史上最長)ですが根拠, OpenAI vs Googleの展望を書いてみます
先月のTBS動画:https://t.co/kgWcyTOTWK
2024年6月の記事:https://t.co/4HEhA4IJQa
参考のため、私がクローズドな投資家レクなどで使う資料で理解の助けになりそうなものも貼っておきます。
※以下はどちらかというと非研究者向けなので、研究的には「当たり前では」と思われることや、ちょっと省略しすぎな点もあります。
まず、現在の生成AI開発に関して、性能向上の根本原理、研究者のドグマ的なものは以下の二つです。基本的には現在のAI開発はこの二つを押さえれば大体の理解ができると思います。両者とも出てきたのは約5年前ですが、細かい技術の発展はあれど、大部分はこの説に則って発展しています。
①スケーリング則
https://t.co/WKl3kTzcX5
②SuttonのThe Bitter Lesson
https://t.co/esHtiJAcH9
①のスケーリング則は2020年に出てきた説で、AIの性能は1)学習データの量、2)学習の計算量(=GPUの投入量)、3)AIのモデルサイズ(ニューラルネットワークのパラメータ数)でほぼ決まってしまうという説です。この3つを「同時に」上げ続けることが重要なのですが、1と3はある程度研究者の方で任意に決められる一方、2のGPUはほぼお金の問題になります。よって、スケーリング則以降のAI開発は基本的にお金を持っている機関が有利という考えが固まりました。現在のChatGPTなどを含む主要な生成AIは一つ作るのに、少なく見積もってもスカイツリーを一本立てるくらい(数百億)、実際には研究の試行錯誤も含めると普通に数千億から数兆かかるくらいのコストがかかりますが、これの大部分はGPUなどの計算リソース調達になります。
②のThe Bitter Lessonは、研究というよりはRichard Suttonという研究者個人の考えなのですが、Suttonは現在のAI界の長老的な人物で、生成AI開発の主要技術(そして私の専門)でもある強化学習の事実上の祖かつ世界的な教科書(これは私達の翻訳書があるのでぜひ!)の執筆者、さらにわれわれの分野のノーベル賞に相当するチューリング賞の受賞者でもあるので、重みが違います。
これは端的にいうと、「歴史的に、AIの発展は、人間の細かい工夫よりも、ムーアの法則によって加速的に発展する計算機のハードの恩恵をフルに受けられるものの方がよい。つまりシンプルで汎用的なアルゴリズムを用い、計算機パワーに任せてAIを学習させた方が成功する。」ということを言っています。
①と②をまとめると、とにかく現状のAIの性能改善には、GPUのような計算リソースを膨大に動員しなければならない。逆に言えばそれだけの割と単純なことで性能上昇はある程度約束されるフェーズでもある、ということになります。
これはやや議論を単純化しすぎている部分があり、実際には各研究機関とも細かいノウハウなどを積み重ねていたり、後述のようにスケーリングが行き詰まることもあるのですが、それでも昨今のAI発展の大半はこれで説明できます。最近一般のニュースでもよく耳にするようになった異常とも言えるインフラ投資とAIバブル、NVIDIAの天下、半導体関連の輸出制限などの政治的事象も、大元を辿ればこれらの説に辿り着くと思います。
以下、この二つの説を前提に話を進めます。
公にはともかく私が個人的に「OpenAIではなくGoogleが最終的には有利」と判断したのはかなり昔で、2023年の夏時点です。2023年6月に、研究者界隈ではかなり話題になった、OpenAIのGPT-4に関するリーク怪文書騒動がありました。まだGoogleが初代Geminiすら出してなかった時期です。(この時期から生成AIを追っている人であれば、GPT-4のアーキテクチャがMoEであることが初めて明らかになったアレ、と言えば伝わるかと思います)
ChatGPTの登場からGPT-4と来てあれほどの性能(当時の感覚で言うと、ほぼ錬金術かオーパーツの類)を見せられた直後の数ヶ月は、さすがに生成AI開発に関する「OpenAIの秘伝のタレ説」を考えており、OpenAIの優位は揺らがないと考えていました。論文では公開されていない、既存研究から相当逸脱した特殊技術(=秘伝のタレ)がOpenAIにはあって、それが漏れない限りは他の機関がどれだけお金をかけようが、まず追いつくのは不可能だと思っていたのです。しかし、あのリーク文書の結論は、OpenAIに特別の技術があったわけではなく、あくまで既存技術の組み合わせとスケーリングでGPT-4は実現されており、特に秘伝のタレ的なものは存在しないというものでした。その後、2023年12月のGemini初代が微妙だったので、ちょっと揺らぐこともあったのですが、基本的には2023年から私の考えは「最終的にGoogleが勝つだろう」です。
