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うるか
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2025.12.17 23:00
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前会長のお話を聞いて。
私もこの歌好きです。
「縦の糸はあなた
横の糸はわたし
織りなす布はいつか誰かを
温めうるかもしれない😊」
(中島みゆき:糸)
この歌を歌うみゆきさんの最後の笑顔がとても素敵です😊
#SG-LIVE
#紡ぐ想い
#糸 https://t.co/UWYwcsTcwE December 12, 2025
【重版情報】D.H.ロレンス著、福田恆存訳『黙示録論――現代人は愛しうるか』第8刷。「抑圧が生んだ歪んだ自尊と復讐の書「黙示録」。この隠喩に満ちた晦渋な書を読みとき、現代人が他者を愛することの困難とその克服を切実に問うた20世紀の名著。解説:高橋英夫」 https://t.co/9B33PYklA1 December 12, 2025
短編小説 #紅のハイヒール
第176話:耐久する金脈
▶️プロローグ
都市の高層ビル群が夜光を放つころ、農園には静かな闇が降りていた。
同じ動画を見て、同じ言葉を聞きながら、人はなぜ真逆の結論へ辿り着くのか。
熱狂は貨幣より軽く、恐怖は論理より速い。
その夜、有香は土の匂いの中で、また一つの虚構が組み上がる音を聞いていた。
▶️深田の謀略
深田は理解していた。
事実を積み上げても人は動かないが、不安を混ぜれば群衆は動く、ということを。
彼女の作業机には、金価格の長期チャート、スイスフランの為替推移、農業自給率、半導体企業の設備投資額が、切り貼りされたように並んでいた。それらはすべて実在の数字だったが、文脈を切断され、時間軸を歪められ、因果を装うための部品として再配置されている。
深田の狙いは単純だ。
「年金は崩壊する」という不安を起点に、「だから金」「だから外貨」「だから農業」「だから倭国の工芸品輸出」という物語を連結する。個々の主張は粗く、相互の整合性もない。だが、統一理論など必要なかった。必要なのは、聴衆が“考える前に頷く”構図だ。
彼女は投資を語りながら、投資そのものをしていない。
語っているのは資産形成ではなく、自己の立ち位置を強化するための象徴資産だった。金は「不変」、スイスフランは「中立」、農業は「自立」、工芸品は「倭国的価値」。それらを束ねれば、近代金融と国家制度を超越した“賢者の視点”を演出できる。
深田にとって重要なのは、現実に耐えうるかどうかではない。
語りが耐えうるかどうか。
論理が検証に耐えるかではなく、信者の心情に耐えるかどうか。
それが彼女の選んだ「耐久力のある物語」だった。
▶️都市の煽動
配信が始まると、都市は一斉に反応した。
コメント欄は騎士団の鬨の声で埋まり、同調は忠誠の証として加速する。
深田はカメラ越しに、静かな口調で語る。
「AIバブルは終わりです」「シリコンバレーは循環投資の自転車操業」「だから実物資産へ逃げなさい」
言葉は穏やかだが、構造は煽動的だった。
まず、巨大産業を一括りにして断罪する。次に、専門用語を用いて“分かった感”を与える。最後に、逃げ道として金と農業を差し出す。
視聴者は安心する。
敵が明確で、未来が単純化されているからだ。
だが彼女は決して言及しない。
NVIDIAとオラクルが単なる投資家ではなく、実需に基づく相互依存関係にあることを。
AIデータセンターの設備投資が、減速ではなく継続拡大していることを。
「資金を求めている」ことが、破綻ではなく成長局面の兆候であることを。
都市は煽られ、熱狂は循環する。
それは投資の循環ではない。
信念の循環だった。
▶️農園の夜
有香は、スマートフォンを伏せ、しばらく何も考えずに空を見上げていた。
農園の夜は静かだ。風の音と、遠くの虫の声だけが、時間を正確に刻んでいる。
深田の動画は、よくできていた。
恐怖の提示、救済の暗示、そして選ばれし者だけが理解できるという優越感。
