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film analysis
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2025.12.03 11:00
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《人物の配置で関係性を示す》
「われわれはみな平等である」がテーマの映画。2つの画像を比較してみよう。
✰ 左の場面
左の人物が兵役を退いて銀行に戻ってきた。ミディアムショットだが、フレーム内の2人の人物の映され方は均等ではない。シンメトリではないので、秩序や調和が崩れており、2人が平等でないことが見て取れる。
実は左の人物の方が背は高いのだが、この映像では意識的に、上司との社会的な関係が観客に分かるような撮り方をしている。
✰ 右の場面
3人がタクシーで、戦地から故郷へ帰還した場面。それぞれの退役軍人の出身階級は違っているが、この構図では平等に見える。
また、この映像を横に走る線が、彼らの頭を目立たせ、平等さを強調していることに注目。誰かが背が高いとか、優れているということはないのだ。
第19回アカデミー賞7部門受賞
『我等の生涯の最良の年』 より
『増補改訂版 Film Analysis 映画分析入門』
https://t.co/ddXv1gk3rv December 12, 2025
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\㊗️重版出来🎊/
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マイケル・ライアン/メリッサ・レノス=著
田畑暁生=訳
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《どの技法も同じ意味を持つとは限らない》
クローズアップは感情的な親密さを示唆することも、恐怖や警戒心を喚起することも、登場人物の心理に迫る窓を開くこともできる。
❏『第三の男』
この映画は、第二次大戦直後のウィーンにおける汚職を描いている。左の人物は、ペニシリンを薄めて病院に売っている犯罪組織の一員である。このクローズアップでは、カメラはわずかに斜めに傾けられており、それがこの人物の道義的な「うさん臭さ」を示している。後に彼は汚職者と分かるが、われわれ観客は驚かない。
❏『ゴールド・ディガース』
このミュージカル映画は、落ちぶれた人々が、度胸と行動力、才覚を使って生き抜いてゆくさまを描いている。右の女性の顔に、いかに光が当てられて輝いているかに注目しよう。彼女を悪く取ることは困難であろうし、ましてや、彼女が悪事に手を染める場面は想像しにくいだろう。彼女は、失業した退役軍人たちのために、まさに歌い出そうとしているのである。
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