ユダヤ教 トレンド
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2025.12.02 07:00
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カルデア人は、主の宮の青銅の柱と、車輪付きの台と、主の宮にある青銅の「海」を砕いて、その青銅をみなバビロンへ運んだ。
エレミヤ書 52章17節
(質問)
カルデヤ人が主の家を破壊しているに時、神の箱はどうなってしまったんですか?
(回答)
ご質問ありがとうございます。エレミヤ書52章にあるように、バビロン(カルデア人)によるエルサレム神殿の徹底的な略奪と破壊の記録は非常に詳細ですが、実は「神の箱(契約の箱)」の行方については、聖書の正典(66巻)には一切記されていないのです。
これは聖書学や考古学において、最大の謎の一つとされています。
主な説や伝承について、わかりやすく整理します。
1. 聖書の記述から読み取れること(「沈黙」の意味)
引用していただいたエレミヤ書52章や、列王記第二25章には、バビロン軍が持ち去ったものとして以下のものが詳細にリストアップされています。
* 青銅製品:
柱、台、海(巨大な水盤)など
* 金銀製品:
皿、火皿、鉢、瓶など
しかし、「契約の箱」という言葉はこのリストのどこにも出てきません。
もしバビロン軍が契約の箱を奪ったのであれば、それは彼らの神マルドゥクへの最大の戦利品として記録に残るはずですが、バビロン側の記録にも聖書側にもその記述がないのです。
このことから、多くの学者は「神殿が破壊される前に、誰かがどこかへ隠した」と考えています。
2. 有力な説と伝承
契約の箱の行方については、いくつかの有力な説があります。
A. 預言者エレミヤが隠した説(マカバイ記第二)
カトリック教会や正教会で聖書(あるいは旧約聖書外典)として扱われる『マカバイ記第二』2章には、以下のような記述があります。
「預言者(エレミヤ)は……幕屋と契約の箱と香の祭壇とを持って来るように命じ、モーセが神の相続地を見ようとして登って行った山(ネボ山)へ出かけて行った。……そこへ天幕と箱と香の祭壇を運び込み、入り口をふさいだ。」
この伝承によれば、箱は現在のヨルダンにあるネボ山の洞窟に隠されており、「神が民を再び集め、あわれんでくださる時まで」その場所は不明のままであるとされています。
B. 神殿の地下深くに隠された説
ソロモン神殿(第一神殿)の地下には、複雑な迷路のような地下室やトンネルが張り巡らされていました。
当時の王(ヨシヤ王など)や祭司たちが、バビロンの侵略が迫っていることを察知し、神殿の地下深くにある秘密の部屋に箱を隠したという説です。
現在の「神殿の丘」の地下のどこかに眠っていると信じている正統派ユダヤ教徒のグループも存在します。
C. すでに失われていた、あるいは破壊された説
バビロン捕囚よりも前の時代、例えばエジプトやアッシリアの侵略時にすでに奪われていたか、あるいはバビロン軍が神殿を焼き払った際(エレミヤ52:13)に、金箔が貼られた木箱として燃えてしまった(または金だけ剥ぎ取られた)という悲観的な説もあります。
しかし、イスラエル人にとって最も神聖なものをみすみす破壊させたとは考えにくいという反論もあります。
3. 霊的な視点(新約聖書)
キリスト教的な視点では、新約聖書の『ヨハネの黙示録』11章19節に、天にある神の神殿が開かれ、そこに「契約の箱」が見えたという記述があります。
これは、「地上の契約の箱は失われたが、その本質(神の臨在)は天にあり、永遠に失われることはない」という霊的なメッセージとして解釈されることが多いです。
○結論
カルデア人が神殿を破壊した時、神の箱がどうなったかについての確実な史実は「不明」です。
しかし、略奪品リストに含まれていないことから、「破壊される前に、イスラエルの敬虔な人々によって安全な場所に隠された」と考えるのが、聖書考古学およびユダヤ教の伝承において最も一般的な見解です。(了) December 12, 2025
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