昨日、自分の創作スタイルが激変していることに気づきました。
というのも――

『宇喜多の捨て嫁』や『人魚ノ肉』のように、デビューから数年の私はケレン味のある物語を作ることに精力を注いできました。
ナンバーワンより、オンリーワン。どっかのJPOPの歌詞のようなことを考えておりました。
オンリーワンになるために、司馬遼太郎の真逆の文体で、今までの人が書いたことがないであろう下剋上の武士道をテーマにしていました。

変化球を投げすぎて、あきらかにすっぽぬたり、もっと違う変化球投げていればと後悔したこともあります。

真似できるものならしてみろ、の精神でやってきました。

ただ、最近はそれも変わりつつあります。
ケレン味やオンリーワン性よりも、

【誰でも書ける物語を、誰よりも面白く書きたい】

という気持ちがかなり強くなっております。

この前、そういう自分に気づいて驚いております。

まあ、歳をとってケレン味のある物語を作る体力がなくなっただけかもしれませんが。。。
そのために映画とかを見て、色々と分解する作業というのをやっています。

こう思うようになったのは、基本の大事さに気づいたからやもしれません。
しっかりした基礎があってこそ、逞しい建物も建てられるわけですしね。

ケレン味のなくなった物語が、デビュー時のファンや読者の方の琴線にふれるかどうかもまた大きな実験ですが、生暖かい目で見守ってくれれば助かります。 December 12, 2025