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闇の奥
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2025.12.08〜(50週)
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倒れたたぬきを確認し、
かっぺぇは素早く
仮面の割れ目を見た。
刃は仮面で止まり、
致命傷には至っていない。
🦝「仮面がなかったら死んでいたぬ…!」
🥒「たぬき、生きてる……!
でもこのままじゃ全滅だ」
暗闇の奥で男が動く気配がする。
👤「次で終わりだ。
隠れても無駄だ。全部見えている」
かっぺぇはぎりっと歯を噛んだ。
🥒「……そうだ。見えてるんだよな
“あいつだけ”が。」
ぬん犬が震える声で聞く。
🐶「どうすれば……?」
かっぺぇはたぬきの袋を探らせた。
🥒「天井を壊して光を入れる。
お前が持ってる“アレ”を使うんだ」
たぬきは弱々しく頷き、
巣穴から持ってきた
カレー爆弾 を取り出した。
🦝「……これで、闇を壊すぬ」
男が刃を構えて踏み込む直前——
ボンッ!!!
爆炎とともに天井が吹き飛び、
月光が倉庫に雪崩れ込み、闇を照らす
同時にスパイスの濃い煙が舞い上がり、
男は激しく咳き込んだ。
「ぐっ……な、なんだこの……ッ!」
かっぺぇが冷静に言い放つ。
🥒「俺らは毎日たぬきの
カレースパイス吸ってるからな。
この程度のスパイスじゃビクともしねぇ。
ここからは——“俺らのフィールド”だ」
視界を奪われ咳き込みながら男がもがく。
👤「くそっ…目が開かない…
咳が止まらない…貴様らッ!」
たぬきは立ち上がり、
特濃忘却カレーを構えた。
🦝「……これで終わりぬ!」
カレーが弧を描き、夜に決着が落ちた。
#ポケモンカード
#プレゼントキャンペーン
#MEGAドリーム
#メガドリームex December 12, 2025
354RP
恐れていたことが現実になり、その衝撃は電撃のように僕の心臓を打った。雨がテントに入り込み、とうとう僕の蔵書に達して本をずぶぬれにしてしまったんだ。救おうとしたが何冊かは間に合わず、そうした本は完全に水浸しになってしまった。僕の心は本たちと一緒に悲しみに溺れている。
12回の強制避難――炎と破壊から12回も逃げてきたが、そのたびに僕は本たちを守り抜いた。砲弾と弾丸の飛び交う中を本を運びながら移動した。
テントが今日、こんなふうに僕を裏切るなんて想像もしなかった。すごく悲しい。もう言うべき言葉も残っていない。
#ガザ翻訳
#OmarfromGaza
画像:濡れそぼった『The Civilization of the West』とコンラッドの『闇の奥』。 December 12, 2025
262RP
不気味な行方不明ホラー『シェルビー・オークス』が怖くて面白かった!!
廃墟と化した街シェルビー・オークスでライブ配信をするライリーとそのクルーが失踪。事件は未解決のまま12年の月日が流れるのだが、ある日、妹を探す姉ミアの元に1本のビデオテープが届いたことで事態は急展開を迎えるー。
暗闇の奥から何かがジッとこちらを見てる空気感がとにかく怖く、スクリーン外の出来事を想像するのが止まらない作り込まれた画作りが素晴らしい。前半はドキュメンタリータッチで何が起きるかわからないのも怖い。
深淵をのぞきこむ時、また深淵もこちらをのぞいているという言葉がピッタリな作品。失踪した妹を捜索する姉視点での謎解きも楽しめる。
送られてきたビデオテープから少しずつ炙り出されるその恐怖の正体は映画館で。オススメです。
12/12より全国公開 December 12, 2025
60RP
#赤旗日曜版 #12月7日号
権力の退廃斬る新著『#闇の奥』 ジャーナリスト #青木理 さん
高市・自維政権の「異形」
