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2025.12.17 04:00
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松屋フーズHDが「六厘舎」などを運営する松富士を91億円で買収。
これ、ラーメン業界激震のニュースですが、公開された決算数値を紐解くと「なぜ松屋がこの巨額を出したのか」という経営戦略がめちゃくちゃ面白かったので解説します。
まず、今回の買収金額は91億円。
これに対して、直近の松富士の業績は以下の通りです。
・売上高:約100億円
・営業利益:約4億円
・店舗数:120店舗
パッと見てどう思いますか?
「売上100億すごい!」と思う一方で、「利益率4%(4億円)ってちょっと低くない?」と感じた経営者の方もいるかもしれません。飲食、特に高単価なブランドを持つチェーンなら、もう少し利益が出てもおかしくない数字です。
さらに、純資産は約15億円。
つまり、松屋は差額の約76億円もの「のれん代(ブランド料など)」を乗っけて買ったことになります。現在の利益(4億円)ベースで考えると、回収に20年以上かかる計算です。普通に考えたら「高値掴み」に見えるかもしれません。
でも、ここがM&Aの面白いところ。
僕の予想ですが、松屋フーズは「今の利益4億円」なんて見ていないはずです。
松屋には、牛めしやとんかつ業態で培った最強の「調達力」「物流網」「店舗オペレーション」「データ活用」があります。
今の松富士の利益率4%という数字は、裏を返せば「松屋のインフラに乗せれば、コストを一気に下げて利益率8〜10%に改善できる余地がある」ということです。
もし利益率を改善できて、営業利益が10億円になれば?
91億円の買収額も、PERなどの指標で見れば一気に適正価格、あるいは「お買い得」な案件に化けます。
さらに決算推移を見ると、直近3年で売上が67億→85億→100億と急伸しています。
これは株主であるファンドと創業家が、M&AによるExitを見据えて、この数年で店舗を一気に増やし、しっかりと売上を作って「企業価値を仕上げてきた」形跡がありありと見えます。まさにプロの仕事。
結論として、今回の買収は以下の2点が噛み合った綺麗なディールだと感じました。
売り手:ブランドを磨き、店舗数を増やして売上規模を最大化して高く売った
買い手:完成されたブランドと売上基盤を買い、自社のオペレーション力で利益体質へ変革させる(時間を金で買った)
「六厘舎」という超強力なブランドが、松屋の資本とオペレーションでどう化けるのか。
店舗展開のスピード感や海外展開も含めて、同じ麺業界の人間として、そして経営者として、今後の展開が非常に楽しみで脅威でもあります。
それにしても、ラーメン業界の再編が面白いことになってきましたね。 December 12, 2025
ジャムおじさんとM&Aトラブル編
ジャムおじさん、バイキン城株式会社を買収する
「これでビジネスが拡大できる」と思った瞬間、悪夢が始まった
ある日、ジャムおじさんのパン工場に、一人の仲介者が訪ねてきた。名前はホラーマン。M&A仲介会社「デスマッチM&A」の営業担当だ。
「ジャムおじさん、素晴らしいお話があります。バイキン城株式会社が売りに出ています。買収しませんか?」
バタコさんは「バイキン城……?あの、ばいきんまんの会社ですか?」と驚く。
ホラーマンは、ニコニコしながら言う。「そうです。実は、ばいきんまんは資金繰りに困っていて、会社を売却したいと考えているんです。年商3億円、営業利益5,000万円の優良企業ですよ。今ならEBITDA倍率5倍で、たったの2億5,000万円で買えます!」
ジャムおじさんは眉をひそめる。「でも、ばいきんまんは、わしらの敵じゃないか。なぜ、わしがその会社を買わなきゃいかんのじゃ?」
ホラーマンは畳みかける。「実は、バイキン城株式会社は『試練提供サービス』という独自のビジネスモデルを持っています。御社のパン工場と統合すれば、垂直統合による大きなシナジーが生まれますよ!ヒーローと敵役の両方を持つことで、ストーリーの完全コントロールが可能になります!」
