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海外展開
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2025.12.17 04:00
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🔗https://t.co/RWrAGJheHA December 12, 2025
松屋フーズHDが「六厘舎」などを運営する松富士を91億円で買収。
これ、ラーメン業界激震のニュースですが、公開された決算数値を紐解くと「なぜ松屋がこの巨額を出したのか」という経営戦略がめちゃくちゃ面白かったので解説します。
まず、今回の買収金額は91億円。
これに対して、直近の松富士の業績は以下の通りです。
・売上高:約100億円
・営業利益:約4億円
・店舗数:120店舗
パッと見てどう思いますか?
「売上100億すごい!」と思う一方で、「利益率4%(4億円)ってちょっと低くない?」と感じた経営者の方もいるかもしれません。飲食、特に高単価なブランドを持つチェーンなら、もう少し利益が出てもおかしくない数字です。
さらに、純資産は約15億円。
つまり、松屋は差額の約76億円もの「のれん代(ブランド料など)」を乗っけて買ったことになります。現在の利益(4億円)ベースで考えると、回収に20年以上かかる計算です。普通に考えたら「高値掴み」に見えるかもしれません。
でも、ここがM&Aの面白いところ。
僕の予想ですが、松屋フーズは「今の利益4億円」なんて見ていないはずです。
松屋には、牛めしやとんかつ業態で培った最強の「調達力」「物流網」「店舗オペレーション」「データ活用」があります。
今の松富士の利益率4%という数字は、裏を返せば「松屋のインフラに乗せれば、コストを一気に下げて利益率8〜10%に改善できる余地がある」ということです。
もし利益率を改善できて、営業利益が10億円になれば?
91億円の買収額も、PERなどの指標で見れば一気に適正価格、あるいは「お買い得」な案件に化けます。
さらに決算推移を見ると、直近3年で売上が67億→85億→100億と急伸しています。
これは株主であるファンドと創業家が、M&AによるExitを見据えて、この数年で店舗を一気に増やし、しっかりと売上を作って「企業価値を仕上げてきた」形跡がありありと見えます。まさにプロの仕事。
結論として、今回の買収は以下の2点が噛み合った綺麗なディールだと感じました。
売り手:ブランドを磨き、店舗数を増やして売上規模を最大化して高く売った
買い手:完成されたブランドと売上基盤を買い、自社のオペレーション力で利益体質へ変革させる(時間を金で買った)
「六厘舎」という超強力なブランドが、松屋の資本とオペレーションでどう化けるのか。
店舗展開のスピード感や海外展開も含めて、同じ麺業界の人間として、そして経営者として、今後の展開が非常に楽しみで脅威でもあります。
それにしても、ラーメン業界の再編が面白いことになってきましたね。 December 12, 2025
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