教師の日 トレンド
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2025.12.15 14:00
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小学校では鉛筆を使わせる✏️
「先生、シャーペン詰まりました」
「先生、芯持ってる人いませんか?」
「カチカチカチカチ…(無限ノック音)」
正直に言います。
小学校、特に低・中学年で「鉛筆」を強く推奨するのは、単なる「古臭い慣習」でも「先生の支配欲」でもありません。
子どもたちの『脳』と『集中力の防衛』のためです。
なぜ、あえてアナログな鉛筆なのか。
現場で日々1〜6年生を見ている私の視点と、少し専門的な話をさせてください。
① 「0.5mm」の壁と脳へのフィードバック
シャーペンは常に0.5mmの均一な線しか書けません。しかも構造上、紙の上をツルツル滑ります。
対して鉛筆は、削り方や角度で線の太さが変わり、紙に食い込む適度な「摩擦(抵抗)」があります。
実はこの「抵抗感」が重要なんです。
文字を書く時、指先から伝わる「ザラザラ」という振動が脳の前頭前野を刺激し、記憶の定着を助けるという説があります。
特に漢字の「とめ・はね・はらい」。
シャーペンだと滑って流れてしまう部分が、鉛筆だとしっかりブレーキがかかる。
「ここで止める!」という指先の微細な感覚(運筆能力)は、とても大切です。
② 「思考の分断」という最大の敵
これが現場では一番切実です。
以前、こんな子がいました。
高機能な「振ると芯が出るシャーペン」を買ってもらって嬉しそうな男の子。
でも授業中、彼は問題を解くことよりも、シャーペンを振ることに夢中でした。
さらに悪いことに、筆圧の調整がまだ未熟なので、ポキポキ芯が折れる。
そのたびに、彼の思考はプツンと切れます。
「芯が折れた」→「ノックする」→「書く」
この数秒のロス。大人は気にならないかもしれませんが、学習途上の子どもにとって、一度切れた集中力を再点火するのは至難の業です。
さらに、分解してバネを飛ばして大捜索…なんてことになれば、クラス全員の時間が奪われます。
その子に、ある日こっそり短くなった鉛筆を渡しました。
「騙されたと思って、今日の漢字ドリルはこれでやってごらん」
最初は不満そうでしたが、驚くことに、彼の字が劇的に変わりました。
濃く、力強い字。
「なんか、書きやすいかも…」
芯を気にする必要がないから、純粋に「文字の形」だけに集中できたんです。
③ 想定される反論
もちろん、こういう話をすると
「今は令和だぞ、いつまで昭和の教育をしてるんだ」
「道具くらい自由に選ばせろ」
「大人だってシャーペン使うだろ」
というお叱りを受けることもあります。
おっしゃる通りです。道具は進化しています。
でも、「発達段階」は飛び級できません。
プロの野球選手が自分に合ったバットを選ぶように、学習者である子どもにも「今の身体機能に合った道具」があります。
指先の筋力、筆圧のコントロール、集中力の持続時間。
これらが発達途中の段階では、シャーペンはまだ「扱いが難しすぎる道具」なんです。
高学年になって、筆圧コントロールが自在になり、自分の集中力を管理できるようになったら、シャーペン解禁で全く問題ありません。
ただ、基礎を作る段階では、
「メンテナンスフリー」で「脳に直結する」鉛筆というデバイスが今のところ最強の学習ツールだということを、どうしても伝えたかったのです。
もしお子さんが「シャーペンがいい!」と言い出したら、
「ダメ!」と頭ごなしに否定するのではなく、
「鉛筆の方が、実は頭が良くなる魔法の杖なんだよ」
と、この話を少しだけしてあげてください。
現場からは以上です。
それから、「授業が楽しければシャーペンの分解などしない」「授業が楽しければ集中が途切れない」という論はただの「傲慢」です。
#教育 #子育て #小学校 #教師の日常 #ファントム先生 #いろいろなシャーペンあることくらい知ってるわタコ December 12, 2025
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