ミケランジェロ トレンド
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2025.12.17 06:00
:0% :0% ( 20代 / 男性 )
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最近サイゼリヤを知ったという人に、ぜひ体験してほしいことがある。
それは、「オールド店舗でサイゼリヤを楽しむこと」だ。
最近はイオンなどのショッピングセンターに出店する店舗が増え、内装がシンプルでチープな感じが多く、正直少しがっかりしてしまう。
「チープ」と言うと失礼かもしれないが、今風というか、何というか……入店した瞬間にちょっと寂しさを感じてしまうのだ。
サイゼリヤには昔から、薄暗い暖色系の照明が灯る空間に、壁画の天使や、何世紀も前の有名そうな(でも作品名も作者もわからない)絵画に囲まれて食事をする、という独特の文化があった。
その絵に友達と大喜利で「イタタ・マレナーイ16世」とか「上を見上げてるのはハエがうざいから」とか「ミケランジェロの曲者」など、お寒い名前をつけたり、作者を勝手に想像したりするのが楽しかった。
そんな楽しみ方は、最近できた店舗ではちょっと物足りない。
あの優雅に2時間くらいで一周するクラシック音楽も、新しい店舗の内装とはどこか噛み合わない気がする。
イオン系のサイゼで食事しながら、「この物悲しさは何だろう」と考えてしまった。
昔のサイゼのテーブルといえば木目調かチェック柄で、椅子は海の家にあるようなプラスチックではなく、100キロ超級の私でも壊れない頑丈な木製だった。
4人席の背もたれにはクッションが付いていて、長時間座っていてもお尻がそんなに痛くならなかったし、私の出っ張ったお腹もそこまで窮屈に感じなかった気がする。
最近オープンした店舗は4人掛けの席が背もたれにクッション無しで、板が垂直に立った腰痛必殺タイプ。
冷たい板に背中が張り付く感じだ。
そうか、あの「居心地の良さ」が最近の店舗には減ってしまったのか。
まあ、これもサイゼリヤの流儀が変わってきた証拠だろう。
おひとりさまの私は甘んじて受け入れ、30分も経たないうちに店を出た。
ところがある日、ポケ活の帰りに久しぶりにオールド店舗のサイゼリヤに入った私は、壁のミケランジェロを見つけて10まんボルトの衝撃を受けた。
なんだ、この気品あるサイゼリヤは!
そうだ、思い出した! 私が昔よく通っていたサイゼリヤはこれだ!!
「おお! 壁画の天使たちよ、元気だったか!
あっ! ミケランジェロみたいなお前!
今日も人様の食事中の顔をジロジロ見てるんじゃねえぞ!」
と、心の声が漏れそうになるのを必死で抑えながら、ドリンクバーに向かった自分がいた。
店内の雰囲気にすっかり飲まれてしまう——まさにこれだ。
音楽、内装、料理が絶妙なハーモニーを奏でている。
オールド店舗のサイゼリヤこそが、本当のサイゼリヤなのだ。
ぜひ一度、壁や天井に天使が飛んでいて、テーブルと椅子が木製で、背もたれにクッションがあり、少し暗めの暖色照明の店舗に行ってみてほしい。
いつものミラノ風ドリアと赤ワインに、きっと新しいエッセンスが加わるはずだ。 December 12, 2025
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