38歳くらいの頃、中・高の同級生7,8人と結婚式で久々に会う機会があった。早々に道を踏み外した私以外、全員、キャリア官僚や外資コンサル、日系大手に勤めるメンバー。

二次会で、東大法学部を出て財閥系企業に勤める友人が、「俺らの人生、三分の二が終わったな」と言ったのよ。彼いわく、

サラリーマン人生で50前後になると、 役員コース以外は右肩下がりになるから、そこまでが全盛期。

23くらいで社会に出て50をゴールとすると、今は三分の二くらいの地点に位置するという理屈らしい。

私以外、その場にいた多くが「言われてみれば、そうかもしれん」と同意したことに驚いた。

確かにそうした側面もあるのかもしれないが、口に出して言った瞬間、言葉に導かれて本当にその通りの人生になるのでは、と思ったもの。

人は自分の思い描くナラティブ（物語）の通りに生きようとする生き物だから。

たとえば「90歳まで現役で楽しく働く」という物語を頭の中に描いていれば、その前提で生きるから、実現可能性は有意に高まるはず。

逆もまた同じで、ある年齢を過ぎたらそこから先は消化試合、などとイメージしたら、無意識にその通りの人生を歩もうとしてしまう。

これは一つの例だが、使う言葉によって運命が決まってくるというのは、かなりの程度、真実だと思っている。

だからこそ普段から、口に出して言う言葉はもちろん、頭の中で回す言葉にも細心の注意を払ってきたつもり。

この心がけこそ、イメージしてきた通りの生活環境を私が手にすることができた、直接的な原因だと確信しているよ。 December 12, 2025