バタコさんは「シナジー……ですか?」
ホラーマンは「そうです!しかも、今月中に契約すれば、私の成功報酬が10%割引になります!これはチャンスですよ!」
ジャムおじさんは少し考える。「確かに……ばいきんまんがいなければ、アンパンマンの価値は下がる。もし、ばいきんまんのビジネスを買収できれば、わしらのビジネスも安定する……よし、やってみよう」
こうして、ジャムおじさんは銀行から2億5,000万円を借り入れ、DDもほとんどせずにバイキン城株式会社を買収した。
1. 【よくあるトラブル①】キーマンが即退職
買収が完了した翌日。ジャムおじさんとバタコさんは、バイキン城に向かった。
ばいきんまんは、ニヤニヤしながら言う。「ハヒフヘホー!ジャムおじさん、買ってくれてありがとうな!これでオレ様は自由だぜ!」
ジャムおじさんは「ばいきんまん、これから一緒にビジネスをやっていくんじゃ。よろしく頼むぞ」
ばいきんまんは「あ、そうそう。オレ様、明日からハワイに移住するから。もうここには来ないぜ!じゃあな!」と言って、バイキンUFOに乗って飛んで行ってしまった。
バタコさんは「え?待って!契約書には『買収後も3ヶ月間は業務を引き継ぐ』って書いてあったはずでは……?」
ジャムおじさんは契約書を確認する。すると、小さな字でこう書いてあった。
「ただし、売り手の健康上の理由、または家庭の事情により、引き継ぎ期間を短縮することができる」
ばいきんまんは「オレ様、ちょっと体調悪いんだよね。ハワイで療養するわ!」と言い残して消えた。
これが、M&Aで最も多いトラブル「キーマンの即退職」だ。
2. 【よくあるトラブル②】粉飾決算が発覚
バタコさんは、バイキン城の帳簿を詳しく調べ始めた。そして、顔が青ざめる。
「おじさん……これ、見てください……」
帳簿には、こう書かれていた。
【買収前に提示された数字】
年商:3億円
営業利益:5,000万円
純資産:1億円
【実際の数字】
年商:2億円(架空売上1億円が含まれていた)
営業利益:実質赤字2,000万円
純資産:実質マイナス5,000万円(簿外債務が6,000万円あった)
バタコさんは「おじさん、これって……粉飾決算ですよね?」
ジャムおじさんは「そんな……仲介者は『優良企業』と言っておったのに……」
バタコさんは、架空売上の内訳を調べた。すると、こんな記録が出てきた。
架空売上の手口
循環取引:バイキン城 → ダークネス商社 → バイキン城と、商品を売ったことにして売上を水増し
架空顧客:存在しない「宇宙王国」への売上を計上
期ズレ:来期の売上を前倒しで計上
バタコさんは「これ、完全に粉飾決算じゃないですか……でも、買収前のDDで、なぜ気づかなかったんですか?」
ジャムおじさんは「実は……DDをほとんどやっておらんかった……ホラーマンが『この案件は人気で、他にも買い手がいます。早く決めないと逃げますよ』と急かすものだから……」
これが、M&Aで二番目に多いトラブル「粉飾決算」だ。DDを怠ると、必ずこうなる。
3. 【よくあるトラブル③】簿外債務が山ほど出てくる
さらに、バタコさんは「簿外債務」を発見した。
簿外債務リスト
未払い残業代:従業員ドキンちゃんへの未払い残業代2,000万円
リース債務:バイキンUFOのリース契約(残債3,000万円)
訴訟リスク:過去に試練提供で怪我をさせた被害者からの損害賠償請求1,000万円
税務リスク:過去3年分の消費税申告漏れ、追徴課税予想額1,500万円
環境リスク:バイキン城の地下にカビ廃棄物が埋まっており、除去費用5,000万円
合計:1億2,500万円
バタコさんは「おじさん……これ、全部私たちが払わなきゃいけないんですか?」
ジャムおじさんは「契約書には『簿外債務は売り手が負担』と書いてあるはずじゃ……」
バタコさんは契約書を確認する。確かにそう書いてあった。でも、こんな一文もあった。
「ただし、買い手が知り得た、または知り得るべきだった債務については、買い手が負担する」
つまり、DDをちゃんとやっていれば発見できたはずの債務は、買い手が負担することになる。
ジャムおじさんは「そんな……」
これが、M&Aで三番目に多いトラブル「簿外債務」だ。
4. 【よくあるトラブル④】顧客がキーマン依存で、契約が全部解除される
