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人民元
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2025.12.08 02:00
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🇨🇳 中国の海外送金における資本規制と金の役割
中国国民による海外への資産移動には、厳格な資本規制が存在します。
一般に「年間5万ドル制限」と言われる規制は、その実態において「半分本当、半分ウソ」と言えます。この規制の厳しさが、近年、中国国内で金(ゴールド)投資が爆発的に増加している主要な背景の一つとなっています。
1. 「年間5万米ドル制限」の正確な実態
この「年間5万米ドル相当」の制限は、中国の個人が身分証の提示のみで、銀行を通じて外貨を購入し海外へ送金できる**「便利枠」**(経常項目外貨購入枠)を指します。
* ✅ 5万ドル枠の用途: 留学費用、観光、医療、親族の扶養など、経常項目に該当する取引に利用が許可されます。
* ❌ 5万ドル超過の可能性: 5万ドルを超過する送金も理論上は可能ですが、契約書、納税証明書など、送金目的を証明する書類の提出が義務付けられます。
* ⚠️ 審査の厳格性: 資本流出防止の観点から、審査は極めて厳格であり、**投資目的(株式・不動産購入など)**での外貨購入・送金は、原則として当局(国家外匯管理局:SAFE)に承認されません。この規制の法的根拠は、主にSAFEの定める「個人外匯管理弁法」などに拠ります。
2. 現金持ち出し(携行)と外国人在住者のルール
海外送金とは別に、現金(外貨)を物理的に中国外へ持ち出す際にも制限があります。
* 現金携行ルール:
* 1回あたり 5,000米ドル相当まで:申告不要。
* 5,000~20,000米ドル相当:銀行が発行する「携行証」が必要です。
* 20,000米ドル超:原則として許可されません。
* 外国人在住者(駐在員など)の優遇:
中国国内で合法的に稼いだ給与などの所得(税引き後)については、納税証明書を提出することで、この5万ドル枠とは別に全額を国外へ送金することが認められています。
3. 規制回避の手段と金投資への逃避
厳格な資本規制が存在する中で、特に富裕層は以下のような方法で資産の国外移転を試みています。
* 富裕層の対応(グレーゾーン含む):
* 家族や知人の5万ドル枠を合算して利用。
* 香港など規制が緩い地域を経由した資金移動。
* 貿易決済の偽装。
* 違法な地下送金(マネーロンダリング):近年、当局は「断卡行動」などを通じて違法な資金移動への取り締まりを強化しており、摘発されると重罰が科せられます。
資本規制の帰結としての金投資
中国国民は、自国の金融システムや、人民元(RMB)の価値に対する不信感が高まっています。不動産バブルの崩壊、人民元安懸念、経済の先行き不透明感が増す中で、海外資産(株・債券・不動産)への合法的な資金移動が極めて困難であることが、国民を実物資産へと向かわせています。
* 金が選ばれる理由: 金は「いつでも持ち運びが可能」で、「規制されにくい実物資産」として、人民元や国内資産の価値が低下するリスクに対する代替的な資産保全手段として機能しています。
* 世界市場への影響: 中国の個人投資家による金バー、コイン、ETFの爆買いに加え、中国人民銀行(中央銀行)も継続的に金の積立を続けています。この国内・中央銀行双方からの需要の強さが、世界の金価格を押し上げている主要因の一つとなっています。
まとめと留意事項
* 結論: 中国の海外送金は、手続きが簡単なのは年間5万ドルまでであり、それを超える投資目的の送金は非常に厳しい審査を伴います。
* 実態: この厳しい規制があるからこそ、中国国民は資金の逃避先として金を選好しており、その需要は高まり続けています。 December 12, 2025
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