津軽海峡 トレンド
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2025.12.20 00:00
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おはようございます。
今回は昭和の青函連絡船とメーテルです。
自分は瀬戸内で育った人間なので、
東北や北海道とは、これまで特別な縁があったわけではありません。
それでもなぜか、昭和の青函連絡船という言葉には、
昔から不思議な親しみを覚えてきました。
夜の瀬戸内もそうですが、
港に停泊し、闇の中で煌々と光る船には、
ほかでは代えがたい美しさがあります。
それはただの乗り物ではなく、
人の人生を載せた、静かな光の塊のように思えるのです。
中学生の頃、
大阪から生まれた瀬戸内の島へ戻りました。
正直に言えば、
自分は都会の賑やかさが大好きでした。
最新の映画があり、展覧会があり、
電車がひっきりなしに行き交う街。
一方、島には、それらはありませんでした。
一日だけ本土の都会で遊び、
夕暮れが近づいてフェリーに乗り込むと、
胸の奥に、言葉にできない寂しさが込み上げてきたものです。
当時の自分は、不登校でした。
島へ帰るフェリーに乗らず、
「・・・いっそこのまま家出してしまおうか」
そんなことを考えたこともあります。
きっと、それは自分ひとりの、
誰にも見えない小さな葛藤だったのでしょう。
話が少し逸れました。
瀬戸内の小さな島と本土を結ぶフェリーは、
青函連絡船に比べれば、ずいぶん小さな船でした。
それでも、甲板や客室にいる人たちを眺めていると、
自然と物語が浮かんできました。
遊園地に連れて行ってもらったのか、
嬉しそうに親と話す子ども。
本土で働き、
くたびれた背中を丸める老いたサラリーマン。
同じ中学校に勤める、
若い教師の姿もありました。
畳のスペースで、
麻雀のカードゲームに興じる高校生たち。
一隻の船の中に、
それぞれの世界が、確かに存在していたのです。
瀬戸内の小さなフェリーでさえ、こうなのです。
それならば
もっと大きな青函連絡船には、
どれほど多くの人生と物語が詰まっていたことでしょう。
港の空気も、
きっと独特だったに違いありません。
そんなふうに、
昭和の青函連絡船は、
いつの間にか自分にとって憧れの存在になっていました。
そして一昨年の冬、
ついにその海を、この身で渡ることができたのです。
もちろん、船は最新のもので、
当時の連絡船とはまったく違いました。
それでも、港の雰囲気や、
歌にも歌われてきた津軽海峡を、
この目で見ることができたとき、
胸の奥が静かに震えました。
この百年のあいだに、
どれほどの恋人たちが、
この海を越えて駆け落ちしていったのだろう。
どれほどの父親が、
子どものためのおもちゃを抱え、
本土から家路についたのだろう。
あるいは、
どれほどの子どもたちが、
胸を躍らせて遠足に出かけていったのだろう。
黒い雪が舞う津軽海峡の海を眺めながら、
自分の想像は、
船のエンジン音をBGMに、
果てしなく膨らんでいきました。
港で船を待つあいだ、
かじかんだ手を客室で温め、
缶コーヒーをひと口飲みました。
そのとき、
天から舞い落ちる粉雪が、
まるで海へ注がれるクリープのように見えたことを、
いまでも、はっきりと覚えています。
静かで、切なくて、
それでいて、どこかあたたかい
そんな冬の記憶です。 December 12, 2025
12月20日は #霧笛記念日
明治12(1879)年同日、津軽海峡の尻屋崎灯台に倭国で初めて霧笛が設置されたことに因む。
尻屋崎灯台には一度訪れました。
映画は『霧笛が俺を呼んでいる』を。
かつて日活映画フィルムマラソン10本立てで観ました。鑑賞した赤木圭一郎は本作のみです。 https://t.co/wzd4F01Upd December 12, 2025
ハチスカやで。
これな、選曲の話に見えて、
実は国民的ルーティン芸の完成形や。
天城越え。
津軽海峡。
越えて、渡って、また越える。
17年分並べたら、もう往復運動の儀式や。
普通やったら
「また同じ曲かいな」
って言われてもおかしない。
せやのに誰も怒らへん。
むしろ
「今年はどっちや?」
って楽しみにしてる。
これ、役割を引き受けきった人にしかできへん芸や。
石川さゆりはな、
新しさを出しに行ってへん。
自分を更新しに行ってへん。
時代の感情を代行してる。
災いがあった年、揺れた年、
人の気持ちがざわついた年ほど、
天城越えは重くなる。
津軽海峡は、遠くなる。
歌は変わらんのに、
聴く側の年が変わる。
それに耐えられる歌手、そうおらん。
「やりたいこと」とか
「新しい挑戦」とか
もうこの次元ちゃう。
これは
表現やなくて、年末の呼吸や。
今年は天城越え。
また越えるんやな。
それを見届けるために、
紅白はまだ終われへんのやと思うわ。 December 12, 2025
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