さらに、バタコさんは顧客との契約書を調べた。
試練提供契約書(カレー王国)
契約期間:1年間(自動更新)
報酬:年間1億円
ただし、ばいきんまん本人が試練を提供すること。代理は認めない
バタコさんは「おじさん……これ、ばいきんまん本人じゃないとダメって書いてあります……」
ジャムおじさんは「ということは、ばいきんまんがいなくなった今、この契約は履行できないということか……?」
バタコさんは、カレー王国に電話をかけた。
「もしもし、カレー王国ですか?バイキン城株式会社を買収した、ジャムおじさんと申します。これから、ばいきんまんの代わりに……」
カレー王国の担当者は、冷たく言う。
「契約書を読んでください。ばいきんまん本人が提供すること、と書いてあります。ばいきんまんがいないなら、契約は解除です。今年度分の前払い金5,000万円を返金してください」
バタコさんは「返金……?でも、もう買収代金を払ってしまって……」
カレー王国の担当者は「それは知りません。来週までに返金しない場合、訴訟を起こします」
電話は切られた。
バタコさんは、他の顧客にも電話をかけた。パン王国、宇宙王国、海底王国……全ての顧客が、同じことを言った。
「ばいきんまんがいないなら、契約解除。前払い金を返金しろ」
合計返金額:1億5,000万円
ジャムおじさんは「そんな金額、わしには払えん……」
これが、M&Aで四番目に多いトラブル「キーマン依存による顧客離反」だ。
5. 【よくあるトラブル⑤】従業員も一斉退職
さらに悪いことに、従業員のドキンちゃんが辞表を持ってきた。
「あたし、もうここで働きたくないわ。ばいきんまん様がいなくなったら、意味ないもの」
バタコさんは「ドキンちゃん、お願いです。一緒に頑張りましょう」と引き止める。
ドキンちゃんは「無理よ。それに、あたし、未払い残業代2,000万円もらってないのよ。払ってくれるなら、考えてもいいけど」
バタコさんは「2,000万円……?」
ドキンちゃんは「ばいきんまん様、いつも『後で払う』って言ってたけど、結局払ってくれなかったの。労働基準監督署にも相談してるわ」
バタコさんは「でも、それは買収前の話ですよね?ばいきんまんに請求してください……」
ドキンちゃんは「労働債務は、会社が引き継ぐのよ。買収したあなたたちが払う義務があるわ。払わないなら、労基署に訴えるし、辞めるわ」
バタコさんは「そんな……」
ドキンちゃんは「じゃあね」と言って、バイキン城を去った。
これが、M&Aで五番目に多いトラブル「従業員の一斉退職と労働債務の請求」だ。
6. 【よくあるトラブル⑥】隠れた重要契約が足枷になる
バタコさんは、さらに契約書を調べた。すると、とんでもない契約が出てきた。
業務委託契約書
委託者:バイキン城株式会社(ばいきんまん)
受託者:悪の秘密結社ダークネス
契約内容:
ダークネスは、ばいきんまんに「悪役としての指導」を提供する
ばいきんまんは、試練提供ビジネスで得た収益の30%をダークネスに支払う
本契約は、会社の所有権が移転した場合も継続される
契約期間:10年間(残り8年)
違約金:契約を途中で解除する場合、3億円を支払う
バタコさんは「おじさん……これ、私たちが引き継がなきゃいけないんですか?年間8,000万円を、あと8年も?」
ジャムおじさんは「契約書には『会社の所有権が移転した場合も継続される』と書いてある……つまり、わしらが引き継ぐことになるのう……」
バタコさんは「でも、もう顧客はいないから、収益もないですよね?それなのに、ダークネスには払い続けなきゃいけないんですか?」
ジャムおじさんは契約書をよく読む。すると、こう書いてあった。
「収益の有無にかかわらず、最低保証額として年間5,000万円を支払うこと」
バタコさんは「おじさん……これ、あと8年間で4億円ですよ……」
これが、M&Aで六番目に多いトラブル「隠れた重要契約(チェンジオブコントロール条項)」だ。
7. 【よくあるトラブル⑦】競業避止義務がなく、売り手がすぐに競合を始める
買収から1ヶ月後。町の人から、こんな噂を聞いた。
「ねえ、知ってる?ばいきんまんが、隣町で新しい会社『バイキン城2.0』を作ったんだって。また試練提供ビジネスをやってるらしいよ」
