ソシャゲ版『英雄伝説ガガーブトリロジー』の楽しみ方。

今でこそ、倭国ファルコムの英雄伝説シリーズ＝軌跡シリーズですが、1期、2期、3期の3つにおおきく分かれています。
1期は『ドラゴンスレイヤー』に始まり、『ザナドゥ』や『ソーサリアン』を擁するドラゴンスレイヤーシリーズに連なるもの。
2期はガガーブという谷と、大蛇の背骨という山によって世界が3つに分かたれた世界が舞台に、その3つの世界を描いた3部作（トリロジーは3部作という意味）。
3期は『空の軌跡』に始まる軌跡シリーズ。

1994年～1996年にPC98で『白き魔女』『朱紅い雫』を遊んだ方、1999年～2000年にWindowsで『白き魔女』『海の檻歌』『朱紅い雫』を遊んだ方、2004年以降に『空の軌跡』を遊びガガーブトリロジーに興味を持った方。
様々な方が、それぞれの立ち位置からソシャゲ版『英雄伝説ガガーブトリロジー』に興味を持っているのではと思います。
そして、それぞれに、とりあえずインストールしてみたけれど「ちょっと違うなあ」と感じて、アンインストール済みの方も、少なくないと思います。

もったいない……。
とても、もったいないです……！
「朱紅い雫」編をクリアしたばかりの秋山から、ソシャゲ版『英雄伝説ガガーブトリロジー』の楽しみ方を、お伝えさせていただきます。

本作は【タイパ至上主義者向け超今風リメイク】です！

平たく言うと、
・戦闘、ダンジョン探索、町探索、レベル上げは面倒！
・ストーリーの旨み部分だけを手軽に味わいたい！
という方をターゲットにしたゲームです。

つまり、もし、あなたが、
・原作原理主義ならば：本作は見なかったことにして、PC98版かWin版を引っ張り出しましょう！
・タイパ至上主義ならば：本作をプレイしましょう！　そして気に入ったら、原作に当たりましょう！
が、結論です。

ちなみに、超今風リメイクされてはいますが、大元は20年以上前のRPGです。
開始5分でプレイヤーの心を掴み、定期的にフックがあって、飽きさせない工夫が……ありません！
ぶっちゃけ序盤は、お使い的なクエストだったり、今となってはテンプレなキャラクターと展開だったりで退屈です。
しかし、多くの古参ファンがいるのは、ガガーブトリロジーがRPGのひとつの王道であり、時間の経過を受けても色褪せない傑作だからです！
終盤の感動的な展開を信じて、がんばってください！！

今日、お伝えしたかったことは以上です。
以下蛇足。

・本作は、作品内時系列に沿って「朱紅い雫」「海の檻歌」「白き魔女」とプレイ順が固定されています。ジュリオとクリスの巡礼の旅を見たい方は、だいぶ遠回りさせられることになります。
・「朱紅い雫」はPC98版とWin版とでストーリーが異なりますが、本作はWin版準拠です。
・「朱紅い雫」の冒頭は「ストーリーリプレイ」の中の「過去の思い出」に押し込められています。
・「方向キー設定」を固定型から移動型にすると遊びやすくなります。
・脇役は超今風リメイクの犠牲になっています、諦めてください。
・マイルやエンディング周り等、感動的なシーンは、タイパ重視のため、あっさりめになっています。
・その一方で、アイトン洞窟から脱出するルティスのシーンは、総テキスト量を減らしつつ、感情曲線の起伏を大きくさせており、シナリオライターの腕が光ります。 December 12, 2025