行政処分 トレンド
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2025.12.17 06:00
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【 育成就労制度 #07 】倭国を危うくする移民政策
技能実習制度で露呈した人権問題は本当に解決するのか
■ 問題の出発点
技能実習制度では、長時間労働や最低賃金割れ、賃金未払い、ハラスメント、パスポート取り上げなどの人権侵害が繰り返し指摘されてきました。
失踪者は2023年に9,753人と過去最多となり、その後も毎年数千人規模で発生し続けています。
こうした経緯を受け、育成就労制度では監理支援機関の新設や罰則強化が盛り込まれましたが、人権侵害を生む土台そのものが改まったとは言えません。
■ 深刻である理由
表に出るのはごく一部で、多くの実習生は、言葉の壁や在留資格への不安から声を上げられないまま我慢を強いられています。
実習先を変えられず、途中帰国すれば借金だけが残る状況では、過酷な条件でも「耐えるしかない」状態になりがちです。
失踪という最悪の選択に追い込まれる例も含め、制度のつくり自体が人権侵害を生みやすいことが問題の核心です。
■ 根本原因
根本には、「できるだけ安く人手不足を埋めたい」という発想で制度を組み立ててきたことがあります。
送り出し機関や監理団体、受け入れ企業の間には、人数が増えるほど手数料や管理費が動くビジネス構造があり、その上に「技能実習」「育成」という名目がかぶさっています。
在留資格が特定の企業や分野に紐づき、当事者が自由に職場を選びにくい仕組みのままでは、雇う側に権限が集中し、人権侵害が起きたときに労働者側が立場を守りにくい状況は変わりません。
■ 具体的な人権侵害パターン
典型的なのは、募集時の条件と実際の労働条件が大きく違い、最低賃金すれすれの給与で長時間労働を強いられるケースです。
暴言やハラスメント、安全対策の不十分な危険な作業、休みが取れない運用なども各地で報告されています。
パスポートや在留カードを取り上げられたり、「辞めたら多額の違約金」と脅される例も指摘されています。
これらは個々の企業のモラルだけの問題ではなく、「安く働かせたい側」と「借金を抱えて来日した側」の力関係の差が、そのままこうした事例になって表れています。
■ 失踪者数が示す構造的な行き詰まり
出入国在留管理庁の統計では、技能実習生の失踪者数はここ数年、年による増減はありながらも数千人規模で推移し、制度見直しが進む中でも高止まりが続いてきました。
最近の統計では、過去数年分の失踪者のうち、今も所在不明の人が相当数に上ることも明らかになっています。
これは、問題企業から逃れた人の多くが地下労働市場に潜り込み、不安定なまま搾取され続ける負の連鎖を示しています。
■ 新制度で強化された点
育成就労制度では、監理支援機関の許可制や監督強化、悪質な受け入れ先への行政処分、人権侵害があった場合の転籍容認など、改善策が盛り込まれました。
事前の適正化指導や実地調査の枠組みも見直され、形式的なチェックだけでなく、問題が疑われる現場への踏み込みを強める方向性も示されています。
制度上は、これまで曖昧だったハラスメントや賃金不払いへの是正措置も書き込まれました。
表向きには、「人権侵害への対応を強化した新制度」として説明しやすい内容です。
■ それでも解決しない理由
ただし、どれだけ監理や罰則を強化しても、人件費をできるだけ抑えることを前提にした受け入れ構造が続く限り、現場から人権侵害を完全に消すことは難しいままです。
監督官庁がチェックできるのは書類や報告書が中心で、日々の現場で起きているハラスメントやルール違反をすべて把握することはできません。
在留資格と雇用関係が紐づいたままでは、問題を訴えた側が途中帰国や在留継続の不安を抱え、「声を上げるリスク」の方が大きい状況も続きます。
制度の根本にある「安く長時間働いてもらうこと」を前提にした構造が維持されるかぎり、人権侵害は看板を変えながら繰り返されるおそれがあります。
■ まとめ
技能実習制度で露呈した人権問題は、単なる運用ミスや一部企業の不祥事ではなく、在留資格の設計と、安価な労働力に依存した受け入れ構造が生み出した結果でした。
新たな育成就労制度で監理や罰則の条文が整えられても、その土台となる受け入れのあり方が変わらなければ、同じ種類の問題は形を変えて続くおそれがあります。
育成就労制度を本格的に動かす前に、この人権問題の構造自体をどう改めるかについて、検討すべきです。 December 12, 2025
公務員には公私にわたる非違・非行に対する行政処分の「懲戒処分」があるのだけどね。
知事が行ったのは懲戒処分に係わる「調査」と「処分」で地方自治法・地方公務員法に則った業務なんだよ。 https://t.co/ExCWP4zWC3 December 12, 2025
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