ジャーナリストの青木理さんが、退廃する権力とメディアに斬り込んだ新著『闇の奥』(河出書房新社)を出しました。自民・維新連立の高市早苗政権、メディアの状況をどう捉えているかを聞きました。
田中倫夫記者
いまの倭国の政治を見ていると、根幹の部分が一層深刻に根腐れしてはいないかと、絶望的な気持ちに陥ることが多々あります。
石破茂前首相を評価する声もあるようですが、防衛にせよ安保政策にせよ、従来の政治観でいえば「右派」に類すべき政治家です。ところが自民党と維新の会が「連立」して高市政権ができた今となっては、確かに石破氏がまともに見えてしまうことがある。
それは自維連立が「極右」の色彩を帯び、あまりに「異形」だからでしょう。「憲政史上初の女性首相」は歓迎すべきにせよ、単純に喜ぶ気にはなれるはずもなく、実際に選択的夫妻別姓制といった政策は完全に後ろ向きです。しかも連立政権合意では「スパイ防止法制定」「憲法9条改正」「緊急事態条項」「安保3文書改定」「長射程ミサイルの整備」などの言葉が並んでいる。
#日曜版電子版 はコチラ→https://t.co/NAWHhCEfqu December 12, 2025
11RP
🌙 プロローグ公開
閉店後のデパートで、美咲は“気配”の息づく静寂を感じる。
暗闇の奥で、何かが目を覚ました。
ここから全てが始まる——。
👇本編
【URL】
https://t.co/qC9lFCElkI
#小説 #カクヨム #ホラー #恋愛 #デパート七不思議 #創作 December 12, 2025
5RP
この本は…
コンラッドの<闇の奥>だ!
植民地主義、西洋の偽善。
藤永茂先生のコンゴ史を読むきっかけだった。 https://t.co/w0PpSzPmxj December 12, 2025
5RP
当家の古文書が、なぜ今日まで失われずに残ったのか。
火も水も虫もカビも戦乱もあったのに、生き延びている。
どうやら「ただの古紙」ではなく、
そこに書かれた技を守ろうとしている何かがいたらしい。
記されている作法は、単なるお祈りではない。
祈りのプロ中のプロの山伏だけが扱えた、異界のガチ技だった。
そう思うと、古文書が勝手に残ったような気さえしてくる。
修験道といえば不動明王が一番人気だが、
山伏たちが本当に頼って怖れた相手は別にいた。
ダキニ天、飯縄権現、勝軍地蔵。
人の境界を軽々と越えてくる三尊である。
三尊は、いわゆる「お願い事を叶えてくれる優しい神さま」ではない。
行者の魂魄に直接触れ、
「お前、本当にやる気あるのか」と問い詰めてくるタイプだ。
つまり手加減ゼロである。
しかも三尊に共通するのは、
戦神としてのコワイ顔を持っていることだ。
ダキニ天は「秘なる狐火」。
その光に照らされれば、心の奥の本音が丸見えになる。
嘘や見栄はその場で蒸発。
本人すら見たくない影まで出てくるので、
軽い気持ちで向き合うと痛い目を見る。
飯縄権現は「風刃の異神」。
降りた瞬間、場の空気が変わり、迷いがスパッと切れる。
つまり、意志のぐらつく人は相手にもしてくれない。
この神は意外とシビアだ。
勝軍地蔵は 死戦の境を守る地蔵。
数えきれない祈りや叫びを受け止め、
魂魄を生の側へと引き戻してきた。
死の匂いを知る者だけが、この地蔵の真の意味を理解した。
そして古文書が語る山伏の姿は、意外にワイルドだ。
彼らは山に籠るばかりの祈祷者ではなかった。
武将に呼ばれ、陣中で結界を張る戦場の職能者だった。
火を焚き、呪を放ち、符を切って霊的戦陣を築く。
その結界が破れれば軍は崩れ、
山伏は責任を取らされ、斬られることもあっただろう。
祈祷というより、ほとんど命懸けの仕事だったはずだ。
こうした秘法は現代では不要なのか。
答は、きっぱり「否」である。
現代は刀も槍も飛んでこない代わりに、
見えない戦場があちこちに広がっている。
