金足農業23年ぶりベスト16進出!!東北勢初制覇に向けた三回戦の対戦相手は? 2018.08.16 10:43 UP

今大会唯一の公立校・金足農業高校快進撃


8月14日、秋田県立金足農業高校が岐阜県の名門大垣日大高等学校を破り、チームを23年ぶりの3回戦進出に導いた。
大垣日大は金足農業が前回甲子園に出場した11年前に初戦で対戦し敗れた相手で先輩達のリベンジ戦でもあった。

金足農業は初回、先頭の菅原君のツーベースヒットや送りバントでランナーを3塁に進めると、相手バッテリーがミスし先制。その裏、同点に追いつかれた金足農業は続く2回、タイムリースリーベースやお家芸のスクイズで2点を奪って3対1と勝ち越し。しかし3回裏、フォアボールやヒットでランナーを得点圏に進められれるとエース吉田輝星君がタイムリーヒットを浴び、再び同点に追いつかれた。試合が動いた序盤から一転、中盤は膠着状態が続き、試合は終盤8回。金足農業の5番大友君がファウルで粘って12球目をレフトスタンドに運び、1点を勝ち越しま。金足農業は9回にもヒットと送りバントで得点圏にランナーを進めると1番菅原君がライトの頭上をこえるタイムリースリーベースで2点を追加し、試合を決定づけた。

5番大友君の本塁打で勝ち越した直後エース吉田君は8回からギアを上げ、9回6安打3失点13奪三振154球の力投。
中盤からは変化球で緩急を付ける投球を見せ、リードを奪った終盤の8回からは140キロを越える力のあるストレートを連発。9回にはこの試合最速となる149キロを何度も記録するなど、相手打者を力でねじ伏せる剛腕を見せつける。打線は勝ち越し点こそホームランだったが、スクイズを含む6犠打と持ち味である粘っこい野球で6得点。攻撃的な野球が全盛を迎えようとしているなか、最少得点差でも勝てるというエース・吉田君への絶大な信頼感を感じさせた。

吉田君の甲子園デビュー戦である鹿児島実業戦(14奪三振)に次いで13奪三振。2試合連続で13奪三振以上は、12年藤浪晋太郎投手(大阪桐蔭)が2回戦14個→準々決勝13個(3回戦は登板なし)と続けて以来6年ぶり。連続13個以上を奪った公立高校の投手は、58年板東英二投手(徳島商)が2回戦17個→3回戦15個→準々決勝25個(延長18回)と続けて以来60年ぶりの快挙だ。

金足農業の立役者


金足農業がここまで勝ち上がってきたのは、エース吉田君の存在だろう。
球速MAX149km、スライダー、カーブ、ツーシーム、スプリットという本格派右腕。
野球ファンからは「秋田の剛腕侍」の異名がついている。
秋田の剛腕侍と呼ばれる所以は、ノビあるストレートからだ。

ストレート
140km台のストレートは回転数が素晴らしく、低めに決まるストレートは一級品。インロー、アウトローと狙ったところでベストストレートを投げられる点と空振り三振が多く取れるのが魅力。
特にほれぼれする点は吉田君は常に100%のピッチングをしているわけではなく、場面によってストレートの力配分して投げている点だ。
 
14日の大垣日大戦に投げた吉田君のストレート平均球速「イニング別」
1回 143.6キロ
2回 142.2キロ
3回 143.6キロ
4回 138.1キロ
5回 137.0キロ
6回 138.8キロ
7回 141.8キロ
8回 144.1キロ ※味方勝ち越し直後
9回 145.3キロ

「塁状況別」
なし 142.1キロ
1塁 140.5キロ
2塁(2,1塁) 143.4キロ
満塁(3,2塁)144.3キロ
ランナーなしの場面と、ピンチの場面とは明らかにピッチングが違う。
勝ち越し後、平均球速が3km上がっているのが分かる。
吉田君はピンチになればなるほど燃える強心臓の持ち主なのがみて取れる。
そして、9回を投げぬくスタミナがあり、8回~9回になっても、140km後半をたたき出せるなど異次元のスタミナにも注目だ。

金足農業ナインに向けたメッセージ


そんな金足農業には応援メッセージが多数寄せられている。
















金足農業ナインの野球を見てたくさんのユーザーが応援しているのが分かる。
公立校ながら、強豪校を倒すというところが魅力なのだろう。
また、ジャイアントキリング(番狂わせ)を望むファンが金足農業を応援しているのかもしれない。

立ちはだかる壁


17日に行われる3回戦では、神奈川県代表横浜高校と激突。
横浜高校は全国から選手が集まる「エリート軍団」。2年生エースの及川君、打線の軸となる万波君を中心とした全国トップクラスの強力打線が売りのチームだ。
2回戦では、昨年の王者である花咲徳栄高校を乱打戦で打ち勝つなど今年の打線の凄さを早くも垣間見せている。




対して金足農業は吉田君中心に少ない得点力をみんなで守るチームだ。
横浜高校とは違い、地元・秋田出身者中心の「雑草軍団」だ。
まさに、正反対のチームがぶつかる注目の一戦だ。
前評判は、横浜高校が勝つというファンが多い中、一部では、金足農業を推すファンも中にはいるようだ。

「エリート軍団」対「雑草軍団」どちらが勝つか。
金足農業が横浜高校を倒して、春夏通じて東北勢初の甲子園制覇へ突き進むか、横浜高校が名門の誇りを胸に金足農業に勝つか目が離せない。



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