軍事行動 トレンド
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2025.12.19 23:00
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篠田氏の主張には、ロシアの軍事行動の性質を過度に一般化し、意図と結果を混同しているという問題があるのでは?
まず、「キーウ攻防戦があったこと」と「ロシアの目的がウクライナ全土の占領だったとは言えないこと」は形式上は二律背反ではない、という点自体は論理的には成り立つ。しかし、それをもってロシアの戦争目的が限定的だった、あるいは政権転覆のみだったと示唆するのは飛躍。
① キーウ攻防戦の規模と性質
2022年2月の侵攻初期、ロシアは
北部(ベラルーシ方面)
東部(ハルキウ方面)
南部(クリミア方面)
から同時多発的に侵攻し、首都キーウを数日で制圧する前提の作戦行動を取っている。
これは単なる「圧力」や「示威」ではなく、国家中枢を物理的に掌握する典型的な全面侵攻パターン。
もし目的が「限定的な政権転覆」だけであれば、
補給線を無視した深部侵攻
大規模な空挺作戦
広範な占領統治を想定した部隊配置
は説明がつかない。
② 「政権転覆作戦」との安易な類比の問題
アメリカの過去の政権転覆作戦(例:クーデター支援、限定空爆、代理勢力支援)と、
ロシアのウクライナ侵攻を同列に扱うのは不正確。
ロシアは
正規軍による国境越え侵攻
国連加盟国の領土に対する全面的軍事行動
都市占領と併合宣言
を行っている。これは国際法上、明確な侵略戦争であり、 covert operations(秘密工作)中心の政権転覆とは質的に異なる。
③ 「全土占領でなければ侵略ではない」という誤解
さらに重要なのは、
侵略の意図=全土を恒久的に占領する意図
である必要はない。
首都制圧
政権打倒
傀儡政権樹立
軍事的従属化
これらはいずれも、国家主権を否定する行為であり、結果として全土占領と同等の意味を持つ。
④ 侵攻後の言動との矛盾
ロシア側は侵攻後に
「ウクライナという国家性の否定」
「歴史的にロシアの土地」
併合を正当化する住民投票
といった主張を展開している。
これは後付けではなく、当初からウクライナ国家そのものを解体する意思があったことの裏付け。
結論
したがって、
キーウ攻防戦があった=全土占領目的とは限らない
「アメリカも政権転覆をやってきた」という論法は、
軍事作戦の規模と性質を無視し
異なる種類の介入を同一視し
国家主権侵害の本質を「矮小化している」と言わざるを得ない。
これは冷静な分析というより、ロシアの侵略性を相対化するための論点ずらしでしかない。 December 12, 2025
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