にちかちゃんはさ

田舎のネズミと都会のネズミ　

どっちがいい？

うん　そう　
ネズミ

……え
ホームセンターに行くの？

殺鼠剤？

ううん　にちかちゃん

うちにネズミが出たわけじゃないの
大丈夫　慌てないで

任せてくださいじゃなくてね

うん　うん

そうなんだ　アルバイトで
すごいね　にちかちゃん

でも大丈夫だから

イソップ寓話でね

都会のネズミは美味しいものをたくさん食べられるけど
人に怯えて暮らさなくちゃいけなくて

……プロデューサーに電話？

ううん　事務所に出たわけでもないの

落ち着いて　にちかちゃん

大丈夫　本当にネズミが出たわけじゃないの
たとえ話だから

専門業者の電話番号？
知らないかな　

大丈夫　必要ないから

どうしたのにちかちゃん　

そっちはトイレだけど
台所はそっち

……マグネット？
ううん　冷蔵庫にも貼ってないと思う
あれ、水道工事の以外の見たことないから

さっきの話の続きね

都会のネズミは美味しいものをたくさん食べられるけど
人に怯えて暮らさなくちゃいけなくて
田舎のネズミは

一旦座ろうか　にちかちゃん

電話番号調べなくてもいいから

にちかちゃん

冷蔵庫開けないで　にちかちゃん　
中にマグネットは貼ってないから

もし中にマグネットを貼っていたら
それって変でしょう？

うん　
うん

空っぽだけど

ううん　ネズミに食べられたわけじゃないの
元々だから

そう　元々

冷蔵庫買ったときの話じゃなくて

冷蔵庫買ったときに物が入ってなかったのは当たり前じゃないですか、じゃなくて

逆に驚くんじゃない
冷蔵庫買ったときに食べ物が入ってたら
怖くて食べられないと思う

え？

うん　多分、怖くて食べられないな

うん　うん
ちょっと無理かな

うん　ポン酢をつけても無理

そうなんだ　アルバイトで
へえ
すごいね　にちかちゃん

でもそうじゃなくてネズミの話ね

都会のネズミは美味しいものをたくさん食べられるけど
人に怯えて暮らさなくちゃいけなくて
田舎のネズミは

私？　

私は都会のネズミが好き

そう　それで田舎のネズミはね

お腹？

お腹は空いてないかな

あのね　にちかちゃん　違う

全然違う

美味しいものがたくさん食べられる都会のネズミが羨ましいってことが言いたいわけじゃないから

私は美味しいものは食べてるから

うん　そうだね

にちかちゃんに作ってもらったこの前の筑前煮
すごく美味しかったから

うん　うん　
そうだね　またいただくね

え？

……お風呂で？
あれってお風呂でつくったの？

風呂釜レシピ？

ごめんね　聞いたことがないかな

にちかちゃん？　どうしたの？

……うちでもできる？
ううん　遠慮しておくね

うん　だからそっちはトイレね
とにかく遠慮しておくね

違うの　にちかちゃん
遠慮しないでくださいじゃなくて

だって……不衛生じゃない？

いやこれはネズミの話じゃなくて

風呂釜で作る筑前煮の話

うん　うん
料理研究家の人が言ってたんだ

知らないかな

誰？

ううん　ちゃんと美味しかった
ちゃんと美味しかったんだけど
ちょっと不衛生かなって

うん　うん

うん　ポン酢をつけても無理かな

そうなんだ
ポン酢ってそんなにすごいんだね

うん　知らなかった　
信じてたんだね　そうなんだ　残念だったね

にちかちゃん　一回ネズミの話してもいいかな

うん　

うん

そうなんだ　アルバイトで

そういうのがあるんだね　今は

うん

プラスチック爆弾のプラスチックの部分を作る仕事？

すごいね　にちかちゃん
プラスチック爆弾ってそういう風にできてるんだね

そうなんだ　途中で取れるんだね
スペースシャトルみたいな感じなんだ

でも今はネズミの話がしたいかな

うん　うん

