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子どもは育つ
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2025.12.12 09:00
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息子の「好き」を止めるか、伸ばすか
-心の中で何度も迷った夜の話
「昨日、家でちょっとしたケガがあったんです」
ママが、コーヒーを置きながら静かに言った。
(え…いきなりケガの話?)と、おやじは身を乗り出した。
ママ:「息子さんがじゃなくて…おやじさんが、なんですよ」
おやじ:「え、なんでやねん、オレか?」
ママ:「だって聞きましたよ?“コントローラー踏んで足、くじいたんや”って」
おやじ:「ああ……あれか……」
(あれは、思い出したくない…。
イラついて片づけろと言った直後に
踏んでもうて…痛いし、情けないし…)
ママ:「あれね、心のスペースが
足りなくなると、
家の中でぶつかるんですよ」
と、いつものゆったりした声で言う。
(ママさんのこういうとこ、なんで刺さるねんや…)
ママ:「今日は、その“スペース”の話、しません?」
おやじ:「スペース…?」
◆ 息子の“熱”が、正直ちょっと怖い
おやじ:「あんな、最近、息子がeスポーツに夢中やねん。
ん、時間惜しんでゲームしてんねん」
ママ:「夢中は、悪いことじゃないと思いますよ?」
おやじ:「それはわかるけどな…オレにはわからん世界やねん。
正直、何がええのかもわからん。
勉強してほしいって思う気持ちのほうがデカいんよ」
(ほんまは怒鳴りたくない。
ただ…“ゲーム=時間の無駄”って思ってきた
自分がいて、どう扱ってええのかわからへん)
ママ:「旦那さん、昔はゲーム、やりたかったんでしょう?」
おやじ:「……やりたかったで。そら、めっちゃくそ。
でも家が貧乏やって、ゲームなんか“贅沢の極み”みたいに言われてな」
(あの頃の悔しさ、今でも胸に重く残ってるんや…)
ママ:「その辛かった記憶が、“息子さんの今の姿”と重なるんですね」
おやじ:「せやねん。でも…あんとき出来んかった分、今の息子が羨ましいんかもしれへん」
(素直に羨ましい…そう認めたら楽なんやろか)
◆ 嫁は少し理解がある。
でも、その理解が苦しい時がある。
おやじ:「嫁はんな、“ちょっとくらいええやん”って言うんや」
ママ:「あら、理解あるじゃないですか」
おやじ:「それがまたややこしいんよ。
なんかオレだけ、古い人間みたいやん。
“応援してあげたら?”って言われんねんけど…
正直、応援の仕方もわからん」
(息子の“好き”を支えるって、どうしたらええねん。
わからんから怒るだけの父親って…ダサいよな…)
◆ 「ぶつかる理由」
ママ:「おやじさん、多分ね、息子さんに“間違ってほしくない”だけなんですよ」
おやじ:「せや。それはあるな」
ママ:「けど、過去の“我慢”で心が狭くなる時ってあります。
心に余裕がないと、子供の踊る舞台が狭くなってしまうんです」
(たしかに…最近、家の空気がピリピリしてた気がする)
◆ 「父としての迷いの正体」
ママ:「息子さん、才能の片りんありますよね?」
おやじ:「分からんけど…
大会出たら、そこそこ勝つみたいや。
クラスでも“上手い”って言われてるらしいし」
ママ:「それ、“能力を発揮できるステージ”かもしれませんよ」
おやじ:「せやけど……そのステージ、家が用意せなあかんのか?」
(これが一番悩むとこや…息子のために何すりゃええんや)
ママ:「答えは一つじゃありません。
でも“家の広さ”より、“心の広さ”が先なんです」
おやじ:「心の…広さか…」
(今のオレ、ギュッと狭なってたな)
◆ 「決められへん父を、一歩前へ」
ママ:「おやじさん、こう考えてみません?
“期間を決めて、やらせてみる”。
その間、おやじさんは“見守るだけ”。
判断は、そのあとでいいんです」
おやじ:「期間を……決める、か」
(それなら…できるかもしれん。
“ずっと応援する”って言うほど軽くもないけど、
“全部ダメ”って否定せんでもいい)
ママ:「父親って、完璧じゃなくて良いんです。
揺れながら、決めながら、寄り添ったらいい。
その姿を見て、子どもは育つんですよ」
(なんや…ちょっとだけ肩の荷が軽なった気がする)
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よし。まずは3ヶ月。
息子の“好き”が、本物の熱かどうか、親子で一緒に確かめてみる。
それが今日、コーヒーを飲みながら決めた、オレの新しいスタートや。
※最後までお読みいただき、ありがとうございます☕ December 12, 2025
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