ジャムおじさんは「なんじゃと!?」
バタコさんは「おじさん、契約書に競業避止義務は書いてありましたか?」
ジャムおじさんは契約書を確認する。でも、競業避止義務の条項はなかった。
つまり、ばいきんまんは、買収後すぐに同じビジネスを始めても問題ない。
しかも、ばいきんまんは元の顧客(カレー王国、パン王国)にこう営業していた。
「オレ様が戻ってきたぜ!また一緒に仕事しようぜ!しかも、今度は前より安い値段でやるぜ!」
顧客は、喜んでばいきんまんと再契約した。
ジャムおじさんは「わしらは、顧客を失い、債務だけが残った……そして、ばいきんまんは顧客を取り戻して、また儲けておる……」
これが、M&Aで七番目に多いトラブル「競業避止義務の不備」だ。
8. 【よくあるトラブル⑧】表明保証があっても、売り手が逃げて回収不能
ジャムおじさんは、弁護士に相談した。
「先生、契約書には『表明保証』があります。ばいきんまんが嘘をついていたら、損害賠償を請求できるはずです」
弁護士は契約書を見る。
「確かに、表明保証はあります。でも、問題があります」
バタコさんは「何ですか?」
弁護士は「まず、ばいきんまんと連絡が取れません。ハワイに移住したと言っていますが、住所も電話番号もわかりません」
ジャムおじさんは「でも、訴訟を起こせば……」
弁護士は「訴訟を起こすこともできます。でも、ばいきんまんの居場所がわからなければ、訴状を送ることもできません。仮に勝訴しても、財産が隠されていれば、回収できません」
バタコさんは「つまり……表明保証があっても、意味がないんですか?」
弁護士は「エスクロー(第三者預託)を使っていれば、売却代金の一部を預けておいて、問題が発覚したら自動的に返金されるシステムがあります。でも、この契約書には、エスクローの条項がありません」
ジャムおじさんは「つまり、わしは泣き寝入りするしかないのか……」
これが、M&Aで八番目に多いトラブル「表明保証があっても回収不能」だ。
9. 【よくあるトラブル⑨】仲介者は成約後、一切関与しない
ジャムおじさんは、仲介者のホラーマンに電話をかけた。
「ホラーマンさん、大変なんです!買収した会社が粉飾決算で、簿外債務も山ほど出てきて……」
ホラーマンは「あー、それは残念ですねー。でも、契約は成立してますから、僕の仕事は終わってます」
ジャムおじさんは「でも、あなたは『優良企業』と言ったじゃないですか!」
ホラーマンは「僕は、売り手から提供された情報を伝えただけですよ。DDは買い手の責任です。それに、契約書にも『仲介者は、情報の正確性について責任を負わない』と書いてあるでしょ?」
ジャムおじさんは「そんな……」
ホラーマンは「それより、成功報酬2,500万円、まだもらってないんですけど。早く払ってくださいね。じゃ!」
電話は切られた。
これが、M&Aで九番目に多いトラブル「仲介者は成約後、一切関与しない」だ。
10. 【よくあるトラブル⑩】銀行が融資を引き上げる
買収から3ヶ月後。ジャムおじさんは、銀行から2億5,000万円を借り入れていた。その返済が始まる。
銀行の担当者は「ジャムおじさん、今月の返済額は500万円です。ちゃんと払えますか?」と尋ねる。
ジャムおじさんは「実は……バイキン城株式会社の売上がゼロになってしまって……」
銀行の担当者は「え?どういうことですか?買収時の事業計画では、年商3億円と聞いていましたが」
ジャムおじさんは「それが粉飾決算で……実際の売上は半分以下で……しかも、顧客も全員離れてしまって……」
銀行の担当者は「それは困りましたね……では、融資を一括返済してください」
ジャムおじさんは「一括返済……?そんな金額、払えません……」
銀行の担当者は「では、担保のパン工場を差し押さえます」
ジャムおじさんは「そんな……」
これが、M&Aで十番目に多いトラブル「銀行が融資を引き上げ、担保を差し押さえる」だ。
11. 税務署からの「調査」と追徴課税
さらに追い打ちをかけるように、税務署から調査が入った。
事業内容等について
・バイキン城株式会社の過去の申告について、以下の点を確認させてください。
・架空売上:循環取引による売上1億円は、取り消されるべきではないですか?
