バロン吉元 トレンド
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2025.12.01〜(49週)
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📣イベントのお知らせ🎙️
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内田樹×関川夏央×バロン吉元
「柔俠伝にある時代を超えるもの」
12/10(水)19時@ジュンク堂書店池袋本店
「うわーッ内田樹と会えるんだ。」
内田樹と呼び捨てにしたのは、私の方がけっこう年上だから。でも面と向かったら「内田先生」と呼ぶに違いない。
私は内田さんの作品を、「街場シリーズ」を中心にほとんど読んでいて、内容的には共感するところが実に多い。
私の作品は料理にたとえると、使う具材をまず二品からはじめ、その二品にさまざまな具材を次々と足して、料理の数を増やしていく。
内田さんの作品も同じように、ひとつのテーマを味付けして、次第にテーマが甘くなったり辛くなったり酸っぱくなったりするけど、しまいには皿に絵画的に美しく盛り付けられ、美味になって食べやすくなっていく。つまり冷え切った世の中にほど、よく熱く、美味しい料理を食べさせてくれるのだ、文筆の名コック長と言える。
「内田先生、おかわりちょうだい…」
そんな風に新刊を待ち望んでいたら、この度の拙作「新装版 昭和柔俠伝」全巻に解説を書いて下さることになったんだから、嬉しいこと、この上ない。
そこで、上巻刊行に合わせたスペシャルなトークイベントが決まったわけです。
内田樹さんと、そのご友人であり、同じく『柔俠伝』シリーズの熱心な読者でもある、作家・関川夏央さんをお招きして、12月10日夜、ジュンク堂書店池袋本店にて対談を行います。
前半は、ご来場の皆さまと一緒にお二人の対談を私も客席から拝聴し、後半からは私も壇上に加わって、鼎談を繰り広げる予定です。
お二人には、1970年代の倭国の漫画を取り巻いていた状況をあらためて振り返っていただき、その中で『柔俠伝』という作品がどのように読まれ、どのような熱を帯びていたのかを語っていただきます。
司会は、今回の新装版刊行にあたり、担当編集のエ☆ミリーを陰に日向に支えてくださった、編集者であり『柔俠伝』読者でもある穂原俊二さん。
こんなスペシャルな夜は、そう何度も訪れるものではありません。
終了後には、私・内田さん・関川さんの3名によるサイン会も予定しております。
ぜひ皆さま、お誘いあわせのうえご参加ください。
会場でお会いできるのを、心より楽しみにしております。
遠方の方は、配信チケットのご用意もあるようです。
内田樹×関川夏央×バロン吉元
「柔俠伝にある時代を超えるもの」
12月10日(水)19時〜
ジュンク堂書店池袋本店
@levinassien @maruzenjunkudo @maruzeninfo @junkuik_comic
会場参加&配信視聴チケット発売中▼
https://t.co/sNVmC9qSn7 December 12, 2025
10RP
バロン吉元『新装版 昭和柔俠伝』〈上〉
発売から1週間。過去の作品を現代へどう届けるか——担当編集として父と"復刊"に向き合いつづった巻末テキストを公開します。
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「復刊に寄せて」
『新装版 昭和柔俠伝』の編集を進めていた折、作者・バロン吉元からとある問いかけがありました。
「作中における、現代では不適切とされる言葉表現を、このたびの復刊では改めるべきか。」
