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反粒子
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2025.12.11
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反粒子に関するポスト数は前日に比べ300%増加しました。男性の比率は100%増加し、前日に変わり10代男性の皆さんからのポストが最も多いです。前日は「ディラック」に関する評判が話題でしたが、本日話題になっているキーワードは「ジャン=リュック・ゴダール」です。
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(エヴァ好きのための)
ポール・ディラックの提唱した「ディラクの海」
「赤木リツコ博士により、第12使徒レリエルの本体内部にあると推測された虚数空間。直径680メートル厚さ3ナノメートルの極薄の空間を内向きのA.T.フィールドで支えることにより発生させているもの」
負のエネルギーを持つ電子が真空中に無限に存在し、それらが完全に満たされている状態を指します。
ディラック方程式が示す負のエネルギー解の問題を解決するため、負のエネルギー状態はパウリの排他律に従って電子で埋まっており、通常は観測できないが、そこから電子が飛び出すと「穴(空孔)」ができ、それが反粒子(陽電子)として観測されるという概念 December 12, 2025
1RP
noteのコメント欄には縮約したものを書いたので,ここに感想「本編」を貼っておきます.
「Guttiさん,note記事「ジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』――〈世界〉に揺さぶりをかける光と絵画の三原色」を拝読しました.
ゴダールの「モンタージュ」を,単なる映像の切り貼りとしてではなく,「色彩(Color)」という「素粒子」の「衝突」による世界生成と解体のプロセスとして捉える視座の可能性を考えてみたくなりました.
Guttiさんが抽出されたこの「色彩のドラマ」は,現代物理学の宇宙像と共鳴しているように感じます.そこで今回は,この論考を現代物理学の「量子色力学(Quantum Chromodynamics: QCD)」の視点から解釈してみたます.
そもそも QCD とは,ハドロンを構成する素粒子である「クォーク」と,それらを結合させる「強い相互作用」を記述する理論です.物理学者たちは,クォークがもつ内部自由度(電荷に似た性質)が 3 種類あり,それらが組み合わさると「無色」になる様子が,ちょうど「光の三原色(赤・緑・青)」に似ていることから,あえてこれを「色(Color)」あるいは「色荷(Color Charge)」と名付けました(もちろん,日常語の色とは異なる抽象的な量です).ミクロの世界では,「色」は単なる比喩的ラベルではなく,「強い相互作用」を生み出すために必要な物理的自由度として数式の中に現れます.この意味で,「色」が物質世界の成立を支えている,という直感はあながち比喩にとどまりません.この視点から,Guttiさんの論考を読解してみます.
まず,Guttiさんが「世界が立ち上がる瞬間」として読まれた冒頭の「白」について.QCD の基本原理に「色の閉じ込め(Color Confinement)」と呼ばれるものがあります.クォークは「色」を持ちますが,単独では決して観測されず,互いの色を打ち消し合って,必ず「白色(無色)」の状態(カラー・シングレット)でしか現れません.たとえるなら,通常の映画が「物語」としてきちんと整合して見える状態は,この「色の閉じ込め」が効いていて,さまざまな色彩が一つの物語世界に束ねられている状態だと言えるかもしれません.しかしゴダールは,「モンタージュ」という「高エネルギー衝突」のような操作によってその結合を揺さぶり,あたかも「生(なま)の『色荷』」そのものがスクリーンにむき出しになってしまったかのような印象を与えます.
次に,Guttiさんが対置された「光の三原色(RGB)=現実」と「色材の三原色(YMC)=虚構」について.QCD では,「色」に対して「反色」と呼ばれる,数学的に対をなす自由度が導入されます.グラフィックや印刷の世界で,RGB とその補色である CMY がペアとして扱われるように,QCD の「色」と「反色」の関係も,「補色」のような構造で記述されます.この意味で,RGB(現実)と YMC(虚構)という構図は,物理学における「物質(クォーク)」と「反物質(反クォーク)」の関係を想起させます.ゴダールの画面で起きているのは,「現実粒子」と「虚構粒子」が互いに侵食し合いながらぶつかり続ける「相互作用」のドラマだ,と読むこともできるでしょう.
クライマックスで,青(現実)に塗られたフェルディナンが,黄(虚構/反青)のダイナマイトと接触し,黒い煙となるシーンについて.「粒子」(青)と「反粒子」(黄)が出会うと何が起きるか.物理学では「対消滅(Pair Annihilation)」と呼ばれ,物質としての形は消え去り,純粋な「エネルギー」として真空へと還っていきます.比喩的に言えば,あの「黒」は,現実と虚構が「対消滅」し,形を失った後に残る痕跡,あるいは「世界生成の『エネルギー』」が噴き出した瞬間の可視化とも読めるのではないでしょうか.
そして最後に残る,海と空の「青」について.それはもはや「一つの粒子としての青」ではなく,「粒子」が生成・消滅を繰り返す舞台そのもの,物理学の言葉でいえば「ゲージ場(Gauge Field)」としての青として立ち上がっているように見えます.「物語」(粒子)が消えても,「現実性」の「場(フィールド)」だけは,変わらずそこに在り続ける.
Guttiさんが「まとめ」で強調された「色彩は記号ではなく,世界を生成し揺さぶる『力』として作用している」という洞察に,共感しました.量子色力学において「色」とは単なるラベル(記号)ではなく,「強い相互作用」を引き起こす源泉,すなわち「色荷(Color Charge)」そのものです.この意味で,「色彩こそが,物質をあらしめ,世界を構成する『存在論的な力』として働いている」という Guttiさんの結論は,現代物理学が描く世界像に通じると思います.
さらに,この QCD 的な読みは,入不二先生の『現実性の極北』第3章9節で展開される「色によるアナロジー」をも想起させます.そこでは,光の三原色と色材の三原色の二重性が,「光それ自体」という透明な背景(分母),その変容として現れる具体的な色(分子),さらに「潜在無限色としての黒」と「特定有限色としての黒」という二重の二重性として読み解かれ,「現実性/潜在性/可能性」が「全域かつ局所」で働く円環モデルが描かれています.
Guttiさんがゴダールの画面から汲み上げた「白(始発) → 色彩の衝突(展開) → 黒(収束) → 残り続ける青(残余)」というダイナミクスは,この入不二哲学の図式――白色光=「無であり全である」背景,黒=「潜在無限の場」としての基底,そして,その上で生成・消滅する有限な色彩――と重なって見えました.
ゴダールの映画を「物語」から解放し,「世界生成の力学」として再配置しつつ,「QCD」と入不二哲学の双方,さらには『Breaking Bad』を架橋するような論考を読ませていただき,ありがとうございました.」 December 12, 2025
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