まんが倭国昔ばなし アニメ
0post
2025.12.03 13:00
:0% :0% (40代/男性)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
#まんが倭国昔ばなしホラー回
『吉作落とし』
______
むかしむかし、原生林が広がるそそり立つ山の麓の里に、吉作という若者が住んでいた
👇
吉作は身寄りのない独り者だったが、身も心もたくましい山の男に成長して、山の岩壁に群生する希少なキノコの岩茸を採って生活していた
👇
ある秋の日、いつものように山に入る吉作だったが、普段登っている岩壁より深い所へ行ってみる事にした
頂上まで登り松の根に縄を結びそこから絶壁を少しずつ降りる
👇
未開の場所だったので予想通り沢山の岩茸を発見
夢中になって採集する
すぐに腰のカゴは満杯になったので心が躍る吉作
👇
ふと見ると、すぐ下に人1人分立つ事が出来る棚がある
吉作は大きく背を伸ばして棚に降り立つ
そして上の松の根から垂れる縄を離す
👇
常に縄で体重を支えていないといけない片手が解放されて楽になる
この棚に腰を下ろしてしばらく休憩しようと決める
👇
空でトンビが旋回して鳴いている
のどかな時間が流れる
👇
さて、そろそろ作業を再開するか、と見上げると、あったはずの縄が吉作の手の届かない上方に行ってしまっていた
今まで吉作の体重で沈んでいた縄は、手を離した事で上がってしまったのだった
👇
上に見えている縄まで、絶壁を掴んで上がろうにも岩肌は脆く、ボロボロと崩れる
唯一持っていた岩茸を採る為の竹ヘラもすぐに壊れる
👇
吉作は、上る事も下りる事も出来ない人1人が立てるだけの小さな棚に取り残される事となる
👇
もう助けを呼ぶ以外に吉作に出来る事はない
「おーーーい!助けてくれぇぇーーー!!!」
遥か下には原生林が広がっている
この声に気づく者がいるとすれば、峠を行く旅人くらいだった
👇
「おーーーい!誰かぁぁーーー!!!」
だが、吉作の声は深い緑に溶けるだけだった
👇
秋は日が落ちるのが早く、すぐに辺りを夜の闇が包んだ
吉作は、寒さと空腹と恐ろしさに必死で耐えながら岩肌を伝う夜露を吸ってしのいだ
👇
次の日も朝から何度も何度も叫んだ
「おーーーい!おーーーい!おーーーい!」
だが、声は秋晴れの空に吸い込まれるだけだった
2日経ち、3日経った
「おーー、、い!おーー、、い!」
👇
声が峠を行く旅人の耳に届いた時があった
だがいくつもの岸壁に跳ね返って旅人の元に来る頃には、その声は化け物の叫びになっていた
👇
「●●山から化け物の声がするそうだ」
「何でもその化け物は人を取って喰うそうだ」
噂が噂を呼んで、峠を通るものはいなくなった
里にもその話が伝わったが、独り身の吉作とこの化け物の噂を結びつけて考える者はいなかった
👇
何日経ったのか、、、
夕暮れ
岩壁の棚に取り残された吉作の意識はほとんどなくなっていた
それでも落ちなかったのは、岩茸採りの仕事で身体が岩壁を覚えていたからだろう
トンビが旋回していたがその鳴き声を聞いてものどかな雰囲気は微塵もなかった
👇
「おれも鳥のように飛べないものかな、、、」
吉作は何とか立ち上がると宙に身を踊らせた
涙を流して落ちていく吉作の身体は燃えるような紅葉の秋の山に消えていった、、、
👇
つづら越えの峠道に旅人達が行き来をするようになったのは秋の終わり頃だった
ほんの少しの気の緩みが命取りになる
その後、吉作の悲劇を知った人々は、その絶壁の岩場を『吉作落とし』と名付け、山に登る時の戒めにしたという、、、、
おわり
______
オバケも出なければサイコな人も出てこない、、、それなのにこんなに恐ろしい話がほかにあるだろうか、、?
これを教訓話と片付けるにはあまりにも吉作が可哀想すぎる、、、
助けを呼ぶ常田富士男さんの獣の咆哮をバックに淡々とナレーションを進める市原悦子さんのコントラストに胸が張り裂けそうになる
この話は間違いなく、まんが倭国昔ばなしのキングオブ鬱回といえよう、、、、、 December 12, 2025
9RP
#まんが倭国昔話ばなしホラー回
『飯振山』
_______
むかしむかしある山に3人の尼さんが修行に入った
👇
仏門に入った者はあらゆるセッ生を禁じられていた為、山の中での食糧確保は大変
だが、尼さんは3人共とても人間ができていたので助け合って生活していた
👇
山の近くの村の男がそんな3人を敬い、目をかけて時々食料を分け与えていた
👇
ある時、一番末の尼さんが空から一筋の光が降りるのを見る
行ってみると切り株の上に3つの握り飯があった
👇
3人は驚くも、神様からのお恵みだと受け取り、その握り飯を頂戴する
👇
それから毎日握り飯が同じ切り株の上に3つ置かれるようになる
👇
やがて1日1つの握り飯じゃ足りないと思った上の尼さん2人は、共謀して末の尼さんをコロす
👇
次の日、期待して切り株へ行くも握り飯は2つしか置いていなかった
👇
ショックを受ける尼2人だったが、「握り飯が2つでもあるという事は、神様は私たちがやった行為を赦しているという事だ」と自分たちを正当化する
👇
秋から冬になろうとしていたある日、真ん中の尼さんが、末の尼さんをコロした事を後悔している、と言う
👇
上の尼さんは、どんな事をしてでも生き抜く事が一番御仏に近づけるのだ、と言って真ん中の尼さんをコロす
👇
次の日、上の尼さんが切り株のところへ行くと、そこには握り飯が1つも置いていなかった
👇
村の男は尼さん達が気がかりではあったが、冬の間は山には行けず、季節は春になった
男が家の前で作業をしていると茂みから山姥のようにボロボロになった上の尼さんが出てくる
男が驚いていると上の尼さんは狂気的な笑みを浮かべながら、
「私です、、、私ですよぉ、、、」
と拝む
そんな事があってこの山は、飯の降る山、と書いて『飯降山(いぶりやま)』と呼ばれるようになった、、、、、
________
直接的なホラー描写はないものの、簡素な絵で淡々と進んでいくストーリーが不気味すぎる(荒涼としたススキの景色が印象的)
人の業をとてつもなく残酷に描いた回だが、この話はまんが倭国昔ばなしの最終回というのが何より残酷で恐ろしすぎる!
制作に、ぼのぼのを描いたいがらしみきおさんが携わっているのに驚いた(絵柄やどす黒い話の内容を思うと納得できる)
とにかく怖い今作だが、行間も多く、考察のしがいがある話だと思う December 12, 2025
#まんが倭国昔ばなしホラー回
旅の坊さん?が泊めてもらった家の赤ん坊
を妖怪だかなんだかだって言って赤ん坊を火に放り込んだら別に普通の赤ん坊だったからそのまま焼け死にましたとさ みたいな話クソ怖かったんですけど タイトルがわからん December 12, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



