1
ワン!
0post
2025.12.16 04:00
:0% :0% ( 30代 / 男性 )
人気のポスト ※表示されているRP数は特定時点のものです
みんな聞いてほしいワン!!ふなっしー先輩がみのぶまんじゅうを!!
みのワンの耳が大変なことになったと聞いて走って来たワン(゚д゚)!#みのぶまんじゅう #憧れの存在 https://t.co/HNouy2LTTA https://t.co/0EVKYvcHP5 December 12, 2025
1RP
「ジャムおじさんと税務署からのお尋ね」
第1章
「お尋ね」の裏を読む──調査官が本当に見ているもの
「質問」は質問じゃない。それは「構造の透視図」だ
ある朝、ジャムおじさんのパン工場に、一通の封筒が届いた。差出人は税務署。件名は「事業内容等についてのお尋ね」。
バタコさんが「おじさん、税務署から何か来てますよ」と言いながら、封筒を手渡す。ジャムおじさんは眼鏡をかけ直して、中を開ける。
中身には、いきなり「あなたは悪いことをした」とは書いていない。脅し文句もない。ただ、淡々と質問が並んでいる。
事業の内容は何ですか
売上はどうやって作っていますか
外注費の内訳を教えてください
いつ、誰に、いくら払っていますか
契約書や請求書はありますか
文章としては、とても丁寧だ。
「ご協力をお願いいたします」とまで書いてある。
でも、この紙が来た瞬間、パン工場の空気が変わる。なぜか。税務署が「構造を見に来る」スイッチが入ったからだ。
1. ジャムおじさんの二つのビジネスモデル
バタコさんは「これは簡単ですね。パンを作って、困っている人に届ける事業です、って書けばいいんですよね?」と言う。
でも、ジャムおじさんは首を横に振る。「バタコさん、わしらの事業を改めて整理してみようか。実は、わしらがやっておるのは、パンを売るだけじゃないんじゃ」
ジャムおじさんは、紙とペンを取り出して、こう書き始めた。
ジャムおじさんのパン工場 ビジネスモデル
①地域の安全の提供
②パンを含む製品の販売
「この二つは、別々のようで、実は深くつながっておるんじゃ」
ジャムおじさんのパン工場がある町は、平和そうに見えて、実はかなり危険な場所だ。なぜなら、ばいきんまんが頻繁に現れるからだ。
ばいきんまんは、バイキン城から飛んできて、町の人たちを困らせる。食べ物を奪ったり、いたずらをしたり、時には町全体を混乱に陥れたりする。
もしばいきんまんが現れたとき、誰も対処できなければどうなるか。町の人たちは怯え、商店は閉まり、経済活動が止まる。そこで、アンパンマンが登場する。
アンパンマンは空を飛んで現場に駆けつけ、ばいきんまんを「アンパンチ!」でやっつける。町の平和が戻る。人々は安心して、また日常生活を送れるようになる。
これは、単なるヒーロー活動ではない。地域の安全というサービスを提供しているのだ。
バタコさんは「でも、おじさん。私たち、安全の提供でお金をもらってるわけじゃないですよね?」と尋ねる。
ジャムおじさんは「直接的にはもらっておらん。でも、間接的にはもらっておるんじゃよ」と答える。
地域の安全が確保されると、町の人たちは安心して暮らせる。商店は通常通り営業できる。経済活動が活発になる。そして、ジャムおじさんのパンも、安心して買ってもらえる。
つまり、安全は、パンを売るための「土台」になっている。
2. パンの売上は、ヒーローの活躍と直結している
パン工場では、毎日いろんなパンが作られている。アンパンマンの顔をした「あんぱん」、カレーパンマンの顔をした「カレーパン」、しょくぱんまんの顔をした「食パン」。
バタコさんは、売上の記録を見ながら気づいたことを言う。「おじさん、アンパンマンさんが活躍した日は、あんぱんの売上が伸びるんですよ」
ジャムおじさんも「そうじゃな。カレーパンマンが町で大活躍した翌日は、カレーパンが飛ぶように売れる」と頷く。
つまり、ヒーローの活動は、パンのプロモーションにもなっているのだ。アンパンマンが「アンパンチ!」をするたびに、町の人たちは「アンパンマン、かっこいい!」と思う。そして、「アンパンマンのあんぱん、食べたい!」と思う。