見えない波動が押し寄せ、思念の渦が心を侵す。
他者の感情の毒、言霊の棘、空間に沈む陰の気。
スマホからは終わらない霊的ノイズ。
心の奥では影がコソコソ囁く。
ある意味、戦国時代よりよほどうるさい。
だからこそ古修験の結界は、
今も霊的防壁として実践配置が可能だ。
結界とは儀式ではなく、
魂が迷い落ちないための境界であり、
人の世界と妖の世界を区切る、目に見えないガードラインだ。
三尊は簡単には応じない。
だが、覚悟を決めた者、
波長の合った者の背後には、静かに立つ。
呼んだから来るのではない。
求めたから動くのでもない。
魂魄が三尊と波動で握手したときに、ただ現れる。
風が変わった瞬間、
闇の奥がふっとざわついた瞬間、
心がやたら澄んで見える瞬間。
あれはもしかすると、
かつて戦場を歩いた山伏と三尊が、
ちょっとこちらを覗きに来ているのかもしれない。
山伏たちが見た“境の世界は、今も私たちのすぐ隣で息をしている。 December 12, 2025
3RP
第31話 ナミの灯、影の底
――落ちていく。
ナミの身体は、声も光も届かない“黒い海”へ沈んでいた。
ジローの温もりが、遠ざかる。
リナの声も、コタロウの叫びも、
全部、暗闇の奥へ吸い込まれていく。
「……いや……私……また……」
指先から消える感覚が広がる。
胸の奥の白灯は小さく瞬き、
いまにも闇に溶けそうだった。
その海底は静かだった。
波ひとつない、深い深い影の底。
――そこで、声がした。
“戻ってこい”
“ここがおまえの居場所だ”
“灯の側にいるから苦しむんだ”
「ちが……う……」
ナミは耳を塞ごうとしたが、
その声は脳の奥へ直接響いてくる。
視界が揺れ、
黒い霧の中に“過去の景色”が浮かび上がった。
壊れた家。
泣き叫ぶ母。
影に喰われた村。
そして――
影獣に堕ちた“自分”。
牙を剥き、
人を追い、
全てを壊していった、あの頃。
ナミは震えた。
「……私は……戻りたくない……あんなの……いやだ……」
だが黒い声は、優しく微笑むように囁いた。
“大丈夫だ。おまえは壊れてもいい存在だ”
“灯に混ざれば傷つく。影の中にいれば苦しまない”
――“偽の安心”。
その言葉は甘く、
傷を撫でるように心に染みこむ。
ナミの足元はもう完全に沈み、
上の世界の光はほとんど消えていた。
「……みんな……ごめん……」
そのとき。
影海の上から、
かすかな声が降りてきた。
――ナミ!
――離すわけねぇだろ!
ジローの声だった。
はっ、と息を呑む。
見上げると、
遥か上の黒い水面に、
金色の光が揺れていた。
ジローの金灯。
届かないはずの光なのに、
確かにそこにあった。
ナミは震える手を伸ばす。
「ジロー……?」
だが影の声が笑った。
“届かない。あの光は、おまえを傷つけるだけだ”
「そんなこと……ない……!」
ナミは目を強く閉じた。
思い出した。
影獣だった自分を抱きしめてくれた温かさ。
崩壊しかけた影世界で、手を伸ばしてくれた仲間たち。
涙で顔を濡らしながら必死に呼んでくれたジロー。
「私は……影じゃない……!
みんなが……教えてくれた……!」
金色の光が少し近づく。
影海がざわりと揺れる。
ナミの胸で、弱々しかった白灯がかすかに明滅する。
――ドクン。
心臓の鼓動とともに、
白灯は影海を押し返し始めた。
「私は……まだ……!
みんなと……いたい……!」
影の声が怒り狂う。
“ならば苦しめ――!”
影海が渦を巻き、
ナミの身体を完全に飲み込もうと迫る。
だがその瞬間。
上から、ジローの金灯が
まるで“道”を切り開くように影海を裂いた。
眩い金光。
ナミの白灯が呼応して震える。
影海の底に、
一条の光の道が伸びてくる。
ジローの声が、はっきり聞こえた。
――ナミ!! 帰ってこい!!
ナミの瞳に一気に涙が溢れた。
そして――
白灯が一気に膨れ上がる。
影海が弾け、
暗闇が後退し、
白い光が全身を包む。
「……行く……!
