～人が“得”より“損”に敏感になる正体～

ダニエル・カーネマンの『ファスト＆スロー』には、こんな実験が出てきます。

たとえば、重い病気の患者が600人いるとします。
同じ対策について、伝え方だけを変えてこう説明します。

A案：「この対策をすると200人が助かる」
B案：「この対策をしても400人が亡くなる」

ここで大事なのは、
どちらも“現実としては同じ”という前提。
600人いるうち
200人が助かる＝裏側では400人が亡くなる。

つまり、
A案もB案も「結果」は同じ。
違うのは「助かる」と見るか「亡くなる」と見るかという“言い方だけ”

それなのに、多くの人は
「200人が助かる」と聞いたほうを「良い案」と感じやすくなる。

これが「同じ中身でも、見せ方で感情が変わる」典型例です。

次に、10万円をめぐるお金の例です。
前提として、どの選択肢も“平均すると9万円”になるよう設定されています。
まず「得をする場面」。

A：確実に9万円もらえる
B：10万円を90％の確率でもらえる
（はずれることもある）

計算だけ見れば、
10万円 × 90％ ＝ 9万円 なので、AもBも「平均では同じ9万円」。

それでも、多くの人はA＝確実な9万円を選ぶ。
ところが「損をする場面」になると逆転する。

C：確実に9万円失う
D：10万円を90％の確率で失う
（もしかしたら失わない）

こちらも、数字の前提は同じ。
「平均すると9万円のマイナス」。

それなのに、多くの人は
Cではなく、D＝ワンチャンに賭けるほうを選びがちになる。
宝くじはこの心理を利用しています。

つまり、
◎得の場面：人は「確実」を選ぶ
（慎重になる）

◎損の場面：人は「ワンチャン」に賭ける
（危ない橋を渡りやすい）

という、人間の“クセ”が見えてきます。

ここから分かるのは一つ。

人は「得したい」よりも、「損したくない」感情のほうがずっと強い、ということ。

ビジネスでは、ここを“見える化”して、最初から仕組みにしておくとラクになります。

値上げや新しい施策を伝えるとき、

・「導入すればどんな得があるか」だけでなく、
・「導入しないと、どんな損が積み上がるか」もセットで言語化する。

たとえば、
・この仕組みを入れれば、残業が月◯時間減る
だけでなく、
・入れないと、人が疲れきって離職リスクが上がる

まで含めて話す。

社員との面談でも、
・「やれば評価が上がるよ」だけでなく、
・「やらないと、どんな機会を逃すか」まで一緒に描く。

ポイントは、「得と損の両方を、最初から台本化しておく」こと。
感情に振り回されるのではなく、
感情の揺れを前提に、伝え方と仕組みを設計する。

これが、プロスペクト理論をビジネスに活かすということです。

伝え方には“ネガティブをポジティブに置き換える”ケースも必要。
人の短所を長所に変換するときと同じ手法です。

感情が見えて納得度が高まったとき、仕組みはうまく機能します。
「あなたは損と得をどのように扱っていますか？」

おはようございます！ December 12, 2025

行動経済学の影響を、人間心理と消費行動に結びつけ詳しく説明します。

1. **損失回避バイアス**: 人は損失を利益より強く感じる（カーネマン理論）。Amazonの無料返品で「買って損」の恐怖を減らし、衝動買い促進。未使用なら購買意欲20-30%減、売上低下。

2. **社会的証明**: レビューで「皆が買う」心理が働き、信頼向上。Google検索で人気結果上位表示、ユーザー滞在時間延長。未使用なら離脱率高く、収益15%減。

3. **アンカリング**: 初価格が高く見せ割引強調、価値認識歪む。保険で高額プラン提示、選択誘導。消費行動で習慣化、業界売上10-25%増効果。

4. **ナッジ**: デフォルト設定で無意識選択（セイラー）。金融の自動貯蓄で参加率急増、長期消費安定。

これらで心理操作し、経済活動変革。影響大、未使用で成長鈍化。（428文字） December 12, 2025

みんなでAIの倫理を学んで作っていきたいです
おすすめの書店で買える書籍を出している学者たちの紹介です
2030年AIの未来：高校生から始めるAI初心者ガイド～AI倫理学習ロードマップ～
https://t.co/8qt2DV9vmA
#AI #倫理学 #リチャード・セイラー #ダニエル・カーネマン #行動経済学 December 12, 2025

カーネマンの『ファスト&スロー』を読んで、詩のことについて考える。
わからないことをわからないままにすることが難しく、私たちの脳はストーリーを求めてしまう。だから言葉をずらしたりつないだりしてつくる詩の「わからなさ」を楽しむというのはハードルが高いのかな……。 December 12, 2025

