戦場ヶ原 おでかけ

戦場ヶ原(せんじょうがはら)は、栃木県日光市の日光国立公園内に位置している400ヘクタールの湿原である。標高約1,390から1,400メートルの平坦地に広がる。その東側を(南から順に)男体山、太郎山、山王帽子山、三岳およびその山麓に囲まれ、西側は(南から順に)小田代ヶ原、外山に面する。地内西縁部にはほぼ南北方向に湯川が流れる。 もともと約2万年前の男体山の噴火で湯川が堰き止められた堰止湖(古戦場ヶ原湖)であったが、その上に土砂や火山の噴出物が積もり、そこに植物が生え、冷涼な気候下であるため泥炭化して湿原となった。この湯川に並行するように、赤沼と湯滝の間に戦場ヶ原自然研究路が設置され木道が整備されている。 東辺には湿原を貫通して国道120号が通り、その沿線に設置された赤沼自然情報センター、レストハウス三本松茶屋のほか、竜頭の滝、湯滝などが戦場ヶ原ハイキングの拠点となっている。このうち三本松には展望台が設置されており、戦場ヶ原を東側から展望できる。また西縁の湯川沿いの自然研究路にも展望台が数箇所備えら、戦場ヶ原を西側から展望できる。四季折々の自然を楽しもうとするハイカーで一年を通して賑わう。 戦場ヶ原を縦断する国道120号を挟んで北側は草原化しており高地栽培、山上げ栽培の農地として利用されている。イチゴ、カランコエに加えて、シャコバサボテンとアッツザクラなどが山上げ栽培されている。 戦場ヶ原で行われる山上げ栽培とは農業手法の一種であり、育苗の際、温暖地で出芽し育てた苗を短期間だけ高原などの冷涼地に山上げして育て、それを再度温暖地に戻すことで苗の早生を刺激する。これにより短期間での農業収穫が期待されるが、高原での育苗には霜など変わり易い自然環境に伴う被害のリスクを伴うため、これを回避する高い農業技術、知識、労力が必要となっている。 比較的早い時期に倭国、特に栃木県で行われていた山上げ栽培にイチゴがある。現在、栃木県は生産高倭国一のイチゴ県であるが、これが根付いたのも山上げ栽培の成功に拠るものと云える。従来、イチゴは初夏の果物で、その出荷時期は5月頃であったが、当時の早生種のイチゴを戦場ヶ原で山上げ栽培することによりクリスマスシーズンに市場に出回る日光いちごが重宝された。その後、イチゴの早生種の品種改良などで戦場ヶ原での山上げ栽培は減少した。 現在、山上げ栽培は観賞用植物で盛んに行われている。
戦場ヶ原」 (2024/9/18 17:07) Wikipedia倭国語版より
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