・外注費:悪の秘密結社ダークネスへの支払い年間8,000万円は、実態がありますか?
・消費税:過去3年分の消費税申告に漏れがあります
追徴課税予想額:1億2,000万円(過少申告加算税・延滞税含む)
ジャムおじさんの税理士は「これは……買収前の税務リスクが表面化しています。原則として、買い手が負担することになります」
ジャムおじさんは「1億2,000万円……そんな金額、わしには払えん……」
これが、M&Aで十一番目に多いトラブル「税務リスクの表面化」だ。
12. 損害の合計
バタコさんは、すべての損害を計算した。
損害の合計
買収代金:2億5,000万円
仲介手数料:2,500万円
顧客への返金:1億5,000万円
簿外債務:1億2,500万円
ダークネスへの支払い(8年分):4億円
追徴課税:1億2,000万円
未払い残業代:2,000万円
合計:12億9,000万円
バタコさんは「おじさん……これ、どうやって払うんですか……」
ジャムおじさんは「わしには、もう払える金がない……」
13. 破産手続き
結局、ジャムおじさんは破産手続きを取ることになった。
パン工場は競売にかけられ、見知らぬ会社に買い取られた。
バイキン城株式会社も、清算された。
ジャムおじさんは、全てを失った。
バタコさんは「おじさん……私たち、どうやって生きていけばいいんですか……」
ジャムおじさんは「わしには、もう何も残っておらん……」
チーズも「ワンワン……」と悲しそうに鳴く。
14. アンパンマンが助けに来るが……
そんなとき、アンパンマンがやってきた。
「ジャムおじさん、大変なことになってるって聞いたよ!僕たちが助けるよ!」
ジャムおじさんは「アンパンマン……ありがとう。でも、わしの借金は12億円を超えておる。君たちでも、どうにもならん……」
アンパンマンは「そんな……」
カレーパンマンも「俺たち、何かできることはないのか?」
しょくぱんまんも「ジャムおじさん……」
でも、どうにもならなかった。
15. M&Aの教訓──よくあるトラブルまとめ
この物語から、M&Aでよくあるトラブルと教訓をまとめる。
【よくあるM&Aトラブル11選】
1. キーマンの即退職:買収直後に売り手や重要人物が辞める
2. 粉飾決算:売上・利益が水増しされていた
3. 簿外債務:未払い残業代、リース債務、訴訟リスク、税務リスクなど
4. キーマン依存による顧客離反:顧客が「本人じゃないとダメ」と言って離れる
5. 従業員の一斉退職:キーマンがいなくなると、従業員も辞める
6. 隠れた重要契約:チェンジオブコントロール条項で、買収後も不利な契約が続く
7. 競業避止義務の不備:売り手がすぐに同じビジネスを始める
8. 表明保証があっても回収不能:売り手が逃げて、連絡が取れない
9. 仲介者は成約後、一切関与しない:トラブルが起きても、仲介者は知らんぷり
10. 銀行が融資を引き上げる:計画と実態が乖離すると、融資が引き上げられる
11. 税務リスクの表面化:買収前の税務問題が、買収後に追徴課税として降りかかる
【買い手側がやるべきだったこと】
DDを徹底的にやる(最低3ヶ月、専門家を雇う)
財務DD:過去3年分の決算書、総勘定元帳、請求書をすべて確認
税務DD:過去の申告書、税務調査の履歴を確認
法務DD:契約書、訴訟リスク、コンプライアンスを確認
労務DD:従業員の雇用契約、未払い残業代、労働紛争を確認
事業DD:顧客契約、キーマン依存度、競合状況を確認
表明保証とエスクローで防御する
売却代金の30%をエスクロー口座に預託(2年間)
粉飾決算・簿外債務が発覚したら、エスクローから補填
税務リスクが発覚したら、エスクローから補填
キーマンとの雇用契約を必須にする
ばいきんまん本人を、買収後3年間雇用する契約
違反したら、売却代金の50%を返還させる
競業避止義務を必ず入れる
買収後3年間、同じビジネスを禁止
違反したら、損害賠償1億円
チェンジオブコントロール条項をチェック