本書刊行時点(2025年11月)で、作者は85歳にして存命であり、月に50ページをひとりで描き上げながら月刊連載を行う、現役の漫画家です。
令和を生きるバロン吉元の意識は、現代の読者へ向けられている——作品を「いま」に届けたい思いから生まれたこの問いについて、作者と私は時間をかけて検討を重ねました。
本作品で描かれる舞台は、昭和11(1936)年から昭和20(1945)年にかけての倭国社会です。
主人公・柳勘太郎が、生まれ育った満州を離れ、祖国・倭国の地を初めて踏むところから物語は始まります。
およそ90年前の時代が背景であるがゆえに、作中には当時の社会通念を反映した描写が少なからず登場します。その中には、障害のある人や外国人に向けられた差別、男性中心的な構造に根差した女性蔑視、性的指向や性自認に関わる偏見など、今日から見れば看過しがたい場面も含まれます。
いつの時代、いかなる理由があっても、差別は容認されるものではありません。しかし、かつて来た道を振り返れば、それは歴史の中に確かに存在し、人々を傷つけ、いまも地続きのまま私たちの身近に存在している現実があります。
『柔俠伝』シリーズでは、理不尽と不条理が渦巻く世の矛盾や混沌が、容赦なく描き出されます。
明治・大正・昭和を背景に、親子四代にわたって描かれた柳一家の姿は、信念を貫く瞬間もあれば、時に揺らぎに身を委ねながら、ひたむきに「いま」を生きていく…
激動の時代においても、強きを挫き弱きを助け、多情多感にして義侠心あふれるその在りかたを描くためには、歴史と正面から向き合い、背景を調べ、綿密な取材により「生」の声を拾い上げながら描写することを、作者は作劇の背骨と据えてきました。
また、本作は1971年から72年にかけて「週刊漫画アクション」(双葉社)で連載されました。作中の時代背景とは別に、70年代当時の文化、社会規範の影響も本作の随所に見受けられ、その中には前述した描写と同様、今日から見れば不適切な表現が含まれます。
物語の内側にある〈戦前・戦中〉、作品が発表された〈戦後〉、そして私たちが生きる〈現在〉——『昭和柔俠伝』の復刊は、三つの時代それぞれにおいての異なる価値観を浮かび上がらせます。
この度の復刊では、連載当時の表現をそのまま収録する判断に至りました。歴史的文脈を損なわずに提示することが、差別や偏見が生まれ、根深く受け継がれてきた背景を理解し、人権意識を深めるための一歩になると考えたためです。
元来の言葉を削除することは、当時差別の矛先が向けられていた人びとがいた事実をも、歴史から見えなくすることにつながります。作者と私は、あえて連載当時の表現を掲載することで、差別がどのように生まれ行われてきたか、そして人権の捉え方がどう変わってきたのかを伝えることが大切であると考えました。
また、本書刊行時点の判断基準によって言葉を差し替えることが、未来においても「適切」であり続けるとはかぎりません。今後社会が成熟へ向かうことを願うばかりですが、その時にはそれらが持つ意味や、向き合う人々の意識も同時に変わっていくことでしょう。
私たちは、規範意識の変遷にともなって顕在化する、言葉、ひいては表現の問題に対して、「消す」よりも「位置づける」ことで向き合いたいと考えた次第です。
バロン吉元は昭和15(1940)年、勘太郎と同じく満州に生まれました。
戦前から戦中、戦後へと移り変わる時代を駆けぬけるように、作者が成長過程で出会い触れてきた大人たちは、作中人物と世代を共有しています。
例えば勘太郎と作者の間には18の年齢差があります。
家族が宿屋やよろず屋、農業など多様な生業を営んでいたことから、日々の暮らしには人々の往来と交歓が絶えませんでした。その環境で培われたのは、善悪の単純な図式では捉えきれない、人間の多面性へのまなざしです。
本作に広がる人物群像は、そうした経験が幾層にも重なって形づくられたものです。
