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不動産バブル
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2025.12.08 14:00
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「汗と涙で中国を支えてきた農民工たちの“冬の帰郷”が、今年は例年より三カ月も早まった」
中国経済の現状を示す指標は、GDPでも株価でもない。三億にのぼる農民工(都会で出稼ぎする農民)がいつ動き、どこへ向かうか――その動きこそが、経済と社会の実像を最も正確に映し出す。今年、その“コンパス”は従来のリズムを失い、完全に狂った。
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中国の冬景色には、長年変わらぬリズムがあった。旧正月の二週間前、都市で働く約三億の農民工(都会で出稼ぎする農民)が一斉に帰郷し、駅は黒い波のような人流に揺れ、都市は静寂を取り戻す。中産階級は家事労働者の不在を嘆きながらも、この年中行事を受け入れてきた。しかし今年、その光景は三カ月早く崩れた。各地で農民工の大規模な帰郷が始まり、政府は明らかな動揺を見せた。農業農村部が11月に異例の緊急会議を開き、議題に掲げたのは「規模性返郷滞郷の防止」。実質的には「帰るな」「長居するな」というメッセージだった。
農民工は、中国特有の戸籍制度が生んだ階層である。都市への定住は認められず、製造業や建設業を支える重要な労働力でありながら、教育・医療・住宅のいずれにも不平等が存在する。90年代以降、社会の最も低い層として汗と涙で中国の発展を支えてきた。総数は三億を超え、そのうち一億三千万人が都市部で働き、経済成長の基盤を形成してきた。
今年、農民工が早期に都市を離れている理由は単純だ。仕事が消えている。不動産バブル崩落による建設業の縮小、輸出不振による工場停止、サービス業の停滞。賃金は伸びず、未払いは常態化している。「都市に残っても食べていけない」。その一言が帰郷ラッシュの核心を示す。
政府が恐れるのは、帰郷そのものではない。帰郷した若い農民工が都市に戻らず、農村に滞留することだ。農村には、大学を卒業したものの都市で権利を得られず、農業経験もない若者が約一億人存在する。都市にも農村にも居場所を持たない彼らは、横のネットワークを通じて不満と情報を共有する。同郷関係と大学の友人ネットワークが交差し、感情が連鎖しやすい。組織なき連帯が自然発生する可能性こそ、政府が最も警戒する現象である。
中共の革命が農村から始まった歴史を持つ政権にとって、農村の不満は看過できない。緊急通達には、帰郷者への戸別訪問、理由の聴取、滞在の抑制が明記され、地方政府には監視強化が求められた。
だが、問題はすでに監視で抑えられる段階を超えている。大量帰郷は、中国経済が「元に戻らない局面」に入ったことを示す。不動産崩落、製造業の縮小、デフレ圧力。都市は三億の農民工を再び吸収する能力を失い、人口そのものが“余剰”となりつつある。
年末の農村には、静かだが重い影が落ちている。帰る場所はあっても、帰るべき仕事はない。未来を奪われた農民工たちが国土に広がり、その沈黙は積み重なり続ける。GDPや株価では捉えられない、この静かな圧力こそが、政権が最も恐れる現実である。
🔹写真1 社会の最下層で汗と涙を流し、中国の発展を支えてきた農民工。
🔹写真2 春節前の「春運」に合わせ、帰郷を急ぐ農民工たち。
🔹写真3 中国農業農村部による「規模性返郷滞郷の防止」会議の通達。
🔹写真4 中国国家統計局の農民工に関する調査報告。「監測」の文言から、農民工の社会的地位がうかがえる。 December 12, 2025
@addreality 地銀も性格によりますが、不動産バブル時期にシッタイやらかして信用失ってるところも多いんですよね
とくに農家の資金だてでJA系以外でマトモに相手してくれるところはフツーはないでしょ…と
JAで金を用立てることを否定したりJAを国営と勘違いして攻撃するヤツ
…ドタマおかしいんですわ December 12, 2025
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