田舎のプラスチック爆弾と都会のプラスチック爆弾？

どっちも嫌い

え？

強いて言うなら？

……田舎のプラスチック爆弾かな

うん

田舎のプラスチック爆弾の方が被害が少ないから

うん　うん

いや田舎の人たちの命を蔑ろにしてるわけじゃないから
強いて言うならっていう条件だったから

うん、だからにちかちゃんにそれを言う権利はないと思う
言ってなかったけど、まずプラスチック爆弾を作るのはやめた方がいいから

うん　はい　はい　何？

もし都会にプラスチック爆弾があっても、都会のネズミの方が好きかって？

わからない

それはもうよくわからないな

考えたことがないから

そうなんだ　思考停止っていうんだ
都会の地下にはプラスチック爆弾がいっぱい埋まってるの？

うん　うん　

だから地下鉄の駅を繋ぐと曼珠沙華の形になるの？
そうなんだ　知らなかったな　

ネズミが　へえ

にちかちゃんは詳しいね
うん　アルバイトで　そうなんだ

でもそれもうアルバイトじゃないよね
そうなんだ　半正規雇用で
最近はそういうのがあるんだね

ごめんね　こんな話をするつもりじゃなかったんだけど

私これからレッスンに行くね
うん　今日はソロでやりたい気分かな

うん　はい　鍵は戻しておいてね

それじゃあね December 12, 2025

『2025年9月時点で、非正規雇用者を中心とするアンダークラスの平均年収は約216万円で、倭国の就業人口の約7人に1人（13.9％）が該当』

■背景「中流消滅」と新しい階級構造

早稲田大学の社会学者・橋本健二教授は、著書『新しい階級社会』で、現代倭国を以下の5つの階級に分類しています：

1. 資本家階級（企業経営者など）
2. 新中間階級（専門職・管理職）
3. 旧中間階級（自営業者など）
4. 労働者階級（正規雇用の一般労働者）
5. アンダークラス（非正規雇用者、パート主婦を除く）

このうち、アンダークラスは「現代倭国の最下層」とされ、かつての「一億総中流」幻想が崩れた象徴的存在です。

■アンダークラスの実態（2025年時点）

・平均年収：216万円
・就業人口に占める割合：13.9％（約890万人）
・貧困率：37.2％
・結婚率・出生率：極端に低い
・政治的関心・参加：著しく低い（「ブラックホール化」）

橋本教授はこの層を「働いても生活の再生産が困難で、将来どころか現在を生き抜くことさえ難しい」と表現しています。

■社会的影響と課題

・階級間格差の固定化：教育・雇用・結婚・健康など、あらゆる面で格差が再生産されている。
・政治的疎外：アンダークラスは政治的関心が薄く、社会的発言力が弱いため、政策からも取り残されやすい。
・中流の縮小：かつて中流とされた層が下方に流れ込み、「中流消滅」が進行中。

■橋本教授の提言

・単なる再分配ではなく、構造的な改革が必要。
・階級の再生産を断ち切るためには、教育・雇用制度の抜本的見直しが不可欠。
・「自己責任」論ではなく、社会的連帯と制度設計による支援が求められる。 December 12, 2025

娘が働く職場、病欠で仕事に来ない医療従事者が多すぎて悲鳴をあげてる。正規雇用の看護師が足りなくなると看護師が派遣会社から来る。でも時給が高くて何度も頼めない。大した病気じゃなくても休む看護師が多いのはスイスらしいなあ。3日以内だったら普通に給与出るからね。倭国じゃそうはいかない。 December 12, 2025

他人にアウトプットする中でしっくり来たが、「大卒資格と正規雇用にこだわりがない・正社員として責任を負いながら仕事するのは無理・本を読んだりペンを動かしたりという意味で勉強ができない」という3つが大きな欠点として自分の中にあり、就活もしない卒論も書かないという地獄に陥っている感じだ December 12, 2025