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息切れ
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2025.12.17 04:00
:0% :0% ( 20代 / 男性 )
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失業率4.6%、息切れ状態の労働市場
雇用者数は +6.4万人増、失業率は 4.6%。
数字上は少し変化したように見えるが、4月以降ほとんど何も変わっていないことが、実は最大のポイントだ。
これはBLS(米労働統計局)が「雇用エンジンは加速を終え、今はアイドリング状態に入った」と伝えているに等しい。
数字もそれを裏付けている。
直近3カ月平均は +2.2万人。
これは「強靭な労働市場」ではない。
ほぼ失速寸前の速度であり、政策・信用・エネルギー・地政学といった、ほぼどんなショックでも均衡が崩れ得る水準だ。
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本当の弱さはどこにあるのか
景気後退シグナルは派手ではない。
地味な統計表の中に埋もれている。
•不完全就業が急増
非自発的パートタイム就労者が 90万人増の550万人。
企業は人員削減の前に、まず労働時間を削る。
•新規失業が増加
失業期間5週間未満が 31.6万人増の240万人。
レイオフや短期契約終了の初期サイン。
•長期失業は高止まり
190万人、失業者全体の約 24%。
•U-6失業率は8.7%
危機水準ではないが、もはや「タイト」とは言えない。
•モノ関連セクターの弱さはいつもの場所に
製造業は軟調、派遣労働は縮小。
輸送・倉庫業は 2月以降で7.8万人減。これは実需の明確なシグナルだ。
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雇用が増えている分野の正体
増えている雇用は防御的なものだ。
•医療 +4.6万人
•建設 +2.8万人
•社会支援 +1.8万人
悪い話ではないが、循環的で幅広い成長とは言えない。
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もう一つの静かな兆候
複数の仕事を掛け持ちする人は950万人(5.8%)。
単独で見れば問題ない数字だが、非自発的パートタイムの急増と組み合わせると、家計が収入の穴埋めをしている姿に見える。
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人を惑わせる「良いデータ」
今月の数字は、測定上の事情に助けられている。
•家計調査のノイズ
10月は未回収、11月の回答率は64%。
ウェイト調整により、実質的に「2カ月分」を反映。
小さな失業率変化に過信は禁物。
•雇用統計の霧
推定誤差は約 ±13.6万人。
+6.4万人増は統計的に有意ではない。
•定義がストレスをぼかす
1時間でも賃金が出れば「雇用」。
有給休暇、解雇手当、短期不在も雇用扱い。
本当のストレスはまず労働時間、パート化、入れ替わりに表れる。
•修正値は弱含み(合計で約 -3.3万人)
•今後のモデル変更
2026年1月に出生・死亡モデル更新、2025年には産業分類変更。
転換点で過去比較がさらに難しくなる。
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マクロ環境と重なる圧力
視野を広げると、労働減速はバランスシートの圧力と衝突している。
FRBは2025年に すでに3回利下げ(3.50〜3.75%)。
これは強さではなく、ストレスの兆候によるものだ。
さらに控えるのは巨大な借り換えの壁:
•2026年に満期を迎える政府債務:9〜10兆ドル
•商業用不動産(CRE)ローン:1.5〜1.8兆ドル
•全米オフィス空室率 18.6%(利用可能率は 22.8% に達する地域も)
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家計と企業にも亀裂
•自動車ローン延滞率 約5%(サブプライム 6.6%)
•クレジットカード重度延滞 7%
•学生ローン 9.4% が90日以上延滞、期日通り返済は33%のみ
•企業破綻 過去1年で2.4万件超
•2025年の人員削減:117万人
•失業保険申請はじわり上昇
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私の見立て
この経済は高度を失いつつある。
雇用は狭く、労働時間は削られ、派遣は縮小、
モノ関連セクターは弱く、不完全就業は増え、信用ストレスは拡大中。
賃金はまだ保たれているが、それは常に利益率が壊れる直前まで続く。
弱さが封じ込められれば、低成長・ディスインフレの消耗戦になるだろう。
だが、不完全就業が定着し、失業率がじわじわ上昇し、借り換え圧力が積み上がれば——
典型的な景気後退の始まり方になる。
静かに、徐々に、
そして――一気に。 December 12, 2025
痛みや息切れ、鍛錬と成長の困難さ、現実というものの容易ならざる厳粛さ。
ロボットものはそうしたものを回避しちゃうし、回避することによって物語になるんだよね。
漫画もアニメも格ゲーも好きなんだけど、ロボットものだけはしっくりこない理由はそこら辺。 https://t.co/VKyTCWqxXO December 12, 2025
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