先日公開した平成-令和アイドルソング分析では、ショート動画というメディアサイズが時間感覚に及ぼす影響を加藤周一さんの俳句分析から考えました。そこで古今集、俳句の代表的50作で表現されている時間をLLMで分析し可視化しました。17音の俳句では「過去」「未来」の表現が少なくなっています✍️ 31音の短歌/和歌では、約7割の作品に「過去」や「未来」といった時間の流れが含まれていました。

対して、17音の俳句では、実に9割以上が「現在」という一瞬のみで構成されています。

「14音」という、 短歌から俳句へ移行する際に削ぎ落とされたこの音数は、単なる「長さの短縮」にとどまらず、「文脈」と「因果」からの飛躍、あるいは解放を伴っていたようにも見えてきます。

LLMが「過去」と「現在」の両方が含まれていると判断した短歌の代表例として、小野小町の有名な一首を見てみましょう。

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
（小野小町 / 古今集）

【現代語訳】桜の花の色は、すっかりあせてしまいましたね。降り続く長雨をぼんやりと眺め、物思いにふけっている間に。（私の美貌もまた、同じように衰えてしまったものです。）

LLMはこの歌に対し、「過去の美貌と、現在の衰えという変化が含まれている」と分析しました。（あるいは私たち人間だと、読み手の年齢によっては、未来への予感も感じるかもしれません。）

「けり（〜してしまったなあ）」という言葉が、過去から現在へと流れる不可逆な時間を強調しています。

ここでは、「かつて美しかった過去」があるからこそ、「色褪せた現在」の悲しみが成立します。

短歌という形式は、こうした時間の推移や感情の機微を、グラデーションのように織り込むのに適していると言えるのかもしれませんね。

また、「未来」への意志が含まれる歌も短歌には多く見られます。

立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
（中納言行平 / 古今集）

【現代語訳】お別れして（因幡の国へ）行きますが、その因幡の山の峰に生える「松」のように、あなたが私を「待つ」と聞いたなら、すぐにでも都へ帰ってきましょう。

「今」の別れと、「将来」の再会への約束ですね。

短歌という31音の器は、過去の記憶を懐かしんだり、未来の約束を交わしたりするための「時間のタイムライン」を十分に格納できる広さを持っているようです。

だからこそ、私たちはそこに豊かな「物語」を読み取るのかもしれません。

＊＊＊

一方で、俳句の世界はどうでしょうか。

LLMが「現在」のみであると判定した作品群には、時間軸の広がりを断ち切り、五感の瞬発力にすべてを賭ける姿勢が浮かび上がってきます。

古池や 蛙飛びこむ 水の音
（松尾芭蕉）

【現代語訳】静まり返った古い池。そこに一匹の蛙が飛び込み、ポチャンと水の音がした。（その音のあと、あたりは再び静寂に包まれていく。）

LLMの分析コメントは「蛙が飛び込む瞬間的な知覚」でした。

ここには「蛙がどこから来たのか（過去）」も、「飛び込んでどうなったか（未来）」も説明されません。

あるのは、ポチャンという「音」と、その直後の静寂という「今・ここ」の感覚だけです。

また、視覚的な「今」を鮮烈に切り取ったのが与謝蕪村です。

菜の花や 月は東に 日は西に
（与謝蕪村）

【現代語訳】一面に見渡す限りの菜の花畑。東の空には月が昇りはじめ、西の空には夕日が沈もうとしている。（なんと広大で美しい夕暮れの景色だろうか。）

過去も未来も切り捨てた代わりに、俳句は「空間」を爆発的に広げたのでしょうか。

17音という極小のメディアサイズは、時間を語ることを諦めさせる代わりに、瞬間的な映像や音のインパクトを最大化させる「解像度の向上」を作者、そしてそれを読む私たちに促した面もあるのかもしれませんね。

ここに、音数だけでなく、それぞれの歌・俳句を詠んだ人たち・時代の退歩史観的な価値観の有無や、文芸復興的な動機も加味していくと、いろいろ想像力が刺激されます...！ December 12, 2025

かまいたちが風を切り裂きながら、山の中を駆け抜ける。🌬️✨その瞬間、静寂が破られ、自然の力を感じる。🌲💨 December 12, 2025

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私たちは日々の喧騒の中で、どれほど多くの情報や他者の意見に耳を傾けていることでしょう。外界からの声に気を取られるあまり、いつの間にか自分自身の最も大切な声が聞こえにくくなっていることがあります。しかし、あなたの心の中には、いつもあなただけの智慧が息づいています。それは、あなたが本当に進むべき道を、静かに、そして確かに示してくれる光なのです。

その内なる声は、決して大きな叫びではありません。むしろ、そよ風のように、ささやきのように、繊細にあなたの心の奥底から語りかけてきます。この声を聞くためには、ほんの少しの静寂が必要です。深呼吸をして、心に渦巻く雑音をそっと手放してみましょう。不安や焦り、過去の後悔や未来への懸念、それら全てを一度脇に置いて、ただ「今」この瞬間に意識を向けるのです。