作品が描き出す歴史の轍と人々の交わりを通して、私たちが「共に」生きていく社会の有りようを考えるきっかけとなればと思い、このテキストはその手がかりとして添えるものです。
激動の時代を手探りで迎える感覚は、私たちと勘太郎を確かにつなぎます。
「いま」を歩く一人ひとりの道しるべとなり、一隅を照らす燈火となることを願って、『昭和柔俠伝』を復刊いたします。
担当編集 エ☆ミリー吉元/トーチ編集部
『新装版 昭和柔俠伝』〈上〉
書店・各種サイトで発売中▼
https://t.co/DrGwCMjfgJ
トーチwebでも復刻連載中▼
https://t.co/WHAtKeJ6km December 12, 2025
7RP
おはようございます。Title開店しました。2階ギャラリーでは『新装版 昭和柔俠伝』(上)刊行記念 バロン吉元原画展を開催中。時代の熱量を感じる、何とも力のある原画。肉筆の凄みをご体感ください。会場で本をお買い上げの方には特典のカードを差し上げております。
奥のカフェも営業中です☕ https://t.co/b6dpoQSPJk December 12, 2025
6RP
「人間の面白さ伝えたい」 漫画「柔俠伝」のバロン吉元さんトークショー 合志市|熊本日日新聞
#熊本のニュース #熊本日日新聞 #熊日 #熊本
https://t.co/ihdyKvsPt5 December 12, 2025
6RP
おはようございます。突き抜けるような初冬の青空。2階ギャラリーでは『新装版 昭和柔俠伝』(上)刊行記念 バロン吉元原画展を開催中。黒と白で作られた原画の凄みをご体感ください。右も左もこぞって読んだ、好漢・柳勘太郎の生き方をご覧頂ければと思います。
奥のカフェも営業中です。 https://t.co/5AZW7CmrhP December 12, 2025
5RP
荻窪の本屋Titleで開催中の『バロン吉元原画展』に行ってきました
素晴らしき原画達を見ることが出来る事に感謝🙏
「新装版昭和柔俠伝」はサインとポストカード付ですね
今度の土曜日に青山で開催される
#バロン吉元 先生と #上條淳士 先生の対談楽しみ過ぎる https://t.co/76rFIg4yxR December 12, 2025
3RP
おはようございます。2階ギャラリーでは『新装版 昭和柔俠伝』(上)刊行記念 バロン吉元原画展を開催中。連日多くのご来場をありがとうございます。『新装版 昭和柔俠伝』はサイン入り、山田参助さんと担当のエ☆ミリー吉元さんのよりぬきアフタートーク付きです。
奥のカフェも営業中🍎 https://t.co/lTZt4cFl06 December 12, 2025
3RP
先日、荻窪のTitleって本屋さんでやってるバロン吉元の原画展に行ってきました。この頃もう既に筆で描いてるらしく、線の引き方と、キャラやモチーフの配置に迷いがなさすぎてビビってしまった。
@BaronYoshimoto @_emilioemily_ @Title_books https://t.co/3Pg1irZ00b December 12, 2025
3RP
バロン吉元先生は画業66年のいま、最新作として劇画『あゝ、荒野』を連載中です。
寺山修司の『あゝ、荒野』をまだ読んだことのない方も、漫画界のレジェンドであるバロン吉元先生が描く劇画『あゝ、荒野』から、作品世界に触れてみてください。 December 12, 2025
2RP
『(新装版)昭和柔侠伝』上巻
なんと、ぶっとい。
460ページ越え。
これから読みます。
多分、間に別の作品も、挟みます。
2200円だけど、サイズでかいし、最近の(薄くなりつつある)単行本だと3冊分に近いから、むしろ安くね?
