リミッター トレンド
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2025.12.12 07:00
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【硬いのは才能じゃなくて“未来が見えない怖さ”から始まっていた話。】
多くの大人が誤解しているけれど、身体の硬さは筋肉の問題とは限りません。
ある子が横に倒すストレッチで、いつも身体をガチガチに固めていました。
でも、倒す前に
「ここからスッと倒れるよ。まずはイメージして“その気”↓
なってね」
と声をかけ、“脳へのアプローチ”を入れた瞬間──
すっと倒れた。
その子のひと言。
「イメージできたら全然違った」
大人は“筋肉が硬い”と思っていた。
でも本当は、“どこに動くのか分からない怖さ”がブレーキをかけていただけ。
ここで大事なポイントがあります。
私たちには“固有受容覚”という、自分の身体が今どこにあるかを感じ取るセンサーがあります。
このセンサーが曖昧だと、脳は“ここまで動いて大丈夫”という判断ができず、身体を守るために固めてしまう。
だから、脳のリミッターが外れただけで身体は急にしなやかになります。
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そしてこれは、前屈でもまったく同じです。
気をつけの姿勢で、片方の指だけ壁に軽く触れたまま前に倒れてみてください。
普通に倒した時とは比べものにならないほど、スッと倒れます。
なぜか?
▶︎触れている“一点”があるだけで脳が
「この方向に倒れれば大丈夫」
と未来を予測し、危険ブレーキを解除するから。
つまり、力みが消えるのは筋肉が柔らかくなったからではなく、“安心感”が手に入ったから。
この感覚を覚えると、壁がなくても可動域は伸びたままになります。
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でもここで、親がよく誤解してしまうポイントがあります。
「見た目が変わった=本番でもできる」
でも実際には──
・昨日できたのに今日はできない
・練習では上手いのに試合で固まる
・家ではできるのに外だとできない
こうした現象は“やる気”の問題ではなく、
運動の裏側にある情報処理の回路がまだ安定していないだけ です。
本当の運動は、
入力 → 認知 → 予測 → 出力
という“情報処理の流れ”で決まります。
練習(クローズドスキル)は状況がほぼ一定。
本番(オープンスキル)は状況が常に揺れ動く。
だから“練習ではできるのに本番で崩れる”のは、
能力でも性格でもなく、
ただ回路がまだつながっていないだけ。
この仕組みを知らないと、特に競争環境では
子ども自身が「自分はできない」と誤解してしまいます。
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そして──
子どもは“結果が出る前の静かな期間”に、
一番大事な回路をつくっています。
この時期は外から見ると
「変わっていない」「伸びていない」ように見えます。
でもその裏では、
入力 → 認知 → 予測 → 出力
という運動の土台が
少しずつ、確実につながり始めている。
そして回路が一本つながった瞬間、
今までの停滞が嘘のように変わり始める。
子どもの成長は、見えないところで静かに進む。見えるようになった時には、もう勝負はついている。
だからこそ、多くの人が気付かない。いや気付けない領域なんです。
なぜなら──成長のほとんどが、目に見えない場所で起きるから。
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嘘だと思ったら、まずは“遊び感覚”で壁に触れて前屈してみてください。その瞬間、あなたの脳も「硬さの正体」が分かります。
そして誤解しないでほしいのは──
この時点で上手くなったわけではないということ。
変わったのは筋肉ではなく、
「ここまで動いても大丈夫」という脳の“許可”。
私たちが与えたのは、その“最初の許可”だけ。
でも、この許可の積み重ねが、
しなやかな動きへとつながっていく。
これこそが、私たち指導者の本質的な仕事です。
そしてもうひとつの真実。
上達は、教えるだけで起きるほど単純ではありません。
子ども自身の中で、感覚・経験・脳の準備がそろった時に起きる。
だから指導者の役目は、
“そのスイッチが入る瞬間”を、負荷を調整しながら絶やさずつくり続けること。
それこそが、子どもの未来の土台になると確信しています。
(※これはOTMの5つのトレーニングメソッドの1つ、ボディマッピングのエッセンスです。) December 12, 2025
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