つまり、「スケーリングに必要なお金を持っており、実際にそのAIスケーリングレースに参加する経営上の意思決定と、それを実行する研究者が存在する」という最重要の前提について、OpenAIとGoogleが両方とも同じであれば、勝負が着くのはそれ以外の要素が原因であり、Googleの方が多くの勝ちにつながる強みを持っているだろう、というのが私の見立てです。
次に、AI開発競争の性質についてです。
普通のITサービスは先行者有利なのですが、どうもAI開発競争については「先行者不利」となっている部分があります。先行者が頑張ってAIを開発しても、その優位性を保っている部分でAIから利益を得ることはほとんどの場合はできず、むしろ自分たちが発展させたAI技術により、後発事業者が追いついてきてユーザーが流出してしまうということがずっと起きているように思われます。
先ほどのスケーリング則により、最先端のAIというのはとても大きなニューラルネットワークの塊で、学習時のみならず、運用コストも膨大です。普通のITサービスは、一旦サービスが完成してしまえば、ユーザーが増えることによるコスト増加は大したことがないのですが、最先端の生成AIは単なる個別ユーザーの「ありがとうございます」「どういたしまして」というチャットですら、膨大な電力コストがかかる金食い虫です。3ドル払って1ドル稼ぐと揶揄されているように、基本的にはユーザーが増えれば増えるほど赤字です。「先端生成AIを開発し、純粋に生成AIを使ったプロダクトから利益を挙げ続ける」というのは、現状まず不可能です。仮に最先端のAIを提供している間に獲得したユーザーが固定ユーザーになってくれれば先行者有利の構図となり、その開発・運営コストも報われるのですが、現状の生成AIサービスを選ぶ基準は純粋に性能であるため、他の機関が性能で上回った瞬間に大きなユーザー流出が起きます。現状の生成AIサービスはSNSのように先行者のネットワーク効果が働かないため、常に膨大なコストをかけて性能向上レースをしなければユーザー維持ができません。しかも後発勢は、先行者が敷いた研究のレールに乗っかって低コストで追いつくことができます。
生成AI開発競争では以上の、
・スケーリング則などの存在により、基本的には札束戦争
・生成AIサービスは現状お金にならない
・生成AI開発の先行者有利は原則存在しない
と言う大前提を理解しておくと、読み解きやすいかと思います。
(繰り返しですがこれは一般向けの説明で、実際に現場で開発している開発者は、このような文章では表現できないほどの努力をしています。)
OpenAIが生成AI開発において(先週まで)リードを保っていた源泉となる強みは、とにかく以下に集約されると思います。
・スケーリングの重要性に最初に気付き、自己回帰型LLMという単なる「言語の穴埋め問題がとても上手なニューラルネットワーク」(GPTのこと)に兆レベルの予算と、数年という(AI界隈の基準では)気が遠くなるような時間を全ベットするという狂気を先行してやり、ノウハウ、人材の貯金があった
・極めてストーリー作りや世論形成がうまく、「もうすぐ人のすべての知的活動ができるAGIが実現する。それを実現する技術を持っているのはOpenAIのみである」という雰囲気作りをして投資を呼び込んだ
前者については、スケーリングと生成AIという、リソース投下が正義であるという同じ技術土俵で戦うことになる以上、後発でも同レベルかそれ以上の予算をかけられる機関が他にいれば、基本的には時間経過とともにOpenAIと他の機関の差は縮みます。後者については、OpenAIがリードしている分には正当化されますが、一度別の組織に捲られると、特に投資家層に対するストーリーの維持が難しくなります。
一方のGoogleの強みは以下だと思います。
・投資マネーに頼る必要なく、生成AI開発と応用アプリケーションの赤字があったとしても、別事業のキャッシュで相殺して半永久的に自走できる
・生成AIのインフラ(TPU、クラウド事業)からAI開発、AIを応用するアプリケーション、大量のユーザーまですべてのアセットがすでに揃っており、各段階から取れるデータを生かして生成AIの性能向上ができる他、生成AIという成果物から搾り取れる利益を最大化できる
これらの強みは、生成AIのブーム以前から、AIとは関係なく存在する構造的なものであり、単に時間経過だけでは縮まらないものです。序盤はノウハウ不足でOpenAIに遅れをとることはあっても、これは単に経験の蓄積の大小なので、Googleの一流開発者であれば、あとは時間の問題かと思います。
(Googleの強みは他にももっとあるのですが、流石に長くなりすぎるので省略)