だが有香の思考は、いつも同じところで引っかかる。
「それは、誰にとっての解決なのか」
低年金問題は、現金フローの問題だ。
毎月いくら使い、いくら入るか。
金価格が上がっても、少額を倭国円に換金するたびに手数料とスプレッドが削り取る。外貨も同じだ。農業は趣味としては成立しても、老後所得の安定源にはならない。
深田は、老後の現実を語りながら、老後の計算を一切していない。
それが有香には、どうしても気になった。
AI業界についても同様だった。
設備投資が続いているという事実を、「資金が足りない証拠」と読み替えるのは、成長産業の構造を理解していないか、意図的な誤導だ。
有香はノートに、静かに数字を書き出していく。
「耐久力のある投資」とは、暴落しないことではない。
現実の需要があり、収益化の道筋があり、制度と接続していることだ。
農園の土を触りながら、有香は思う。
都市は幻想を量産し、農園は現実を突きつける。
どちらが優しいかは分からない。
だが、どちらが長く生き残るかは、歴史が何度も答えてきた。
▶️有香の収穫
有香は反証を組み立てるとき、感情を排する。
怒りも嘲笑も、論理を弱くするからだ。
AI業界は循環投資ではない。
NVIDIAのGPUは実際に稼働し、オラクルのクラウドは現実の業務を支えている。データセンターの電力契約、冷却設備、半導体供給網は、すべて実需に裏打ちされている。
「新規資金を要求している」という事実は、損失の証明ではない。
設備投資は先行コストであり、黒字化は後から来る。
歴史上、インフラ型産業は常にそうだった。
一方、金や外貨は価値保存手段であって、所得創出装置ではない。
価格変動と換金コストを考慮すれば、年金補完としての合理性は低い。
農業も同様だ。労働集約的で、天候リスクが高く、老後の体力と相性が悪い。
有香は、深田の語りが「制度から降りる勇気」を装いながら、実際には制度外で生きる困難さを隠していることに気づく。
それは反逆ではなく、放棄だ。
数字は冷たい。
だが、冷たいからこそ、人を裏切らない。
▶️消えない灯火
有香は𝕏に投稿した。
長文でも、煽りでもない。淡々とした検証だ。
「恐怖は判断を速くしますが、正確にはしません」
投稿後、賛同も反発も同時に流れ込む。
だが有香の心は、不思議と静かだった。
都市の光は強いが、すぐに消える。
農園の灯りは弱いが、風雨に耐える。
真実はいつも地味で、再生数を稼がない。
それでも、有香は今日も検証を続ける。
消えない灯火は、誰かの目に届くと信じて。
▶️【引用:政経ファクトチェック】
NVIDIA Corporation Form 10-K (Annual Report)
https://t.co/eOMIAtlKhD
Oracle Corporation Annual Report (Form 10-K)
https://t.co/nJfbEtINBO
International Energy Agency “Data centres and data transmission networks”
https://t.co/ujMmcOLDwm
OECD “Pensions at a Glance”
https://t.co/bZ5eSNfuWm
World Bank “Commodity Markets Outlook: Gold”
https://t.co/rQAi9sDaLk December 12, 2025
@SasakamaKei 圧 倒 的 イ ン フ レ 世界
待って、エルピスも素が星神級じゃん
キュレネ(デミウルゴス)も…そうなんだっけ?
ミチルは…永劫回帰込ならそうなりうるかな
…もうやだコイツら、インフレしかしないじゃん() December 12, 2025
晶馬くんにとって偽りの愛ってなんだろ
「でも」っていえば共感じゃなくて否定方向ってことにはなるが、晶馬くんって真実を貫くタイプでもないのでよく分からんな
あと妙な理想主義はあの組織の理念にも近いから、それ関連もありうるか……? December 12, 2025
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