買収後も継続される不利な契約がないか、全契約書を確認
それでも怪しければ『買わない』
DDで疑問が残る案件は、絶対に買わない
【結論】
M&Aは、『買って終わり』じゃない。『買った瞬間から全責任を引き受ける取引』だ。
DDを怠る=将来のトラブルを高値で買う行為。
本気でやるなら、税務・労務・資金流用を中心にDD。取り切れないリスクは、表明保証・エスクローで封じ込めよ。
それでも怪しければ、『買わない』が正解。
ジャムおじさんは、窓の外を見ながら呟く。
「わしは、愚かじゃった……仲介者の甘い言葉に騙され、DDを怠り、リスクを見落とした……」
これが、ジャムおじさんが学んだ、高すぎる教訓だった。 December 12, 2025
今スモールM&Aが「入れ食い状態」になりつつある理由。それが東証の「100億円ルール」です。実は上場後10年(※現在は経過措置などで変動あり)で時価総額が100億円を超えないと上場廃止になる可能性があるんです。だから今、時価総額数十億円の中小型上場企業は生き残りをかけて必死で「売上と利益」を探しています。
「ゼロから新規事業を作る時間はない…」
↓
「そうだ!手っ取り早くすでに利益が出ている小さな事業を買収して自社の数字に足そう!」
みたいな
この「買い手の強烈なニーズ」にパズルのピースのようにハマる事業を作れば、向こうから「売ってくれ」と頭を下げてきます。
そんな「買い手が欲しがる事業の具体的な見つけ方」も今後発信していく予定なのでフォローして待っていてください。 December 12, 2025
◯新規事業所に限り 基本報酬を一定程度引き下げるよー
◯既存事業所の報酬は従来どおり据え置きだよー
■ 対象となる主なサービス
・就労継続支援B型
・共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型)
・児童発達支援
・放課後等デイサービス
いわゆるM &Aが増えます。(事業所売買が活発になります)
そして、既存事業所、たぶん値段上がります。
理由は単純で、制度が
「新規より既存が有利」
な構造に変わったから。
新規は報酬下げ。
既存は据え置き。
これ、既存事業所に
“制度プレミアム”
が乗る状態です。
つまり
事業所=営業権+報酬水準
みたいな扱いになる。
当然、
キャッシュフローが読める既存事業所は
投資対象として魅力が増します。
特に
・放課後等デイ
・児童発達支援
・就労B型
は、欲しがる側が増える。
なので
「黒字・人が揃ってる・運営安定」
この条件を満たす所は
普通に高くなります。
1. 事業所指定の基本原則
介護保険サービスや障害福祉サービスの事業所指定は、「法人格」+「所在地・人員体制・設備」に紐づいています(介護保険法や障害者総合支援法に基づく)。
◯株式譲渡(経営権変更のみ)の場合:
法人格自体が変わらないため、指定は自動的に継続します。
指定権者(都道府県・市区町村)への届出(代表者変更など)は必要ですが、**新規申請は不要**で、**既存扱い**となります。
報酬算定上も、開設年数や実績に基づく加算(例:処遇改善加算のキャリアパス要件など)が引き継がれやすいです。
◯事業譲渡・吸収分割・法人解散+新法人設立の場合:
法人格が変わるか、指定の承継が認められない形態のため、旧事業所の廃止届+新事業所の指定申請が必要になります。
結果として新規指定扱いとなり、開設初年度の加算制限などが適用されるケースがあります。
2. M&Aの主流手法
「M&A=必ず新規扱い」ではありません。
実際、介護・障害福祉分野のM&Aでは、株式譲渡が主流となっています(複数のM&A専門サイトや業界報告で確認)。
理由はまさに指定・許認可の継続しやすさ、従業員契約の自動承継、取引先契約の維持などが挙げられます。
事業譲渡は手続きが煩雑で新規扱いになるため、避けられる傾向が強まっています。
3. 今後の予測:「新規だけ報酬を下げる」設計が強まると既存指定維持型M&Aが増える?