これは、現代のマーケティングで言うところのキャラクターマーケティングだ。ヒーローというキャラクターを通じて、商品の認知度を高め、購買意欲を刺激する。
バタコさんは「つまり、ヒーローたちは、パンの配達をしながら、同時に『広告塔』にもなってるんですね」と理解する。
ジャムおじさんは「そうじゃ。そして、その広告塔が動くたびに、パンが売れる。これが、わしらのビジネスモデルの核なんじゃ」と説明する。
3. 調査官が本当に知りたいこと
お尋ねの質問を見ると、調査官が本当に知りたいのは、表面的な事業内容ではない。調査官の頭の中では、こう変換されている。
「この事業は、人が必要な構造ですか?それとも、設備や仕組みで回る構造ですか?」
もしジャムおじさんが「パンを作って配達する事業です」と答えたとする。すると、調査官の頭にはこんな図が浮かぶ。
パンを作る=製造工程が必要(ジャムおじさんが毎日釜でパンを焼いている)
配達する=移動と対面が必要(アンパンマンたちが空を飛んで届けている)
つまり、人が動く事業だ
人が動く事業は、人件費が発生する。そして、人件費には「給与」と「外注費」の2種類がある。
バタコさんは帳簿を開いて、外注費のリストを見る。
アンパンマン:月50万円
カレーパンマン:月30万円
しょくパンまん:月30万円
メロンパンナちゃん:スポット10万円
ロールパンナさん:スポット10万円
ばいきんまん:月30万円
ドキンちゃん:月10万円
バタコさんは「あれ、ばいきんまんにも払ってますね……」と、少し不安そうに言う。
ジャムおじさんは「そうじゃ。これが、わしらのビジネスの一番ユニークなところなんじゃ」と答える。
調査官が見ているのは、金額そのものじゃない。調査官の頭の中では、こう変換されている。
「外注費が多いのは、本当に外注が必要だからですか?それとも、給与を外注に見せかけていますか?」
そして、もう一つの疑問。「なぜ敵役にも報酬を払っているのか?」
4. ばいきんまんへの支払い──脅威の存在が、事業の存続に不可欠
バタコさんは「おじさん、ばいきんまんへの支払い、月30万円。これ、税務署が見たら絶対に怪しまれますよね……敵に報酬を払うなんて」と不安そうに言う。
ジャムおじさんは「バタコさん、考えてみてほしいんじゃが……もしばいきんまんがいなかったら、アンパンマンはどうなる?」
バタコさんは考える。「えっと……町は平和で……アンパンマンさんは出動する必要がなくて……」
ジャムおじさんは頷く。「そうじゃ。つまり、アンパンマンの活躍の場がなくなるんじゃ」
ジャムおじさんは、紙に図を描き始める。
【ばいきんまんがいる世界】
ばいきんまんが町に現れる
町の人たちが困る
アンパンマンが登場する
「アンパンチ!」でばいきんまんをやっつける
町の人たちが喜ぶ「アンパンマン、かっこいい!」
「アンパンマンのあんぱん、食べたい!」
パンが売れる
【ばいきんまんがいない世界】
町は平和
何も起きない
アンパンマンは出動しない
町の人たちは「アンパンマン?誰だっけ?」
パンは普通に売れるが、特別な人気はない
売上は下がる
バタコさんは、この図を見て気づく。「あ……つまり、ばいきんまんがいないと、アンパンマンさんの価値がなくなるんですね」
ジャムおじさんは「そうじゃ。ばいきんまんは、確かに敵じゃ。でも、彼がいるからこそ、アンパンマンはヒーローになれる。彼がいるからこそ、町の人たちはアンパンマンのすごさを実感できる」
ヒーローは、敵がいて初めてヒーローになる。敵がいなければ、ヒーローはただの「親切な人」に過ぎない。
そして、ばいきんまんが登場するたびに、アンパンマンの価値が高まる。町の人たちは「やっぱりアンパンマンがいてよかった」と思う。そして、ジャムおじさんのパンを買う。
バタコさんは「つまり、ばいきんまんは、アンパンマンさんを引き立てるための『演出』なんですね」と理解する。
ジャムおじさんは「そうじゃ。そして、その演出がなければ、わしらの事業は成立しない。つまり、ばいきんまんは事業の存続に不可欠な存在なんじゃ」と答える。
5. 他の業界でも、敵役に報酬を払うのは普通のこと
バタコさんは「でも、税務署が『敵に報酬を払うなんておかしい』って言ってきたらどうしますか?」と不安そうに尋ねる。
ジャムおじさんは「その時は、他の業界の例を出せばいいんじゃ」と答える。