みんなのところへ……戻る!!」
白灯と金灯が交わり、
影海が崩れ始めた。
ナミが光に包まれて浮かび上がる瞬間――
影核の奥から、新たな影の声が響いた。
“愚か……灯は必ず喰われる……”
その声は
虚月に似ていて、
朧鬼のものではなかった。
ナミは恐怖に震えたが、
それ以上に光が強かった。
上の世界へ――
ジローの手の方へ。
そして光が弾けた。
ナミは影海から引き上げられ――
第31話、ここで幕。 December 12, 2025
2RP
#赤旗日曜版 の青木理氏のインタビュー記事を読み #闇の奥 読了
ファクトを掘り起こす調査報道で権力の闇の奥を照らすことこそメディアの役割だ。赤旗や西倭国新聞や中国新聞などはまさに希望だ https://t.co/t64XTgp2fl December 12, 2025
1RP
人間椅子高松、何度も何度も格好良さが極まるから驚嘆の連続でした。アニキの佇まいも鈴木さんの花形役者ぶりも和嶋さんの何も見ていない漆黒の瞳の闇の奥も、何もかもが現れては消え現れては消え、今夜の高松オリーブホール、人間椅子の流星群でした。美しかったな。荘厳でした。 December 12, 2025
1RP
あの日から
いつも夢を見ていた
季節のホームに
今日も立ち尽くして
待ち人の姿の
宛てもないのに
君が来ない
電車を待っている
あと何度の
朝が癒してくれるのか
嫌いでなかった
長い夜の静寂が溜まり
あの息苦しい
呪いの病みが棲みついて
今夜も俺を
闇の奥深くへと連れていく↓ December 12, 2025
1RP
https://t.co/j8wg3FtA88
おすすめのアレンジこれ
美しい闇の奥底へ向かうように深く深くへ進んでいく感じがして好き https://t.co/U3WPckdtOF December 12, 2025
1RP
世界史選択者好きな本
我が闘争(ヒトラー)
古代への熱望(シュリーマン)
ツァラトゥストラはかく語りき(ニーチェ)
罪と罰(ドストエフスキー)
デカメロン(ボッカチオ)
イリアス、オデュッセイア(ホメロス)
ドン・キホーテ(セルバンテス)
ガリヴァー旅行記(スウィフト)
闇の奥(コンラッド)
西部戦線異状なし(レマルク)
方法序説(デカルト)
千夜一夜物語・シンドバッドの冒険
兵法(孫子)
ユートピア(トマス・モア)
ハムレット(シェークスピア)
ガリア戦記(カエサル)
対比列伝(英雄伝)(プルタルコス)
ギルガメッシュ叙事詩
抜け・間違えもあると思うけどこんな感じ
全部まともに読んでない何となく内容しか知らないのもある。古代への熱望は特に好き December 12, 2025
ユートピア野間店
コミック部門ベスト10
[12/5~12/11]
今週の一位は「ザ・ファブル The third secret③」でした。無敵の殺し屋兄さん“引退&隠遁”伝説、第3部!!
誰も知らない泉の底へーー、沈み込めた“秘密”があった‥‥。誰にも言えない闇の奥でーー、息を殺した“秘密”があったーー。 https://t.co/CK2geBlXEb December 12, 2025
◆第10章
「地下回廊の影で、真実が姿を現す」
オレグに抱き寄せられ、
私は半ば倒れ込むようにして
地下通路の階段を駆け下りた。
背後ではドゥミトロが最後尾を守りながら
銃撃の応酬を繰り返している。
乾いた衝撃音。
金属が跳ねるような火花。
そして敵の怒号。
すべてが遠ざかる中、
私は胸の奥に鋭い痛みを抱えていた。
──どうして、彼が裏切ったの?
