斉唱 トレンド
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2025.11.28 14:00
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ドクター・中松の戦後80年所感(その37)
海軍の検査はこれだけではない。
憲兵が家に来て士族か平民かを確認に来た。
昔は侍は士族、侍以外は平民というように、戸籍がわかれていた。そして海軍将校は士族しかなれなかった。私のうちは直参旗本なので士族という戸籍になっていた。だから憲兵がチェックしてもOKだった。
体格検査も通り、筆記試験も通り、憲兵の試験も通り、
これでめでたく入学したのだが、東京から舞鶴まで満員鈴なりの電車に母はついて来てくれた。そして校長に私のことをよろしく、と頼んで帰って行ったのはさすが、わが母である。
やがて猛訓練が始まった。その最初は姓名申告と言って自分の名前を言うのであるが、ここでまず顔をゲンコツでぶん殴られる。このぶん殴られ方は陸軍と海軍で違っていて、陸軍は平手やスリッパで顔を殴られるが、海軍は非常に合理的で、先ず「股を開け、歯を食いしばれ」と命令される。これは顔を殴られた時に唇など口内を切ることを防止するためである。
話しはちょっと飛ぶが戦後、私の会社に元三井物産にいた西尾という人間を部長として引き抜いた。この西尾のお父さんは陸軍の最高幹部である教育総監をしていた。したがって当時最も安全な地域は倭国が一回も負けたことがないC戦線であったので、息子の西尾はC戦線に配置された。戦後某放送局がC戦線で敗走する倭国兵と出鱈目な番組を流したり、現在もC国は倭国に勝った戦勝記念日をやっているのは、どこで勝ったのか不思議である。
なぜならS軍は倭国に負け続けているし、K軍は長征と称して北に逃げ続けていたからである。
さて西尾の話に戻るが、行列させられてビンタ打ちを前からやっていくのだが、西尾のところでスパッとビンタ打ちが止まった、と西尾自身が私に話している。つまりお父さんに言いつけられることを恐れたのであろう。
ところで私に対する海軍でのゲンコツは、起床動作から始まり、歯磨き、階段の上り下り、練兵場への駆け足など、全てにおいて呼び止められ鉄拳制裁をくらった。その数は一日三十発を下らなかった。その後、発光信号によるモールス信号や五省の斉唱などを経て一日が終わるが、そして昼間は海軍独特のカッター訓練、つまり両手の指で囲む位の太さのオールを力いっぱい漕ぐ訓練や、朝の6時から夜の6時までぶっ通しの水泳訓練、民間では5mしかない高跳び込みの台が海軍では10mあり、そこから飛び込む訓練など猛烈な肉体訓練と午前中は民間より高度な座学、例えばメンデレーエフの周期律表を麻布では全部覚えられなかったが、海軍機関学校の教授法が巧みで全部覚えられるようになったし、数学ではダイバージョンを充分理解出来るようになったし、肉体も頭脳も極めて高度なレベルで鍛えられた。
(つづく) November 11, 2025
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