1
結核
0post
2025.12.12 01:00
:0% :0% (-/-)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
#ニッポン放送『中村 中じみらじお』にゲスト出演してくださった眞島秀和さんが出演されている、こまつ座『#泣き虫なまいき石川啄木』観劇。
啄木を取り巻く家族や後援者たちは上演のほとんどの時間エネルギッシュで、いがみ合い、泣き、喚き、怒り、叫び、終始罵声が飛び交っているのだけど、一見エネルギッシュに見える暮らしのすぐ裏側にある貧しさが、呪いのように日に日に家族を蝕んでゆく地獄のような時間だった。
ほぼ間借りをしている2階部分だけで芝居が繰り広げられているのが、旅はもちろん、ちょっとした贅沢もなるべくせず、節約して過ごした啄木や母や妻が、あの部屋から遠くへは行けなかったという表現のように感じられた。妻の名前は節子。明治時代、「亡国病」と恐れられた結核が蔓延していて、貧困が命の危機に直結している時代にどんな願いを込めて節子と名付けられたのかを想像する。
“泣き虫““なまいき”とタイトルにはあるけれど啄木はたくましく見えた。現代では鬱病とされる症状に苛まれながらも、自らの傲りや弱さに気付いて改心し、歌や小説を書き続けていた。逃げる場所がなかったから逃げなかったのかも知れないし、もがいても貧しさに敵うわけがなかったのかも知れないけど、志は決して貧しくなかったように思う。
感銘を受けた台詞があって、是非劇場で体感して欲しいのだけど、“終わりが見える頃になってやっと人はするべき事が出来るようになる“という旨の台詞が余りにも鋭くて、自分に置きかえてブッ刺さりました。笑おうが泣き喚こうが変えられない事態に身を置く時、自分ならばそれでも抵抗したいと思った。
一瞬の「一握の砂」の表現や、口減らしの為に旅立つ父の荷物の表現、日記を読み終えた直後、他人が自分の大切な人達に見える表現など、随所に散りばめられたユーモアが後になってじわじわ優しく沁みてくる時間でした。観れて良かった。紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて12月21日(日)まで! December 12, 2025
1RP
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



