歴史を学ぶと「新説」を知ることに快感を覚え、それを周りの人に自慢したくなったり、古い説を発信している人に対してマウントを取ってしまうことがあります。

新しい説を知る、常に知識をアップデートすることは素晴らしいことです。

でも意識したいのは「なぜ新しい説が唱えられるようになったのか」という過程の部分。

そこには
・先人たちの疑問点
・疑問解消に向けた研究活動
・旧説を更新する緻密な論理構成

さながらミステリー小説を読むかのような謎解き要素とただ知りたいという欲求で動く狂気に満ちたアカデミアの世界、その中で自説を戦わせる熱い研究者の姿、何より「歴史を学ぶ」ことの本当の楽しさがそこには詰まっています。

一般人がこの世界にアクセスしようとするのはとてつもなく負荷があり、ただ書籍を読むだけでなく論文や「研究史」を知るという一段高い営みが必要になります。

ここまでくると研究者の卵に近づいて行ってしまうのですが、逆に自分が新設でマウントを取りそうになった時、その研究の歴史に思いを馳せることでほんのちょっとだけ謙虚な気持ちになれます。

ちなみに「足利尊氏は逆賊である」という説はもう古い説になります。

最近は「後醍醐の天ちゃんが現出させた混沌の世界をなんとか収めようと悪戦苦闘した稀代の英雄で菩薩のような慈悲深い心を持ったスーパーイケメン武将」というのが通説です。

逆賊扱いする人には容赦なくマウントをとらせていただきます。 December 12, 2025