アフリカ大陸 トレンド
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2025.12.19 02:00
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アジア生まれの”サル”が、なぜ南米に!?
4000万年前の「大西洋横断」仮説を徹底検証🐒🌊
#古知累論文紹介
今日は、進化生物学における「最大の謎」のひとつに迫る最新論文を紹介します。
それは、「サルの大移動」についてです。
現在、中南米には多くのサルが生息していますよね(広鼻猿類といいます)。
でも実は、サル(霊長類)の起源は「アジア」だと考えられているんです。
ここで大きな疑問が浮かびます。
アジアで生まれたサルが、どうやって遠く離れた南米に辿り着いたのでしょうか?
4000万年前の地球にも、アフリカと南米の間には巨大な「大西洋」が横たわっていました。
泳いで渡るには広すぎますし、もちろん船もありません。
生物分布の過程をひも解くために、研究チームは当時の地球の姿を詳細に復元しました。
彼らは「Terra Antiqua」という最新ツールを使って、4000万年前の地形や海の深さをシミュレーションしたのです。
まず、旅の始まりはアジアからアフリカへ。
当時のユーラシア大陸の南側には、「バルカナトリア(Balkanatolia)」という島大陸があったことが分かっています。
これは現在のバルカン半島とトルコあたりに相当する場所です。
研究によると、約4000万年前、海面低下や地殻変動によってアジアとバルカナトリアが陸続きになりました。
これにより、アジアの動物たちが西へ移動できるようになったのです。
そこからアフリカへはどう渡ったのでしょうか?
シミュレーションでは、バルカナトリアから南へ続く「島伝いのルート(アイランド・ホッピング)」が見つかりました。
現在のレバノンやシチリア周辺にあった島々を、飛び石のように伝って渡った可能性があります。
あるいは、海流に乗って流木などで漂流する「天然の筏」で海を渡ったのかもしれません。
こうしてアフリカ大陸に到達したサルたちですが、最大の難関はそこからです。
アフリカから南米へ。
当時の大西洋は、現在よりは狭かったものの、それでも最短で1700kmもの距離がありました。
研究チームは、大西洋にあった海山(ウォルビス海嶺など)が島として海面に出ていた可能性も検討しました。
もし島が連なっていれば、そこを中継地点にできたかもしれません。
しかし、詳細な分析の結果、たとえ島があったとしても、島と島の間隔は400km以上離れていた可能性が高いことが分かりました。
つまり、歩いて渡れるような陸橋はなかったのです。
結局のところ、著者たちは、
サルやネズミの祖先が「ラフティング」で大西洋を横断したシナリオが、
現時点でもっとも地質・古気候データと整合的だと考えています。
嵐などで岸から流された巨大な植生の塊(天然の筏)に乗り、
海流と風に押されて長距離を漂流した――というイメージです。
嵐などで岸から流された巨大な植生の塊(天然の筏)に乗り、海流と風に乗って、数週間かけて大西洋を漂流した、という訳です。
当時の海流や風向きのデータも、この「漂流説」と矛盾しません。
私たちが動物園で見る南米のサルたちは、遥か昔、絶望的な確率の航海を生き延びた冒険者たちの子孫なのかもしれません。
元論文URL→ https://t.co/1eTi54b6xp December 12, 2025
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