バロン吉元著
トーチコミックス(リイド社) https://t.co/4QQylmzIpD December 12, 2025
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内田樹×関川夏央×バロン吉元
「柔俠伝にある時代を超えるもの」
12/10(水)19時@ジュンク堂書店池袋本店
「うわーッ内田樹と会えるんだ。」
内田樹と呼び捨てにしたのは、私の方がけっこう年上だから。でも面と向かったら「内田先生」と呼ぶに違いない。
私は内田さんの作品を、「街場シリーズ」を中心にほとんど読んでいて、内容的には共感するところが実に多い。
私の作品は料理にたとえると、使う具材をまず二品からはじめ、その二品にさまざまな具材を次々と足して、料理の数を増やしていく。
内田さんの作品も同じように、ひとつのテーマを味付けして、次第にテーマが甘くなったり辛くなったり酸っぱくなったりするけど、しまいには皿に絵画的に美しく盛り付けられ、美味になって食べやすくなっていく。つまり冷え切った世の中にほど、よく熱く、美味しい料理を食べさせてくれるのだ、文筆の名コック長と言える。
「内田先生、おかわりちょうだい…」
そんな風に新刊を待ち望んでいたら、この度の拙作「新装版 昭和柔俠伝」全巻に解説を書いて下さることになったんだから、嬉しいこと、この上ない。
そこで、上巻刊行に合わせたスペシャルなトークイベントが決まったわけです。
内田樹さんと、そのご友人であり、同じく『柔俠伝』シリーズの熱心な読者でもある、作家・関川夏央さんをお招きして、12月10日夜、ジュンク堂書店池袋本店にて対談を行います。
前半は、ご来場の皆さまと一緒にお二人の対談を私も客席から拝聴し、後半からは私も壇上に加わって、鼎談を繰り広げる予定です。
お二人には、1970年代の倭国の漫画を取り巻いていた状況をあらためて振り返っていただき、その中で『柔俠伝』という作品がどのように読まれ、どのような熱を帯びていたのかを語っていただきます。
司会は、今回の新装版刊行にあたり、担当編集のエ☆ミリーを陰に日向に支えてくださった、編集者であり『柔俠伝』読者でもある穂原俊二さん。
こんなスペシャルな夜は、そう何度も訪れるものではありません。
終了後には、私・内田さん・関川さんの3名によるサイン会も予定しております。
ぜひ皆さま、お誘いあわせのうえご参加ください。
会場でお会いできるのを、心より楽しみにしております。遠方の方は、配信チケットのご用意もあるようです。
内田樹×関川夏央×バロン吉元
「柔俠伝にある時代を超えるもの」
12月10日(水)19時〜
ジュンク堂書店池袋本店
@levinassien @maruzenjunkudo @maruzeninfo @junkuik_comic
会場参加&配信視聴チケット発売中▼
https://t.co/sNVmC9qSn7 December 12, 2025
1RP
ギャラリー開催中の「『新装版 昭和柔俠伝』刊行記念 バロン吉元原画展」。連日のご来場をありがとうございます。『新装版 昭和柔俠伝(上)』はバロン吉元先生のサイン入り、特典冊子と限定ポストカードもお付けしてWEBSHOPでも販売中。遠方の方はぜひご利用ください。https://t.co/uIBxPpHGVQ https://t.co/BBV0zgTKqQ December 12, 2025
1RP
それにしてもバロン吉元氏の経歴が凄い
1959年に漫画家デビューし80年代に渡米して毛色の全く異なるマーベル・コミックで作品発表
帰国後は絵画作品にも着手
代表劇画の内容からしてシリアス December 12, 2025
【イベントのお知らせ】
内田樹×関川夏央×バロン吉元
「柔俠伝にある時代を超えるもの」
12/10(水)19時@ジュンク堂書店池袋本店
「うわーッ内田樹と会えるんだ。」
内田樹と呼び捨てにしたのは、私の方がけっこう年上だから。でも面と向かったら「内田先生」と呼ぶに違いない。
私は内田さんの作品を、「街場シリーズ」を中心にほとんど読んでいて、内容的には共感するところが実に多い。