プロレスの例:プロレスでは、ヒール(悪役レスラー)がいるからこそ、ベビーフェイス(善玉レスラー)が輝く。ヒールは、観客に憎まれる役割を担う。観客は、ヒールを憎み、ベビーフェイスを応援する。試合は盛り上がり、チケットが売れる。そして、ヒールにもちゃんとギャラが払われる。
テレビドラマの例:ドラマでも、悪役俳優は重要な存在だ。悪役がいなければ、ドラマは成立しない。視聴者は、悪役を憎み、主人公を応援する。悪役俳優は、主役と同じくらい、時にはそれ以上のギャラをもらうこともある。
テーマパークの例:ディズニーランドでは、ヴィランズ(悪役キャラクター)も重要な役割を担っている。悪役がいるからこそ、プリンセスやヒーローが輝く。ヴィランズを演じるキャストにも、ちゃんと給料が払われている。
ジャムおじさんは、バタコさんに言う。「わしらのビジネスも、これと同じじゃ。ばいきんまんは、アンパンマンを輝かせるための演出スタッフなんじゃ」
6. ばいきんまんとの契約書
バタコさんは、ばいきんまんとの契約書をファイルから取り出す。
業務委託契約書
委託業務:試練提供業務
ばいきんまん(以下「受託者」という)は、ジャムおじさん(以下「委託者」という)の依頼に基づき、以下の業務を行う。
業務内容:
町に定期的に登場し、適度な混乱を引き起こすこと
アンパンマンが対応できる範囲内で、活動を行うこと
アンパンマンの登場により、速やかに退散すること
町の人々に「アンパンマンの必要性」を実感させること
報酬:月額30万円(登場回数に応じて変動)
基本登場(月4回):20万円
追加登場(1回につき):3万円
注意事項:本契約は、地域の安全を本質的に脅かさない範囲内で行われるものとする
バタコさんは「これ、税務署に見せて大丈夫なんですか……?」と不安そうに言う。
ジャムおじさんは「大丈夫じゃ。なぜなら、これは立派なビジネス契約じゃからな」と答える。
7. データで証明する
ジャムおじさんは「わしは、ばいきんまんへの支払いを『広告宣伝費』として計上しておる」と言う。
バタコさんは「なぜですか?」と尋ねる。
ジャムおじさんは答える。「なぜなら、ばいきんまんの役割は、アンパンマンというブランドを輝かせることじゃからな。これは、テレビCMや看板広告と同じ。お金を払って、ブランド価値を高める活動なんじゃ」
そして、バタコさんはデータを見せる。
ばいきんまん登場日:売上平均30%増
アンパンマン活躍翌日:あんぱん売上50%増
カレーパンマン活躍翌日:カレーパン売上40%増
このデータがあれば、効果を証明できる。
バタコさんは「なるほど……データで証明できれば、税務署も納得してくれるんですね」と理解する。
ジャムおじさんは「そうじゃ。感情や物語じゃなく、数字で語る。これが税務調査を乗り切る鍵なんじゃ」と微笑む。
8. 雇用か外注か──5つの判定基準
お尋ねに答える前に、もう一つ理解しておくべきことがある。それは、調査官の頭の中には、すでに判定基準の表があるということだ。
調査官がチェックするのは、主にこの5つの軸だ。
項目雇用に見える条件外注に見える条件
①指揮命令細かい指示を受ける方法は自分で決める
②時間拘束出社時間・待機あり時間は自由
③成果責任失敗しても給料は出る成果がないと報酬なし
④専属性他の仕事は禁止他の仕事も可能
⑤代替可能性本人じゃないとダメ代わりを立てられる
アンパンマンを当てはめてみる。
①指揮命令:アンパンマンは自分で困っている人を見つけて飛んでいく。ジャムおじさんが命令することはほとんどない。→ 外注寄り
②時間拘束:アンパンマンは毎日工場に来るわけじゃない。困っている人がいるときだけ。→ 外注寄り
③成果責任:配達が完了した分だけ支払う。失敗したら、その分は払わない。→ 外注寄り
④専属性:アンパンマンは他の町でも活動している。ジャムおじさん専属ではない。→ 外注寄り
⑤代替可能性:アンパンマンが来られないとき、カレーパンマンやしょくぱんまんが代わりに行ける。→ 外注寄り
バタコさんは安心した顔で言う。「じゃあ、アンパンマンさんは外注として成立してますね!」
9. でも、危険な実態が混ざるとどうなるか