本当です。論理的に高い可能性があります。
現在の報酬改定でも、一部の加算(例:処遇改善加算の区分取得実績、生産性向上加算など)で開設年数や運営実績が影響します。
新規指定だと初年度は不利になるケースが存在します。
もし将来の報酬改定で「新規事業所のみ報酬抑制(例:基本報酬の段階的引き上げ制限や加算の取得ハードル向上)」が強化されれば、既存指定を維持できる株式譲渡型M&Aがさらに加速するでしょう。
すでに指定維持がM&A手法選択の大きなインセンティブとなっているため、この傾向が強まるのは自然です。 December 12, 2025
◯新規事業所に限り 基本報酬を一定程度引き下げるよー
◯既存事業所の報酬は従来どおり据え置きだよー
■ 対象となる主なサービス
・就労継続支援B型
・共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型)
・児童発達支援
・放課後等デイサービス
いわゆるM &Aが増えます。(事業所売買が活発になります)
そして、既存事業所、たぶん値段上がります。
理由は単純で、制度が
「新規より既存が有利」
な構造に変わったから。
新規は報酬下げ。
既存は据え置き。
これ、既存事業所に
“制度プレミアム”
が乗る状態です。
つまり
事業所=営業権+報酬水準
みたいな扱いになる。
当然、
キャッシュフローが読める既存事業所は
投資対象として魅力が増します。
特に
・放課後等デイ
・児童発達支援
・就労B型
は、欲しがる側が増える。
なので
「黒字・人が揃ってる・運営安定」
この条件を満たす所は
普通に高くなります。
1. 事業所指定の基本原則
介護保険サービスや障害福祉サービスの事業所指定は、「法人格」+「所在地・人員体制・設備」に紐づいています(介護保険法や障害者総合支援法に基づく)。
◯株式譲渡(経営権変更のみ)の場合:
法人格自体が変わらないため、指定は自動的に継続します。
指定権者(都道府県・市区町村)への届出(代表者変更など)は必要ですが、新規申請は不要で、既存扱いとなります。
報酬算定上も、開設年数や実績に基づく加算(例:処遇改善加算のキャリアパス要件など)が引き継がれやすいです。
◯事業譲渡・吸収分割・法人解散+新法人設立の場合:
法人格が変わるか、指定の承継が認められない形態のため、旧事業所の廃止届+新事業所の指定申請が必要になります。
結果として新規指定扱いとなり、開設初年度の加算制限などが適用されるケースがあります。
2. M&Aの主流手法
「M&A=必ず新規扱い」ではありません。
実際、介護・障害福祉分野のM&Aでは、株式譲渡が主流となっています(複数のM&A専門サイトや業界報告で確認)。
理由はまさに指定・許認可の継続しやすさ、従業員契約の自動承継、取引先契約の維持などが挙げられます。
事業譲渡は手続きが煩雑で新規扱いになるため、避けられる傾向が強まっています。
3. 今後の予測:「新規だけ報酬を下げる」設計が強まると既存指定維持型M&Aが増える?
