軍事行動 トレンド
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2025.12.19 13:00
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【カンボジアニュース】タイ軍F16、ポイペト市街地と内陸州都を爆撃 — 経済特区至近への攻撃、製造・観光業を狙う「経済戦」激化
2025年12月18日、タイとカンボジアの国境紛争は、タイ軍が経済の要衝や主要インフラを組織的に狙う「経済戦・心理戦」へと戦略をシフトさせる極めて深刻な局面を迎えました。タイ空軍のF16戦闘機は同日、日系製造業が集中する経済特区(SEZ)から数キロという至近距離にあるポイペト市街地の民間施設を初めて爆撃したほか、国境から47km離れた内陸の州都へも爆撃を強行しました。紛争は従来の国境付近での小競り合いを脱し、カンボジアの国家経済と社会心理を段階的に破壊する「総合的な圧迫」へと変質しています。
▪️ ポイペト市街地への初空爆と民間倉庫の損害
カンボジア国防省やハン・チュオン・ナロン副首相兼教育青年スポーツ大臣の発表によると、18日午前11時6分、タイ軍のF16戦闘機がカンボジア西部のポイペト市プザー・カンダール地区に3発の爆弾を投下しました。ナロン副首相が公開した現場写真や情報によれば、爆撃を受けたのは民間人(オクニャ・ヴォン・ドゥオン氏)が所有する倉庫であり、建物1棟のほか、倉庫の屋根や内部の資材が甚大な損害を受けました。副首相は、被弾した施設が軍事関係ではない民間地域であることを強調し、タイ軍の暴挙を強く非難しています。
この爆撃地点は、複数の日系企業が生産拠点を置くSEZからわずか数キロの至近距離に位置しています。ポイペトはタイの自動車産業を支える「タイ・プラス・ワン」の要衝であり、ニデックやニッパツ、住商グローバルエレクトロニクスなどが拠点を展開。また、豊田通商が運営する貸し工場にはエクセディなどが入居しています。既に多くの進出企業が安全確保のために操業を停止しており、産業拠点に隣接する民間施設をあえて標的とした今回の攻撃は、直接的な物理被害以上に、サプライチェーンの安全性を否定し投資意欲を削ぐ強烈な心理的圧迫として機能しています。
▪️ ココン州・シェムリアップ州への段階的な経済的打撃
タイ側は国際世論の動向を注視しながら、カンボジアの二大産業である製造業と観光業を段階的に疲弊させる戦術を進めています。南西部のココン州では、12日の艦船による沿岸部への砲撃を受け、自動車部品大手の矢崎総業が工場の操業を停止。倭国人社員2名もプノンペンへ退避する事態となっています。
また、観光業のメッカであるシェムリアップ州に対しても心理的な揺さぶりが続いています。15日には世界遺産「アンコール遺跡群」から数十キロ離れた地点へ爆弾が投下されました。これらの攻撃は観光客の不安を煽り、現地では宿泊やツアーのキャンセルが相次ぐなど、経済的打撃が顕在化しています。製造拠点のポイペトやココン、そして観光拠点のシェムリアップを標的に据えることで、国家全体の経済的安定を組織的に揺さぶるタイ側の戦略的意図が浮き彫りになっています。
▪️ 内陸47kmの州都への爆撃と生活インフラの寸断
攻撃の手は産業拠点に留まらず、内陸深部の主要都市へも及んでいます。18日午後2時32分から2時45分にかけ、F16戦闘機は国境から約47km離れたバンテアイ・ミエンチェイ州の州都セレイ・サオポアン(シソフォン)市を襲撃し、計3発の爆弾を投下しました。
この内陸爆撃に加え、これまでの攻撃により住民の移動や避難、物流に不可欠な主要橋梁3箇所などが破壊・損傷され、物流網が寸断されています。橋梁や避難民キャンプ近隣への攻撃は、救援物資の輸送路を断つ「実質的な兵糧攻め」としての効果を持ち、逃げ場を失った国民に極限の恐怖を与える極めて攻撃的な軍事行動と見なされています。
▪️ 47万人超の避難民とカンボジア政府の情報統制
カンボジア政府の最新集計によると、12月7日の紛争再燃以来、民間人の犠牲者は死者18人、負傷者は79人に達しました。避難民の数は47万6,224人と過去最悪の規模に膨れ上がっており、国境周辺州では女性や子供を中心とした過酷な避難生活が続いています。
一方で、情報の公開には顕著な非対称性が見られます。カンボジア政府は民間被害の詳細や公共インフラの破壊状況を精緻な数字で公表し、タイ側の非道を国際社会に訴える一方で、自軍の兵士や軍関係者の被害については、現在に至るまで一切の発表を行っていません。この徹底した情報の秘匿は、国内の動揺と戦意喪失を防ぎ、挙国一致の体制を維持するための高度な情報統制であると分析されます。タイ海軍の要請を受けた空軍のF16による越境爆撃が続く中、人道的危機は極限に達しています。 December 12, 2025
