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2025.11.26 06:00
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なぜ、説明不可能な「E2E」自動運転を、Teslaだけが市場投入できるのか?
それではなぜ、自動車安全に関する基準があるにもかかわらず、なぜTeslaだけがFSD(E2E)をリリースできて、伝統的な自動車メーカーは足踏みしてしまっているでしょうか? この問いに対する答えは、技術力の差以上に、「法律」と「規格」の巧みな使い分け、そして何よりリスクに対する経営思想の違いにあります。
現在の自動車法規(UN-R等)において、レベル2(運転支援)の枠組みでブラックボックスなAI(E2E)の使用を明確に禁止する条文はありません。 法が求めているのは主に「物理的な挙動の制限」や「ドライバー監視」であり、「内部ロジックがルールベースかAIか」までは踏み込んでいないのが現状です。
では、なぜ他社は躊躇するのか? それは「ISO 26262 / SOTIF」という「安全規格」の存在です。
伝統的なOEMにとって、ISOなどの国際規格は「開発の教科書」であると同時に、万が一事故が起きた際に「やるべきことはやった」と主張し、製造物責任訴訟から会社を守るための「鎧」でもあります。(もちろん、だからといって必ずしも訴訟に勝てるわけではありません)しかし、E2Eのような巨大なニューラルネットワークは、「なぜその判断をしたかという説明可能性」や「コード1行ごとの追跡可能性」を求める既存のISOプロセスとは極めて相性が悪く、準拠しようとすれば開発は破綻します。
こういった状況の中でTeslaは、「ISOという鎧を脱ぎ捨て、データという武器だけで戦う」という他のOEMがとっていない全く別の戦略(=リスク)をとっています。
彼らのロジックは割と明快で 「説明可能性を求めてプロセスを固めるより、莫大な実走行データで『統計的に人間より事故率が低い』という結果を示す方が、AI時代においては正義である」というものです。
つまり、Teslaはすごく直接的な表現をすると、「ISOはAI時代に合わない古い物差しだ」と見切りをつけ、プロセス保証からデータ保証へとゲームのルール自体を変えようとしているのです。
もちろん、これは「ISO準拠」という「鎧」を装着せずに市場に出ることを意味するため、極めてハイリスクな戦略です。しかし、彼らはそのリスクをとっている。
この「既存の自動車安全の枠組み(鎧)を守るか、捨てて素早く市場投入するのか」という構造的なスタンスの違いこそが、自動運転市場におけるTeslaと他社の決定的な違いです。
単純に、「Teslaは技術的に神!他のOEMは遅れている!」という話ではなく、彼らが「どういうリスクをとっているのか?」をしっかりと理解することはこの市場を理解する上でとても大切だと思います。
※ちなみに個人的に「Teslaは技術的に神!」は、本当にそうだと思いますけどね笑 November 11, 2025
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