私の作品は料理にたとえると、使う具材をまず二品からはじめ、その二品にさまざまな具材を次々と足して、料理の数を増やしていく。
内田さんの作品も同じように、ひとつのテーマを味付けして、次第にテーマが甘くなったり辛くなったり酸っぱくなったりするけど、しまいには皿に絵画的に美しく盛り付けられ、美味になって食べやすくなっていく。つまり冷え切った世の中にほど、よく熱く、美味しい料理を食べさせてくれるのだ、文筆の名コック長と言える。
「内田先生、おかわりちょうだい…」
そんな風に新刊を待ち望んでいたら、この度の拙作「新装版 昭和柔俠伝」全巻に解説を書いて下さることになったんだから、嬉しいこと、この上ない。
そこで、上巻刊行に合わせたスペシャルなトークイベントが決まったわけです。
内田樹さんと、そのご友人であり、同じく『柔俠伝』シリーズの熱心な読者でもある、作家・関川夏央さんをお招きして、12月10日夜、ジュンク堂書店池袋本店にて対談を行います。
前半は、ご来場の皆さまと一緒にお二人の対談を私も客席から拝聴し、後半からは私も壇上に加わって、鼎談を繰り広げる予定です。
お二人には、1970年代の倭国の漫画を取り巻いていた状況をあらためて振り返っていただき、その中で『柔俠伝』という作品がどのように読まれ、どのような熱を帯びていたのかを語っていただきます。
司会は、今回の新装版刊行にあたり、担当編集のエ☆ミリーを陰に日向に支えてくださった、編集者であり『柔俠伝』読者でもある穂原俊二さん。
こんなスペシャルな夜は、そう何度も訪れるものではありません。
終了後には、私・内田さん・関川さんの3名によるサイン会も予定しております。
ぜひ皆さま、お誘いあわせのうえご参加ください。
会場でお会いできるのを、心より楽しみにしております。遠方の方は、配信チケットのご用意もあるようです。
内田樹×関川夏央×バロン吉元
「柔俠伝にある時代を超えるもの」
12月10日(水)19時〜
ジュンク堂書店池袋本店
@levinassien @maruzenjunkudo @maruzeninfo @junkuik_comic
会場参加&配信視聴チケット発売中▼
https://t.co/sNVmC9qSn7 December 12, 2025
バロン吉元『新装版 昭和柔俠伝』〈上〉
発売から1週間。過去の作品を現代へどう届けるか——担当編集として父と"復刊"に向き合いつづった巻末テキストを公開します。
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「復刊に寄せて」
『新装版 昭和柔俠伝』の編集を進めていた折、作者・バロン吉元からとある問いかけがありました。
「作中における、現代では不適切とされる言葉表現を、このたびの復刊では改めるべきか。」
本書刊行時点(2025年11月)で、作者は85歳にして存命であり、月に50ページをひとりで描き上げながら月刊連載を行う、現役の漫画家です。
令和を生きるバロン吉元の意識は、現代の読者へ向けられている——作品を「いま」に届けたい思いから生まれたこの問いについて、作者と私は時間をかけて検討を重ねました。
本作品で描かれる舞台は、昭和11(1936)年から昭和20(1945)年にかけての倭国社会です。
主人公・柳勘太郎が、生まれ育った満州を離れ、祖国・倭国の地を初めて踏むところから物語は始まります。
およそ90年前の時代が背景であるがゆえに、作中には当時の社会通念を反映した描写が少なからず登場します。その中には、障害のある人や外国人に向けられた差別、男性中心的な構造に根差した女性蔑視、性的指向や性自認に関わる偏見など、今日から見れば看過しがたい場面も含まれます。
いつの時代、いかなる理由があっても、差別は容認されるものではありません。しかし、かつて来た道を振り返れば、それは歴史の中に確かに存在し、人々を傷つけ、いまも地続きのまま私たちの身近に存在している現実があります。
『柔俠伝』シリーズでは、理不尽と不条理が渦巻く世の矛盾や混沌が、容赦なく描き出されます。