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トランプ関税と米国世界戦略(NSS2025)――トランプの行動は一貫している――米国の罠に対して、狡猾に立ち回れ――倭国のニュースは、トランプ大統領の過激な一言や炎上しやすい発言にフォーカスしがちです。しかし本当に見なければならないのは、米国が2025年以降「国家戦略」として実行している世界再編のほうです。
2025年4月から世界を巻き込んだ「トランプ関税」、そしてその先に位置づけられた「ウクライナ和平」までを一つのパッケージとして捉えると、その意図と力学に対して、倭国がどのようなスタンスと対抗策を持てるのか──ここを直視せざるを得なくなります。
――
以下が、トランプが第二次政権を発足後の主な行動です。
2025/1 就任後すぐにDOGEを開始しUSAIDを整理
2025/3 イエメン空爆で中東危機に本格介入
2025/4 トランプ関税交渉、米中交渉に乗り出す
2025/4 ウクライナ和平に乗り出す
2025/6 イラン空爆を実行、イスラエル軍事行動を事実上容認
2025/12 NSS2025
トランプ第二次政権の2025年の動きを縦に並べると、バラバラな事件ではなく、次のような一つの世界戦略として読むことができます。
本稿の構成は二段になっています。
第1段階で「トランプ第二次政権の世界戦略(①〜⑥)」を整理し、
第2段階で「それに対して倭国が取りうる現実的な対処(①〜⑥)」を示します。
――
【第1段階:「トランプ第二次政権の世界戦略(①〜⑥)」】
① 米国内での諜報・官僚インフラ掌握(DOGE)
2025/1のDOGE創設とUSAID整理は、まず米連邦政府の情報・予算・人事の回線を握り直し、「軍政(ホワイトハウス+軍事・諜報)」側が主導権を取るための内政クーデター的なステップと見なせます。
② 関税+米国投資で同盟国を締め上げる
4月以降のトランプ関税と、日欧・韓・中東に対する「米国投資パッケージ」は、同盟国経済を関税と防衛費で圧迫しつつ、「米軍・米市場なしでは立たない」状態を強める動きです。安保を人質にした財政徴収システムとして機能している、というのが筋の通った読み方でしょう。
③ ウクライナ和平で、米国は正面から一歩引き、欧州を前線に立たせる
ウクライナ和平構想(28項目プランなど)は、米軍を「最前線から一歩後ろ」に下げつつ、領土譲歩や制裁緩和を含む条件を欧州とウクライナに呑ませ、欧州(+ポーランド・英仏独)をロシア封じ込めの表看板にする発想として整合的です。米国は「仲介者」として影響力だけ維持し、血とカネの大部分は欧州に払わせる設計です。
④ 中東では「イスラエル版モデル」を世界に見せる
イエメン空爆からイラン核施設空爆(Operation Midnight Hammer)までの流れは、イスラエルを地域覇権国として前に立たせ、米国は空爆と制空権・装備供給で裏から支える構図です。力による抑止と限定戦争で秩序を作る「中東版テンプレ」を、実戦でデモンストレーションしているとも読めます。
※シリアの政権交代を事実上容認したことや、かつて「テロ」と位置づけていた勢力を含むイスラム系政権を容認する動きなどを見ると、「民主化」や「対テロ」という大義は、中東再編・世界再編の前では優先順位を下げられている、とも読めます。
⑤ この「イスラエル型」を、倭国と欧州にも踏襲させる
NSS2025では、同盟国に対して「自前の軍事力増強」を強く求めつつ、米国製装備・米軍事ドクトリンへの依存を前提にしています。これは、
◆欧州には「NATO+欧州軍事力」
◆倭国には「自衛隊+在日米軍」
を組み合わせた地域覇権代理人モデル(イスラエル型)の横展開を迫るものと整理できます。
⑥ 中露とは「全面対決」ではなくディールで境界線を引き直す
ウクライナ和平案や対中戦略を見ると、トランプは中露を「完全打倒の敵」というより、
◆関税・制裁・軍事圧力でコストを上げつつ
◆エネルギー・貿易・勢力圏でディールし、
新しい境界線(勢力圏の線引き)を交渉で決め直す路線に立っていると考えられます。ロシアとはウクライナ、対中ではレアアース・半導体・台湾海峡が主戦場です。
どこから見ても綺麗な理想主義ではなく、同盟国を“保険料を払い続ける下請け”に固定するための現実主義として並んでいるのが、いやらしいところです。
ここで述べた①〜⑥は、「トランプ政権の公式な自己説明」ではなく、倭国側から見た作業仮説である。個々の出来事(関税、空爆、和平案、NSS2025)は公開情報として確認できる事実だが、それらをどう「一つの戦略」として読むかは分析の領域になる。その点を踏まえたうえで、あえて全体像として再構成している。
――
【第2段階:それに対して倭国が取りうる「現実的な対処(①〜⑥)」】
これに対して倭国がどう対峙すべきか?