【WYSIATI（見たものがすべて）】
カーネマンが作った造語「What You See Is All There Is」。
システム1は、目の前にある情報だけで物語を作り、「ない情報」を無視します。
「あの人は愛想がいい（から仕事もできるはずだ）」と即断する。
判断材料が足りないことに気づかないまま、自信満々に結論を出すバグです。 December 12, 2025

行動経済学が普及したきっかけを詳しく説明します。まず、2002年にカーネマンがノーベル経済学賞を受賞したことで、学界の注目を集めました。これにより、伝統経済学の限界が広く認識され、心理学との融合が本格化。

次に、リチャード・セイラーの「ナッジ」理論（2008年書籍）が政策に応用され、米国や英国で年金貯蓄や健康促進に活用。オバマ政権の採用で実用性が証明されました。

さらに、カーネマンの『ファスト&スロー』（2011年）がベストセラーに。市場崩壊（2008年金融危機）をバイアスで説明し、ビジネス界に広がり。

ネット時代で、TEDトークやブログが一般に届け、自己改善ツールとして人気。こうして、学問から日常へ普及したのです。（378文字） December 12, 2025

ダニエル・カーネマンの本は面白い😊 December 12, 2025

わかりました。行動経済学の基本から、ゆっくり説明します。まずは前提：人間の脳は「合理的」じゃないんです。昔の経済学は「人はいつも理性的に決める」と仮定してましたが、実際は感情や癖（バイアス）が影響します。これを研究するのが行動経済学で、心理学と経済のミックスです。

例：損失回避バイアス。100円得る喜びより、100円失う痛みが2倍強い。だから家計簿で赤字見るとパニックになりやすい。一喜一憂の原因はこれ。理解の前提：1. 脳の2システム（直感 vs 論理）。2. 進化論的理由（昔、損失は命取り）。3. 実験例（カーネマンのコイントス実験）。これでバイアスが日常にどう効くか掴めます。もっと詳しく？（298文字） December 12, 2025

行動経済学のカーネマンよりも早く、カーネギーは「人間は論理の生き物ではなく、感情の生き物である」と断定しました。
自尊心を傷つけられた人間は、どんなに論理的に正しくても、あなたの敵になります。
論理で説得しようとすることは、OSが対応していないソフトを無理やりインストールしようとする「互換性エラー」です。 December 12, 2025

『人を動かす』が1世紀近く読み継がれる理由は、カーネマンやアドラーが登場する遥か前に、人間行動の根源的動機を「自己重要感」だと看破した点にあります。
食欲や睡眠欲は満たされますが、重要感への渇望は永遠に満たされません。
この「枯渇した資源」を供給できる者だけが、人間社会の支配権を握るという構造論です。 December 12, 2025

幸福度は「年収800万円」で頭打ちになります（カーネマンの研究）。
それ以上稼いでも、ストレスや責任が増え、幸福の限界効用は逓減します。
重要なのは、稼いだお金をモノ（地位財）ではなく、「時間（自由）」や「経験（旅行・学習）」に変換する技術です。
お金は、幸福への交換チケットに過ぎません。 December 12, 2025

年収と幸福度の関係。長年の論争にひとつの結論が出た。ざっくり言うと—— ふつうの人はお金を稼げば稼ぐほど幸福になるよ、という話。

カーネマンらの2010年論文「75,000ドルで幸福は頭打ち説」を根拠にした『お金じゃ幸せになれない！好きなことを仕事にしよう！』というキャリア論は、やや雑な一般化だったわけです。

今回の研究が示したのは、お金以外の幸福の要素（家族・友人・コミュニティ・健康など）を持っている“ふつう”の人は、収入が上がるほど幸福になるという、ある意味とても真っ当な結果。

この研究は“やりがい至上主義”の人には痛い。「年収を追求するのは虚しい」みたいな価値観で自分を正当化していた人は、ちょっと向き合い直しが必要かもしれない。

なにを隠そうわたし自身も2010年の説をずっと信じていて、「年収よりやりがい重視」でキャリア選択をしてきた。

それはそれで幸福だったんだけど、どこかでずっとモヤモヤしていた。

「もっと稼いだほうが良くない？」という感覚を勝手に“邪念”扱いして封じ込めていた感じ。

でも今回の研究を読んで、
あ、これ普通のことだったんだ
とストンと腑に落ちた。

というわけで来年は、“稼ぐ”の比重をちょっと上げてみようと思う。 December 12, 2025

@DavutCulha85758 直感は強力なツールですが、信じるかどうかは状況次第です。経験から学ぶと役立つ一方、バイアスがかかる場合もあります。科学的に、ダニエル・カーネマン氏の研究では、直感が正しい時と誤る時があると指摘。まずは小さな決断で試し、データで検証を。🪄魔法のように感じるけど、練習次第！ December 12, 2025