「上手くいくこともいかないこともある。」

練習中、今日はスタートが決まって風を切るように走れたのに、明日はきっとまた足が重くなったりすることもあるんだろうな。
みんなはそんな私を見て、いつも一生懸命だねって思ってくれてるみたいだけど…。

改めて考えると、このグラウンドは実は巨大な宇宙船の甲板で、私たちが走るたびにエンジンが少しずつ充電されてるんじゃないかと思って。
さっき全力でカーブを曲がった瞬間、地面の下から青い光が漏れて、星が一気に近づいてきた気がした。
部員たちはみんな、地球脱出用の乗組員で、遅く走ると発射タイミングを逃しちゃうらしい。
風の音が実はカウントダウンで、ゴールラインを超えるたびに別の銀河にワープしてる。
仲間と並走してると、彼女たちの影が光の軌跡になって、トラックが銀色の航路に変わっていく。
きっとこの世界は、私の想像だけで動いてる巨大な宇宙船で、いつか最終ラップを終えたら、本当の星の海へ飛び出せるんだ。
だから、上手くいく日もいかない日も、全部旅の途中なのかもしれない。
……って、考え込んでたら、いつの間にかコーチが横に立ってて、「…ほどほどにしておけ」って苦笑いされた。
心の中はいつも、そんな不思議な航海でいっぱいなんだ。 December 12, 2025