一週間前まで一緒に笑っていた人が、
冷たい目で私に銃口を向けた。
その映像が何度も脳裏を巡り、
呼吸が乱れた。
「藤村、こっちだ」
オレグが私を引き寄せる。
暗い通路の中、
彼の声だけが確かな場所へ
私を導いてくれた。
階段を降り切ると、
そこは第二次大戦期に作られた
古い地下防空壕につながる通路だった。
湿った空気がまとわりつき、
壁には剥がれた配線と
黄ばんだ注意書きが貼られている。
足元には古いレールの跡。
この地下には
かつて脱出用のトロッコが走っていたらしい。
「ここなら簡単には追ってこられない」
ドゥミトロが荒い息を整えながら言う。
私は震える手を胸に当てた。
「さっきの……彼は……どうして……」
言葉が最後まで出ない。
自分でも驚くほど声が弱くて、
ひどく情けなかった。
オレグは私の肩に手を置き、
少しだけ目を伏せて言った。
「藤村。
裏切り者は、一人じゃないかもしれない」
「え……?」
「今回の作戦は
外部に漏れるはずがなかった。
だが敵は、的確に俺たちのルートを待ち伏せしていた。
誰かが情報を流している」
内臓が冷たい手で掴まれたような感覚が走る。
「……そんな……」
するとドゥミトロが言葉を継いだ。
「そしてな、藤村。
君を狙ったのは偶然ではない」
「?」
「狙いは……君だ」
私は立ち止まった。
「どういう……こと?」
ドゥミトロは暗い通路に目を凝らしながら
慎重に言葉を紡いだ。
「流出した文書──
アメリカの“Make Europe Great Again”構想。
あれを最初に察知したのは誰だった?」
「……私」
「そうだ。
藤村、君はあの計画の核心に触れた。
そして……その情報源の一部を
偶然にも繋ぎ合わせてしまった」
「でも、私はただ……
指示された資料を読んで……」
「藤村」
オレグが低く呼んだ。
彼の声は真剣で、
それでいてどこか痛みを含んでいた。
「君は“狙われる側”に立つほど
重要な人物になってしまったんだ」
胸が締めつけられた。
私はそんなつもりじゃなかった。
ただ仕事をしていただけで……
ただ真実を知りたかっただけで……
なのに。
世界の巨大な力が動いている中で、
私は知らない間に
その中心近くまで踏み込んでしまった。
ドゥミトロが続けた。
「政府内にも、
アメリカ派、EU派、そして“第三勢力”がいる。
今夜お前を撃とうとしたあの男は、
おそらく──第三勢力側だ」
「第三勢力……?」
「アメリカでもEUでもない。
ロシアでもない。
もっと別の“再編の波”に乗ろうとしている連中だ」
その言い方には、
言葉にできないほどの重さがあった。
私は喉が乾くのを感じた。
「私……どうなるの?」
問いというより、
震える心が漏れ出た声だった。
オレグは少し息を吸い、
私の手をそっと取った。
「守る。何があっても」
その言葉は、
暗闇の中でもはっきりと温かかった。
「君が見たもの、知ったこと、
そして君自身が生きていることが……
この国にとって希望になる。
だから絶対に守る」
胸が熱くなり、
涙がにじみそうになった。
でも、その瞬間。
通路の奥から
コツ……コツ……と規則的な足音が響いた。
暗闇の向こう。
誰かが、こちらへ歩いてくる。
ドゥミトロが銃を構える。
オレグも私を背中へ押しやり、
敵への最短射線を取る。
私は息を止めた。
足音は一つ。
ゆっくり、ゆっくり近づいてくる。
その歩調は焦りもなく、
まるで自分の訪れを
あらかじめ知られているかのような
妙な落ち着きをまとっていた。
「誰だ……!」
ドゥミトロが叫ぶ。
足音が止まる。
闇の奥で、
低く落ち着いた声が答えた。
「撃つな。味方だ」
だがその声を聞いた瞬間、
オレグの表情が険しく変わった。
そして小さく、私だけに囁いた。
「……藤村。
心の準備をしておけ」
「え……?」
足音の主が、
暗闇から姿を現した。
その顔を見た途端、
私は息を飲んだ。
まさか──
どうしてここに?
その人物は、
私の名を静かに呼んだ。
「藤村さん。
探しましたよ」
光の中に現れたのは、
──倭国大使館の副領事だった。 December 12, 2025
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