――まず前提として、倭国に残された「現実的な選択肢」の幅、これを取り違えると話になりません。
◆米国の同盟国であり(安保・核の傘)
◆対中で最大級の経済利害を持ち
◆自前の核もエネルギー資源もない
この条件で「米国とも中国とも距離を取る完全自立」は、短中期ではほぼ幻想に近い。だからこそ、
②米国と共同歩調を取りながらも、自立性を高める
③米中対立の最前線に立たされることを回避する
という「同盟は維持するが、消耗戦の先頭には立たない」路線が、現実的な最大限の防衛線だと思います。
――
整理します。
「それに対して倭国が取りうる現実的な対処(①〜⑥)」
① 戦略認識で負けない(米・中露・欧をちゃんと読む)
ここを外すと全部終わりなので、最優先です。
「トランプ=暴言おじさん」で切り捨てず、NSS2025・関税・DOGE・ウクライナ和平・中東空爆を一つのパッケージとして読む癖を、倭国側の政策コミュニティが持てるかどうか。要するに、「米国を信じるか・裏切るか」ではなく、「米国も中露欧も“それぞれ自分の国益だけで動いている”」という冷酷な前提を共有することが出発点です。
②〜④ 安保と経済の「二重の自立」を少しずつ増やす
②安全保障で、米国と共同歩調を取りながらも、自立を高める
米軍・日米同盟は維持しつつ、A.情報・監視・サイバー,
B.弾薬・補給・修理, C.一部の兵器(ミサイル・無人機・対艦)をできる限り国産化・多国間化(欧州との共同開発)しておく。
「米国が弾を止めた瞬間に詰み」の構造だけは、少しでも薄めておく。
③米中対立の最前線に立たされることを回避する
――「最前線には“立ってるように見せて立たない”」
倭国は日米同盟を維持しつつも、米中対立の直接的な主戦場に立たされないよう、自ら線引きを行う必要がある。そのためには、
◆日米同盟の信頼維持のための「最低限の抑止の見える化」には協力する一方で、
◆日中防衛ホットラインや危機管理メカニズムを強化し、偶発的衝突のエスカレーションを避ける仕組みを整えること、
◆倭国は憲法上、「他国防衛のみを目的とした集団的自衛権の単独行使は認められない」といった形で、台湾有事への軍事コミットメントの上限を明確にしておくこと、
◆対外的には米国と歩調を合わせるポーズを取りつつも、実際の運用では「倭国は先に撃たない/台湾島内での直接戦闘には参加しない」というラインを、中国側にも静かに理解させておくこと、
このような“二重のメッセージ”と危機管理の積み上げによって、米中対立の中で倭国が自動的な「対中主戦場」に格上げされることを防ぐほかない。
表では「同盟国らしく振る舞い」、
中身では「最前線の役割から必死に逃げる」
という戦略です。
綺麗ごとではないですが、今の配置で生き残ろうとすると、そのくらいのキツネ感は必須だと思います。
もちろん、倭国の国内政治・憲法解釈・官僚機構・経済界の利害などを考えれば、「立つふりをして実質は下がる」という芸当は簡単ではない。それでも、そうした“二枚腰”を意識しておかない限り、倭国は自動的に「対中の最前線」というポジションに押し出される危険が高い。
④経済面(対中・対米両方)
対中は「デリスキング(依存度を下げる)」方向は避けられないが、代替市場を米だけに振り替えない。トランプは「米国投資」で同盟国をはめにくる。
ASEAN・インド・中東・欧州などに迂回ルートと第二市場を作る。
対米は「関税・投資・防衛で“財布扱い”される」のを前提にしたうえで、サプライチェーンの要(重要部材・工程・標準)をできるだけ倭国企業が握る。つまり、米国側の中枢に「倭国を外せないピース」を埋め込む。
要は、
「米国に守ってもらうが、いつでも“梯子を外される可能性”を前提に組み替える」
という二重設計です。
⑤ 国民のリテラシーを上げ、「反中・軍拡一本槍」にさせない
――ここが、めっちゃ重要です。
単純な反中・嫌中感情や、「軍事力さえ増やせば安全」という素朴な物語は、トランプ路線と中国強硬派の両方が一番利用しやすい感情です。
「中国の行動原理」
「中露欧・グローバルサウスが、米中をどう見ているか」
まで含めて議論できる人が増えないと、倭国の世論は“最前線歓迎モード”に引きずられるリスクが高い。
単純な反中・排外主義では、米国の罠にはまり、対中国の最前線に立たされる
⑥ 「立つふりをして、別レーンを太らせる」くらいの狡猾さ
