堀井雄二さんっていたずら好きですよね。ドラクエでは王道を目指したと言うけれど、ドラクエ2まではCRPGの「王道」が何かわからない時代でしたから、場合によっては現在の「王道」が別のものになっていた可能性があると思います。 https://t.co/6IAmT3pDWP December 12, 2025

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【すぎやまこういち】ドラクエ音楽の生みの親｜大人になるな。貧乏で夢を諦めた男が54歳で逆転、84歳でギネス記録を取った5分の掟
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杉山光一の人生とドラゴンクエストの音楽

🔳少年期とクラシック音楽との出会い
終戦直後の極貧と壊血病で死にかけていた14歳のとき、父が家財を手放してまで買ってきたベートーヴェンのレコードと楽譜が杉山少年を救い、独学でスコアを読み低音部を自分の声で補いながら「和声のしくみ」を体で覚え、音楽で生きたいという夢が芽生えていく。

🔳ピアノがなく音大を断念し東大へ進学
家にピアノもお金もなく音大の実技試験を受けられず、指揮者も難しいと言われた杉山は、学費の安さから東京大学を選ぶ。「本当は音大に行きたかったが、金がないから仕方なく東大」という逆転の選択で教育心理学を学びつつ、授業そっちのけでオーケストラや作曲に打ち込んだ。

🔳テレビ局時代とヒット曲作家としての成功
文化放送・フジテレビでディレクターとなり、クレイジーキャッツの「大人の漫画」や「ザ・ヒットパレード」などを企画しつつ、副業でCMソングや歌謡曲を多数作曲。サロンパス、バーモントカレー、タイガース「花の首飾り」など大ヒットを連発するが、流行りの消費される音楽にどこか物足りなさを感じ続けていた。

🔳ゲーム好きが縁となったドラクエとの出会い
将棋ゲームのアンケートはがきがきっかけでエニックスから依頼を受け、堀井雄二・中村光一・鳥山明ら若き開発陣と出会う。ゲーム好きであることを語るうちに警戒心は解け、「勇者とは決して諦めない人」という堀井の言葉に触発されて、54歳にして新たなフィールド「ゲーム音楽」に挑戦することを決めた。

🔳5分と54年で生まれた序曲ロトのテーマ
ドラクエのオープニング曲は、ペンを持った瞬間にファンファーレと行進曲が一気に湧き上がり、5分ほどで書き上がった。しかし杉山はそれを「5分ではなく、14歳からの54年間すべてが詰まった曲」と語る。竹針の蓄音機、独学の日々、遠回りのキャリアが一本のメロディに凝縮されたと捉えていた。

🔳3音源制約と「聴き飽きない音楽」の哲学
同時発音3音というファミコンの厳しい制約を、杉山はむしろ「俳句のように本質だけを残す作業」と前向きに捉える。フィールド、城、ダンジョン、戦闘など全ての曲に、何百回聴いても飽きないクラシック系の書法を用い、中世ヨーロッパ風世界観に合わせつつ、100年後も聴かれることを目指して作曲した。

🔳勇者すぎやんとしてのゲーマー人生
杉山は全シリーズを自分でエンディングまでプレイし、ドラクエ4全員レベル99、ドラクエ9で170時間遊ぶなど筋金入りのゲーマーでもあった。主人公名を「スギヤン」「スギマロ」と付け、開発陣からは「勇者すぎやん」と呼ばれる存在に。ゲーム内の強敵に挑み続ける姿勢は、自身の人生観とも重なっていた。

🔳晩年のギネス記録と東京五輪での快挙
84歳で「世界最高齢のゲーム音楽作曲家」としてギネス認定され、ファミリークラシックコンサートではサプライズで表彰される。さらに2021年東京五輪開会式では「序曲：ロトのテーマ」が各国選手団の入場曲として流れ、35年かけて育まれたゲーム音楽が世界的な舞台で鳴り響くという象徴的な瞬間を迎えた。

🔳最期まで現役で走り続けた作曲家
90歳で敗血症によりこの世を去った時も、ドラクエ12の作曲に取り組む現役の作曲家だった。築地本願寺での別れの会ではオーケストラがドラクエの楽曲を演奏し、生涯76年にわたる音楽人生の締めくくりとなる。一方で、彼の作品は今もコンサートやゲームを通じて演奏され続けている。

🔳音楽は心のタイムマシーンというメッセージ
杉山は「音楽は心のタイムマシーンであり、曲を聴くと初めて聴いた時の感情に戻れる」と語る。ドラクエの曲が、子ども時代の冒険や友との思い出と結びつき、人の人生を支えることを何よりの喜びとした。また「ゲームも人生も、逃げていては経験値は上がらない」とし、困難から逃げずに挑戦し続けることの大切さを説いた。

🔳年齢に縛られず子どもの好奇心を持ち続ける
54歳でゲーム音楽を始め、84歳でギネス記録、90歳まで現役を貫いた杉山は、年齢ではなく好奇心の有無こそが大事だと体現した。ピアノがなく音大を諦めても東大から放送局、歌謡曲、ゲーム音楽へと回り道をしながらも音楽だけは手放さなかった人生を通じて、「何歳からでも新しいことは始められる」というメッセージを残している。 December 12, 2025