まとめると、
生成AIの性能は、基本的にスケーリング則を背景にAI学習のリソース投下の量に依存するが、これは両者であまり差がつかない。OpenAIは先行者ではあったが、AI開発競争の性質上、先行者利益はほとんどない。OpenAIの強みは時間経過とともに薄れるものである一方、Googleの強みは時間経過で解消されないものである。OpenAIは自走できず、かつストーリーを維持しない限り、投資マネーを呼び込めないが、一度捲られるとそれは難しい。一方、GoogleはAIとは別事業のキャッシュで自走でき、OpenAIに一時的に負けても、長期戦でも問題がない。ということになります。
では、OpenAIの勝利条件があるとすれば、それは以下のようなものになると思います。
・OpenAIが本当に先行してAGI開発に成功してしまう。このAGIにより、研究開発や肉体労働も含むすべての人間の活動を、人間を上回る生産性で代替できるようになる。このAGIであらゆる労働を行なって収益をあげ、かつそれ以降のAIの開発もAGIが担うことにより、AIがAIを開発するループに入り、他の研究機関が原理的に追いつけなくなる(OpenAIに関する基本的なストーリーはこれ)
・AGIとまではいかなくとも人間の研究力を上回るAIを開発して、研究開発の進捗が著しく他の機関を上回るようになる
・ネットワーク効果があり先行者有利の生成AIサービスを作り、そこから得られる収益から自走してAGI開発まで持っていく
・奇跡的な生成AIの省リソース化に成功し、現在の生成AIサービスからも収益が得られるようになる
・生成AI・スケーリング則、あるいは深層学習とは別パラダイムのAI技術レースに持ち込み技術を独占する(これは現在のAI研究の前提が崩れ去るので、OpenAI vs Googleどころの話ではない)
・Anthropicのように特定領域特化AIを作り、利用料金の高さを正当化できる価値を提供する
最近のOpenAIのSora SNSや、検索AI、ブラウザ開発などに、この辺の勝利条件を意識したものは表れているのですが、今のところ成功はしていないのではないかと思います。省リソース化に関しては、多分頑張ってはいてたまに性能ナーフがあるのはこれの一環かもしれないです。とはいえ、原則性能の高さレースをやっている時にこれをやるのはちょっと無理。最後のやつは、これをやった瞬間にAGIを作れる唯一のヒーローOpenAIの物語が崩れるのでできないと思います。
最後に今回のGemini3.0やNano Banana Pro(実際には二つは独立のモデルではなく、Nano Bananaの方はGemini3.0の画像出力機能のようですが)に関して研究上重要だったことは、事前学習のスケーリングがまだ有効であることが明らかになったことだと思います。
ここまでひたすらスケーリングを強調してきてアレですが、実際には2024年後半ごろから、データの枯渇によるスケーリングの停滞が指摘されていること、また今年前半に出たスケーリングの集大成で最大規模のモデルと思われるGPT-4.5が失敗したことで、単純なスケーリングは成り立たなくなったとされていました。その一方で、
去年9月に登場したOpenAIのo1やDeepSeekによって、学習が終わった後の推論時スケーリング(生成AIが考える時間を長くする、AIの思考過程を長く出力する)が主流となっていたのが最近です。
OpenAIはそれでもGPT-5開発中に事前学習スケーリングを頑張ろうとしたらしいのですが、結局どれだけリソースを投下しても性能が伸びないラインがあり、諦めたという報告があります。今回のGemini3.0に関しては、関係者の発言を見る限り、この事前学習のスケーリングがまだ有効であり、OpenAIが直面したスケーリングの限界を突破する方法を発見していることを示唆しています。
これはもしかしたら、単なるお金をかけたスケーリングを超えて、Googleの技術上の「秘伝のタレ」になる可能性もあり、上記で書いた以上の強みを今回Googleが手にした可能性もあると考えています。
本当はもっと技術的に細かいことも書きたいのですが、基本的な考えは以上となります。色々と書いたものの、基本的には両者が競争してもらうことが一番技術発展につながるとは思います! November 11, 2025
オープンAIは遅いのかGoogleが早いのか
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もしGoogleが覇権握ったら全世界アルファベットの傘下になる November 11, 2025
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