国立がん研究センター トレンド
0post
2025.11.30 21:00
:0% :0% (40代/男性)
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
病と闘いながらも『妹の前ではお兄ちゃんでいたい』。
最期までヒーローであり続けた4歳息子の姿と、兄を想う2歳娘の愛と絆の話。
白血病になり極早期再発を起こした息子は地元群馬の病院では手に負えず、国立がん研究センターへ転院した。
治療が始まってから、きょうだいが会える機会はめっきり少なくなっていた。
ふたりは誕生日が同じで、「歳違いの双子」と呼ばれるほど、そっくりだった。
そして、お互いを思いやる、本当に素敵なきょうだいだった。
私が娘を叱ろうとすると息子は「まだ小さいんだからしょうがないでしょ!」と必ず庇いに来た。
娘は自分が甘えたくてぐずっている時でさえ、息子が痛みに苦しんでいると「パパ、お兄ちゃんのところに行ってあげて。お兄ちゃんが呼んでる。」と言える、優しい子だった。
がんセンターへ娘を連れて面会に行くことになった。
ふたりが合うのは2ヶ月ぶりだ。
この年齢の子どもにとって、2ヶ月は途方もなく長い。
まだ言葉がおぼつかない娘は、触れることで愛情表現していた。
息子の体、頭、手を、娘はずっと優しく触れていた。
息子はそんな娘に、ずっと微笑みかけていた。
そして、ふたりはお互いの手を握りあった。
しばらくそうして体に触れ合った後は、大好きなウルトラマンのフィギュアで一緒に遊んでいた。
息子は辛い白血病の治療が続き、歩けなくなっていた。
移動は車椅子が基本となった。
面会の日も「歩けないけど立てるようになったよ」と話していた。
ところが次の日、妹の手を引きながら歩く息子の姿があった。
この日も点滴治療があり、点滴台には4つもポンプがついていた。
きっと体は辛いはずだ。それでも、妹と一緒に笑顔で歩く。
妹の一歩前を、しっかりと。
息子はいつだって妹の前では「お兄ちゃん」なのだ。
しっかり者で、やさしく、妹思いの「お兄ちゃん」なのだ。
だから妹の前では力が出る。体はボロボロなのに。
それはまるで、ヒーローだ。
ピンチの時でも人々を助けるために立ち上がるウルトラマンだ。
しかし、ヒーローにも限界は訪れる。
息子のカラータイマーは点滅を始め、そして静かに止まった。
息子は自宅で安らかに旅立った。
旅立つ前の日、息子は妹にこう伝えていた。
「大好きだよ、ひとりになっちゃってさみしいね」
4歳で自分の運命を受け止め、周りに挨拶ができる立派な子だった。誇らしい息子だった。
娘も「お兄ちゃん大好きだよ。ありがとう。優里南は大丈夫だよ。」と伝えることができた。
まだ2歳なのに、本当に立派だった。
そして最期は、私達夫婦と娘と、みんなで川の字になって一緒に眠った。
今、きっと息子は、大好きな妹をすぐそばで見守ってくれていると思う。
だから娘はきっと大丈夫。この先ずっと、大丈夫。
頼りになるやさしいヒーローが、いつもそばにいてくれるから。 November 11, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



