小袋成彬 芸能人
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2025.12.13 12:00
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宇多田ヒカル『Fantôme』(2016)は、8年半ぶりのオリジナルアルバムであり、彼女のキャリアと人生の大きな転換点を刻んだ作品だ。
活動休止後、母・藤圭子の死、結婚、出産という私的な出来事を経て制作され、本作は明確に「母への献呈盤」と位置づけられている。タイトルの「Fantôme(幻・気配)」が示す通り、アルバム全体には“もう会えない存在”との対話が通奏低音として流れている。
音楽性は、過去作に比べて音数を抑えたミニマルでアコースティック寄りのサウンドが中心。全曲倭国語詞で構成され、言葉一つひとつの重みが際立つ。歌詞では生と死、喪失、愛、再生が繰り返し描かれ、「あなた」という二人称は多くの場合、亡き母を指すと解釈されてきた。悲しみを直接的に叫ぶのではなく、日常の感情や静かな感謝として表現している点が特徴的だ。
評論家からは「死をここまで美しくポップスに昇華した稀有な作品」「極めて私的でありながら普遍的」と高く評価された。椎名林檎、KOHH、小袋成彬とのコラボも、閉塞的だった当時のJ-POPに風通しをもたらしたとされる。派手な特典やプロモーションに頼らず、作品の力だけで大ヒットした点も象徴的で、『Fantôme』は“成熟したポップミュージック”の到達点として、今なお語られ続けている。 December 12, 2025
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