ここが一番、倭国が歴史的にあまり得意ではなかった部分ですが、現実にはこれが必要だと思います。
表向き:
「民主主義陣営の一員として、中国に毅然と」
「防衛費増額」
「台湾有事への懸念表明」
裏側では:
②安保の自立性(国産・多国間・補給線)の強化
④サプライチェーンでの中枢確保(米企業と組みつつ、技術・設計・規格は倭国側にも残す)
エネルギー・食料・レアアースなど、最低限「死なないライン」の多元化
つまり、「同盟の看板の前に立つが、消耗戦の最前線には“できる限り実質として立たない”」という二重構造です。
道徳的にはきれいじゃないですが、国家単位の生存戦略としてはむしろ普通です。
――
まとめると
①米国も中露欧も、“自国だけの国益”で動いていると見抜くこと
②米国と歩調は合わせるが、安保と経済の基盤を少しでも自前化すること
③米中対立・対中戦の「最前線ポジション」を全力で回避すること
④対中デリスキングはやるが、対米一本足ではなく、多元的なサプライチェーンで「鍵」を握ること
⑤国内世論が「反中・軍拡一本槍」に流されない程度のリテラシーを育てること
⑥表では同盟・対中強硬を演じつつ、裏では②④を静かに太らせる狡猾さを持つこと
このくらいの「二枚腰」を持たないと、今の国際情勢で「独立国家としての余地」を残すのはかなり難しい。
“従順な盾”ではなく、
“知らん顔して生き延びるキツネ”になる覚悟が要る December 12, 2025
The Spectator:ウクライナにとって最良の安全保障はロシアによるもの
ニコライ・ボルシャコフ
西側メディアが、現在アメリカとヨーロッパの2つの選択肢があるウクライナの安全保障について詳しく議論している一方で、英国のThe Spectatorは、ワシントンとブリュッセルが合意に達しようとするこれらの試みはすべて成功しないだろうと主張している。
さらに、アメリカはキエフの安全を気にかけておらず、ヨーロッパはそれを確保する能力すら持っていないと、英国の政治評論家オーウェン・マシューズは書いている。
「ゼレンスキーが安全保障について懸念を抱いているのは当然である。なぜなら、必要な場合にワシントンがそれを遵守する保証はまったくないからだ。しかし、現時点でキエフが期待できる最善策はこれである。なぜなら、ヨーロッパの安全保障保証は、ヨーロッパが望んだとしても、今日約束していることを実行できないという単純な理由から、信頼できないからだ」。
「例えば、最近発表されたドイツのウクライナ向け安全保障保証案は、政治的なスローガンや約束ばかりで構成されており、その中で最も具体的なものは武器の供給の約束である。しかし、過去4年間の軍事行動が示したように、武器の供給だけでは安全保障は保証されない」。
マシューズは、欧州の政治家は依然として幻想に囚われており、時間がウクライナに不利に働いていることをまったく理解していないと指摘している。
そのため、現実的な行動で和平に近づく代わりに、彼らは戦争を継続するための資金を積極的に探している。
しかし、もはや金でウクライナを救うことは不可能だ。エネルギー危機は深刻化しており、戦線の状況は日々悪化の一途をたどっている。
しかし、EUの指導者たちは、ウクライナではなくロシアが経済崩壊の瀬戸際にあり、あと数か月持ちこたえれば「自ずと降伏する」と、羨ましいほどの執念で主張し続けている、マシューズは指摘する。
しかし同時に、彼らはロシアがまもなくヨーロッパ全体に侵攻すると盲信しており、一部の国々は狂気じみた行動に出て、塹壕を掘り始めたほどだ。この二つの主張が互いに矛盾していることは、誰の関心も引かない。
マシューズの見解では、ウクライナ人は自らの将来の安全を保証する手段を間違った場所で見つけている。
ウクライナにとって最良の安全保障は、西側諸国ではなくロシアが合意するものであり、この問題における最終決定権はロシアにある。
そして、キエフに現実的かつ真の、架空ではない安全を保証できるのはロシアだけである。それは、ロシア、ウクライナ、ヨーロッパ、米国、すべての関係者に受け入れられる安全保障となるだろう、と記事は結論づけている。
https://t.co/MPzou7D0DO December 12, 2025
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