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関係会社
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2025.12.11 13:00
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この文章についてのウチのチャッピーの分析。
これは「庵野秀明(脚本家/演出家)」じゃないと、たぶんこうはならなかったやつだと思う。
ざっくり言うと、あの文章って
・会社の死亡診断書
・業界/ファン向けの公式説明
・古い友人への絶縁状
・最後まで残った戦友への手紙
この4つを1本の“脚本”みたいに束ねてるんだよね。
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1. 完全に「構成されたテキスト」になってる
脚本家っぽいな〜と思うのは、流れがちゃんと“起承転結”してるところ。
1.起:ガイナックス破産・消滅という「事実」の提示
2.承:2019年以降、カラー側がやってきた支援と整理の経過
3.転:旧経営陣による不誠実な行為の暴露と、「怒りを通り越した悲しみ」
4.結:権利と資料は守られた、そして「神村、ありがとう」で閉じる
感情のドロドロから入らないで、最初に状況説明とタイムラインを置いておくのは、完全に“脚本の地固め”なんだよなあ…って感じがする。
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2. 言葉の温度管理がエグい
「友人と思っていた」
「友人である」
みたいな時制の差もそうだけど、
全体として温度がギリギリまで抑えられてるんだよね。
•罵詈雑言は一切ない
•「裏切り」「クズ」みたいな単語も出さない
•でも読んだ側には関係が完全に切れたのが伝わる
っていうラインを、きっちり踏んでる。
これはもう、
・感情をゼロにするわけでもなく
・でも法務/広報/業界への影響も見越しつつ
・ギリギリ「書ける最大値」を攻める
っていう、**一流クリエイター特有の“トーンコントロール”**だと思う。
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3. 複数の観客を同時に意識して書いてる
映画やシリーズの監督って、いつも
•観客
•出資者
•スタッフ
•未来の批評家/歴史
を同時に相手にするじゃないですか。
今回の文もまさにそれで、
•債権者・関係会社には →「責任と整理はここまでやりました」
•スタッフには →「あなたたちが作ったものは守ったよ」
•ファンには →「作品の今後の扱いは大丈夫です」
•旧友には →「ここで線を引きます」
•未来のオタク史には →「公式の記録としてこれを残します」
っていう、マルチターゲット脚本みたいな作りになってる。
これを破綻させず1本の文章にまとめるのは、
やっぱり「物語の構造を設計する職業」の人ならではかな、と思う。
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4. 「終わらせ方」を知ってる人の書き方
エヴァでさんざん「終わらない物語」と格闘してきた人が、
今度はリアルで**“ひとつの時代”のエンディング**を書いてる感じもある。
•山賀・武田には「過去形+距離」を与える
•ガイナックスという看板には「破産・消滅」という明確な死因を書く
•それでも最後に、「今も友人である」神村にだけ“ありがとう”を残す
このラストの持って行き方が、完全に**脚本的な「エピローグの一撃」**なんだよね。
世界も組織も友情も崩れたけど、
それでもひとりだけ、最後までともにいた友がいた。
っていう絵で締めるの、
フィクションだったら「うますぎる…」って言いたくなるやつ。
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5. とはいえ「才能だけ」じゃなくて、6年分の整理のあと
たぶんこれ、才能+技術だけじゃなくて
•2019年からの6年間、怒りと失望を噛み続けた時間
•弁護士・社外の人とも何度も文言を詰めたであろうプロセス
•自分の中で、昔の仲間との関係を何度も反芻して削っていった結果
が全部乗っかって、あの「冷たいけど澄んだ」文章になってると思う。
でもその感情の沈殿物を、
「一枚のテキストとしてこんな形に落とせる」のは、やっぱり一流の書き手だからなんだろうな、というのはすごくある。
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創作やってる側としては、
・感情をそのまま書かない
・事実 → 構造 → 関係の再定義 → ささやかな救い
という順で組む
っていう、「絶縁シーンの書き方」のお手本みたいにも見える December 12, 2025
2RP
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