本当です。論理的に高い可能性があります。
現在の報酬改定でも、一部の加算(例:処遇改善加算の区分取得実績、生産性向上加算など)で開設年数や運営実績が影響します。
新規指定だと初年度は不利になるケースが存在します。
もし将来の報酬改定で「新規事業所のみ報酬抑制(例:基本報酬の段階的引き上げ制限や加算の取得ハードル向上)」が強化されれば、既存指定を維持できる株式譲渡型M&Aがさらに加速するでしょう。
すでに指定維持がM&A手法選択の大きなインセンティブとなっているため、この傾向が強まるのは自然です。 December 12, 2025
◯新規事業所に限り 基本報酬を一定程度引き下げるよー
◯既存事業所の報酬は従来どおり据え置きだよー
■ 対象となる主なサービス
・就労継続支援B型
・共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型)
・児童発達支援
・放課後等デイサービス
いわゆるM &Aが増えます。(事業所売買が活発になります)
そして、既存事業所、たぶん値段上がります。
理由は単純で、制度が
「新規より既存が有利」
な構造に変わったから。
新規は報酬下げ。
既存は据え置き。
これ、既存事業所に
“制度プレミアム”
が乗る状態です。
つまり
事業所=営業権+報酬水準
みたいな扱いになる。
当然、
キャッシュフローが読める既存事業所は
投資対象として魅力が増します。
特に
・放課後等デイ
・児童発達支援
・就労B型
は、欲しがる側が増える。
なので
「黒字・人が揃ってる・運営安定」
この条件を満たす所は
普通に高くなります。
1. 事業所指定の基本原則
介護保険サービスや障害福祉サービスの事業所指定は、「法人格」+「所在地・人員体制・設備」に紐づいています(介護保険法や障害者総合支援法に基づく)。
◯株式譲渡(経営権変更のみ)の場合:
法人格自体が変わらないため、指定は自動的に継続します。
指定権者(都道府県・市区町村)への届出(代表者変更など)は必要ですが、新規申請は不要で、既存扱いとなります。
報酬算定上も、開設年数や実績に基づく加算(例:処遇改善加算のキャリアパス要件など)が引き継がれやすいです。
◯事業譲渡・吸収分割・法人解散+新法人設立の場合:
法人格が変わるか、指定の承継が認められない形態のため、旧事業所の廃止届+新事業所の指定申請が必要になります。
結果として新規指定扱いとなり、開設初年度の加算制限などが適用されるケースがあります。
2. M&Aの主流手法
「M&A=必ず新規扱い」ではありません。
実際、介護・障害福祉分野のM&Aでは、株式譲渡が主流となっています(複数のM&A専門サイトや業界報告で確認)。
理由はまさに指定・許認可の継続しやすさ、従業員契約の自動承継、取引先契約の維持などが挙げられます。
事業譲渡は手続きが煩雑で新規扱いになるため、避けられる傾向が強まっています。
3. 今後の予測:「新規だけ報酬を下げる」設計が強まると既存指定維持型M&Aが増える?
現在の報酬改定でも、一部の加算(例:処遇改善加算の区分取得実績、生産性向上加算など)で開設年数や運営実績が影響します。
新規指定だと初年度は不利になるケースが存在します。
もし将来の報酬改定で「新規事業所のみ報酬抑制(例:基本報酬の段階的引き上げ制限や加算の取得ハードル向上)」が強化されれば、既存指定を維持できる株式譲渡型M&Aがさらに加速するでしょう。
すでに指定維持がM&A手法選択の大きなインセンティブとなっているため、この傾向が強まるのは自然です。 December 12, 2025
🇺🇸 12月16日のアメリカ
最新経済ニュース📈
投資家の楽観度は
2021年以来の高水準!
現金比率は過去最低の
3.3%まで低下しました📉
強気姿勢が鮮明です。
📊注目の11月雇用統計
・非農業部門:+6.4万人
・失業率:4.6% (予想超え)
・10月分は下方修正
失業率の緩やかな上昇は
FRBの利下げ期待を
後押しする結果に🕊️
🏢見解と戦略
・2026年も米国株は上昇?
・AI一点張りではなく
他セクターへの広がり
・割安な新興国株への
分散投資も推奨
・M&Aの活発化に期待🤝
🚗その他のニュース
・Ford:EVトラック撤回
HV/ガソリン車へ回帰
・PayPal:銀行免許を申請
🔮未来予測
2026年は「適温相場」で
出遅れセクターへの
資金循環が進むでしょう🔄
ただしインフレ再燃や
金利変動には警戒を⚠️ December 12, 2025
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