ファミリーにも大人気、串カツ田中、社長が一身上の都合で電撃辞任。

串カツ田中、創業者が社長復帰。

坂本社長は「一身上の都合」で退任。わずか3年半だった。

面白いのは業績だ。直近3Qは純利益2倍、売上27%増、進捗率92%で過去最高ペース。普通、業績絶好調なら社長続投だろう。なのに辞める。「一身上の都合」という言葉の裏に何があるのか、考えたくなる。

飲食業界にはこんな都市伝説がある。「創業オーナーは、一度引いても必ず戻ってくる」。

パターンは決まっている。「そろそろ次世代へ」と言ってプロ経営者を招く。数年は任せる。でも何かが起きる。社長は「一身上の都合」で去り、最後は創業者が「やっぱり俺がやる」と戻ってくる。

クックパッド、大戸屋、LIXIL、そして今回の串カツ田中。みんな同じ道を辿っている。

坂本氏は元公認会計士。CFOとして上場を成功させた功労者だ。貫氏から「1000店舗を目指すには財務のプロが必要」と請われて社長になった。その人がなぜ辞めるのか。

開示資料にはこうある。「2名体制から1名体制へ移行し、経営を集中させる」。要するに「船頭は一人でいい」ということだ。

結局、オーナー企業の社長は「借り物」なのかもしれない。どれだけ実績を出しても、創業者が「戻る」と言えばそれまで。倭国企業のサクセッション問題は根深い。 December 12, 2025