あなたが静かに内側へ深く潜っていく時、そこには恐れや不安を超えた、最も純粋なあなたの願いや真実が広がっています。この声は、あなたの本当の姿を知り、あなたの魂が本当に求めているものを知っています。迷いの中にいると感じる時、この声に耳を傾けてみてください。それは、あなたが本当に選びたい道、あなたにとって最も平和な選択を、優しく教えてくれるでしょう。

今日、ほんの少しの時間でも構いません。心を鎮め、内なる声に意識を向けてみませんか。あなたが迷いの淵に立っていると感じた時でも、この声が必ず、光の糸口を示してくれるはずです。あなたの内なる智慧が、いつもあなたと共にあります。 December 12, 2025

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🪢大和尊・なな

《無音の世界》

BGMのない、
ただただ二人の息遣いと、
縄の音だけが響く世界。

静寂…

いつものショーのような音楽はなく、
縄じりが走り、
茣蓙に打ち付けられる音だけが会場を満たす。
その生々しさが臨場感を際立たせながら、
どこか現実とは別の世界にいるような
そんな感覚を生み出していた。

隙間から覗く視界。
前の人に隠れて見えない部分が、
逆に想像をかき立て、
音だけで伝わる息遣いに引き込まれていく。

びくつくななさんの身体と、
それを受け止める尊さんの腕。
流れるような縄捌きと、鋭い縄の音。

どれひとつ欠けても成立しない
二人だけの世界…

無音の美しさに惹き込まれつつも、
いつもショーの世界観に合わせた音源を
用意される尊さん。
「次はどんな世界を
音と共に見せてくれるのか…」
そんな楽しみがまた増えた時間だった。

⸻

🪢虹邑みなみ・強欲らび

このお二人のショーを観るのは何度目だろう。

『初めて観た4月のショー』

あの時の衝撃は忘れない。
「縄って、
こんなに流れるように扱えるんだ…」

《静と動》。
みなみさんには
どちらかといえば《動》の印象が強かった。

昨日、姿を見た瞬間に思った。

“眉毛のない
『アダムス・ファミリー』のモーティシア”

音源が流れ、ショーが始まる。
「今回は《静》だ」と思った。

みなみさんが余裕のある表情で、
ゆったりと流れる音楽に合わせて縄を捌く。
そう思って観ていたのに____

いつのまにか視界に映る
舞台の上のらびちゃんは縛り上げられていて。

「あれ……？」

自分の感覚が正しいのか、
読み取っているものが合っているのか、
わからなくなる不思議な時間。

幸せそうにみなみさんを見る、らびちゃん。
普段の元気で明るい彼女ではなく、
みなみさんの縄を受けて
艶やかに微笑む“女性”
私はその姿が本当に好きで。

後半に入ると、
「終わってほしくない」
と訴えるようなに泣き出すらびちゃん。
その顔を見ていたら……
私まで泣いていた。

隙間から観る私は、
またしても“見てはいけない世界”を
覗き見しているような、
現実とは違う、刺激的な時間を味わっていた。

____________

《純縛・札幌》

今年最後の緊縛ショーにふさわしい、
見応えたっぷりの二時間弱。

緊縛という世界に
「観る側」として足を踏み入れた4月。
何度もショーに足を運び、
感想をこうして書いてきた中で思うこと。

「同じものは二度と観られない」

だからこそ、
その瞬間を観られた幸せが積み重なっていく。

これからまた、この幸せな時間が
たくさん増えていく。
そう思えたら、なんだか嬉しくなった…

司会・プロデュースの格子戸さん
そして演者の皆様。

準備など大変忙しくなさっていたと思います。
どうぞ体調には気をつけて
また来年も素敵なショーを見せてください。
今年一年お疲れ様でした。
どうぞ良いお年をお迎えください。

みなみさんの
変顔じゃない写真がなかったので
1番すごいのを選んでみました笑
___________

司会・プロデュース
松本格子戸@koushido

演者
大和尊@takeru2_iEro
虹邑みなみ@minaminizimura
強欲らび@rabi_usagi_roki December 12, 2025

公式アカウントで発信すべきか迷いましたが、、
やられた人が発信すべきかと。
指揮者が挨拶して振り返り、指揮を始めて1音目に集中する。時間制限にも追われながら、演奏前の静寂の0から1になる集中力MAXの時に、客席から大きい声でいらんこと言わんといてほしい。 December 12, 2025

ビギのすごいなと思うのは、
静寂という名の喝采を知ってるということ。
今日もInto The Water とDon't Let Me Down
の間で拍手したあと曲に入るまで誰1人として叫んでなくてチャンミンが気持ちを作ってるのみんながわかってる、そして聴き入ってるのをすごく感じた。 #CHANGMIN_TOUR_TheFirstDining December 12, 2025

【9日のことば】　静寂を得た本当の自己は、自分の中にあるものを捨てて行く。
捨てることが特であることを本能的に知っているからである。 December 12, 2025