ところが、ジャムおじさんは、ある光景を思い出す。実は、最近のパン工場はこんな状況だった。
アンパンマンは毎朝8時に工場に来て、バタコから指示を受ける。配達先はバタコが決める。アンパンマンは言われた場所に行くだけ。配達が失敗しても、「今月の報酬」は変わらず振り込まれている。
他のヒーローは名前だけで、ほとんどアンパンマンしか動いていない。
この場合、先ほどの表はこう変わる。
項目実態
①指揮命令バタコが配達先を指示 → 雇用寄り
②時間拘束毎朝8時に工場に来る → 雇用寄り
③成果責任失敗しても報酬は固定 → 雇用寄り
④専属性実質アンパンマンだけが動いている → 雇用寄り⑤代替可能性他のヒーローは機能していない → 雇用寄り
契約書に「業務委託」と書いてあっても、調査官はこう判断する可能性が高い。「契約の名前は委託だけど、実態は雇用です」
10. お尋ねで問われているのは「実態」
ここで重要なのは、調査官が見ているのは「契約書に何と書いてあるか」ではなく、「実際にどう動いているか」だということだ。
税務の世界では、これを実質主義と呼ぶ。形式ではなく、実質を見る。見た目が委託でも、中身が雇用なら、雇用として扱われる。
「契約書は、実態を証明する道具であって、実態そのものではない」
だから、お尋ねに答えるときに一番危険なのは、こういう回答だ。「契約書では業務委託になっています」
これだけ書いても、調査官は納得しない。なぜなら、調査官が知りたいのは契約書の中身ではなく、契約書と実態が一致しているかどうかだからだ。
バタコさんは「じゃあ、どうすればいいんですか?」と尋ねる。
ジャムおじさんは、ゆっくりと答える。「まずは、実態を正直に見ることじゃ。そして、実態が契約と合っていないなら、どちらかを変える必要がある」
11. お尋ねへの回答を完成させる
ジャムおじさんとバタコさんは、お尋ねへの回答を完成させた。
【事業の内容について】
当工場は、パンの製造・販売と、地域の安全提供という二つのビジネスモデルを展開しております。
【外注費について】
当工場では、配達業務およびブランド価値向上のため、複数のヒーローと業務委託契約を結んでおります。
アンパンマン:配達業務+プロモーション活動
カレーパンマン・しょくぱんまん:配達業務+プロモーション活動
ばいきんまん:試練提供業務(広告宣伝費)
ドキンちゃん:ばいきんまんのアシスタント業務
【ばいきんまんへの支払いについて】
ばいきんまんは、アンパンマンの価値を引き立てるための演出役です。登場日の売上は平均30%増加しており、事業への貢献は明確です。プロレスの悪役レスラーやドラマの悪役俳優と同様、ブランド価値向上のために不可欠な存在です。
【契約書・請求書について】
すべての外注先と業務委託契約を締結しており、契約書・請求書・支払記録を保管しております。
バタコさんは「これで完璧ですね!」と笑顔で言う。
ジャムおじさんは「そうじゃな。あとは、これを税務署に提出して、返事を待つだけじゃ」と答える。
チーズも「ワンワン!」と、元気よく尻尾を振る。
お尋ねは、質問ではなく透視だ。そして透視に耐えられる構造こそが、税務調査を乗り切る唯一の武器になる。
ジャムおじさんは、窓の外を見ながらこう呟く。「わしらのビジネスは、ただのパン屋じゃない。地域の安全とブランドを作る、複合的なビジネスなんじゃ。それを証明できれば、税務署も理解してくれるはずじゃ」
でも、お尋ねはここで終わらなかった。数週間後、税務署から再び連絡が来た。
「実地調査を実施させていただきたいと思います」
バタコさんは「ついに来ましたね……」と緊張した顔をする。
ジャムおじさんは「大丈夫じゃ、バタコさん。わしらは構造をちゃんと整理してきた。あとは、実際に見てもらうだけじゃ」と落ち着いた様子で答える。
次の章では、実地調査が始まったとき、調査官が何を見るのかを詳しく見ていく。 December 12, 2025
<ポストの表示について>
本サイトではXの利用規約に沿ってポストを表示させていただいております。ポストの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。こちらのデータはAPIでも販売しております。