明治・大正・昭和を背景に、親子四代にわたって描かれた柳一家の姿は、信念を貫く瞬間もあれば、時に揺らぎに身を委ねながら、ひたむきに「いま」を生きていく…
激動の時代においても、強きを挫き弱きを助け、多情多感にして義侠心あふれるその在りかたを描くためには、歴史と正面から向き合い、背景を調べ、綿密な取材により「生」の声を拾い上げながら描写することを、作者は作劇の背骨と据えてきました。
また、本作は1971年から72年にかけて「週刊漫画アクション」(双葉社)で連載されました。作中の時代背景とは別に、70年代当時の文化、社会規範の影響も本作の随所に見受けられ、その中には前述した描写と同様、今日から見れば不適切な表現が含まれます。
物語の内側にある〈戦前・戦中〉、作品が発表された〈戦後〉、そして私たちが生きる〈現在〉——『昭和柔俠伝』の復刊は、三つの時代それぞれにおいての異なる価値観を浮かび上がらせます。
この度の復刊では、連載当時の表現をそのまま収録する判断に至りました。歴史的文脈を損なわずに提示することが、差別や偏見が生まれ、根深く受け継がれてきた背景を理解し、人権意識を深めるための一歩になると考えたためです。
元来の言葉を削除することは、当時差別の矛先が向けられていた人びとがいた事実をも、歴史から見えなくすることにつながります。作者と私は、あえて連載当時の表現を掲載することで、差別がどのように生まれ行われてきたか、そして人権の捉え方がどう変わってきたのかを伝えることが大切であると考えました。
また、本書刊行時点の判断基準によって言葉を差し替えることが、未来においても「適切」であり続けるとはかぎりません。今後社会が成熟へ向かうことを願うばかりですが、その時にはそれらが持つ意味や、向き合う人々の意識も同時に変わっていくことでしょう。
私たちは、規範意識の変遷にともなって顕在化する、言葉、ひいては表現の問題に対して、「消す」よりも「位置づける」ことで向き合いたいと考えた次第です。
バロン吉元は昭和15(1940)年、勘太郎と同じく満州に生まれました。
戦前から戦中、戦後へと移り変わる時代を駆けぬけるように、作者が成長過程で出会い触れてきた大人たちは、作中人物と世代を共有しています。
例えば勘太郎と作者の間には18の年齢差があります。
家族が宿屋やよろず屋、農業など多様な生業を営んでいたことから、日々の暮らしには人々の往来と交歓が絶えませんでした。その環境で培われたのは、善悪の単純な図式では捉えきれない、人間の多面性へのまなざしです。
本作に広がる人物群像は、そうした経験が幾層にも重なって形づくられたものです。
作品が描き出す歴史の轍と人々の交わりを通して、私たちが「共に」生きていく社会の有りようを考えるきっかけとなればと思い、このテキストはその手がかりとして添えるものです。
激動の時代を手探りで迎える感覚は、私たちと勘太郎を確かにつなぎます。
「いま」を歩く一人ひとりの道しるべとなり、一隅を照らす燈火となることを願って、『昭和柔俠伝』を復刊いたします。
担当編集 エ☆ミリー吉元/トーチ編集部
『新装版 昭和柔俠伝』〈上〉
書店・各種サイトで発売中▼
https://t.co/NWdXtqBNgU
トーチwebでも復刻連載中▼
https://t.co/WHAtKeJ6km December 12, 2025
コミコンなので、アメコミコスプレプロレスなども見つつ、「柔侠伝」のバロン吉元センセイが、何故かいがらしゆみこセンセイの御本にダブルサイン会をする、など楽しかったです。 https://t.co/XT6qNTm0vH December 12, 2025
バロン吉元氏の娘のエ⭐︎ミリー吉元さんのコメントでわかったこと
本屋titleができる前のこの建物は鶏肉屋さんで焼鳥売ってて小学校帰りに砂肝買食いして帰宅していたこと
荻窪に住んでたことあるから中央線文化祭にキャスティングされたんだな
杉並区立の小学校は、現金持って買い食いしていいのか? https://t.co/0RJdoIou9A December 12, 2025
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