ハドソンの名作ADV「デゼニランド」は約5万本も売れたと聞く（真偽は不明）。1983年当時のPCゲーム市場の規模からすると、これは大ヒットと言えるのではないか。同年にポートピア連続殺人事件も出ているが、個人的な肌感覚ではデゼニランドの方が雑誌などで目にする機会が多かったように思う。（続く）

私も友人の家でプレイさせてもらい、かなり熱中した。それまでにプレイしたことのある他のADVよりもずっと熱中した気がする。なぜだろう。

あくまで個人的な印象だが、デゼニランドは本格的ADVでありながら、マンガを読み進めるような楽しさと親しみやすさを感じ取ることが出来たからではないかと思う。

もちろん言葉探しもしなければならないし手詰まりもあるのだが、ゲームオーバーになる頻度はそれほど高くなく、当時としては珍しく「グラフィックを見るだけ」というパートすらあった。

そのためか、エンディングにたどり着いた時、「ついに解いたぞ！」というよりは「ああ楽しかった！」という感じだった。難解さや壮大さを売りにするADVが多かったこの時期、そういう感想を持てるADVは珍しかったように思う。

ちなみに私が東京ディズニーランドに初めて行ったのは、デゼニランドをプレイしてから数年後のことだ。

ホーンテッドマンションで棺桶を見かけたら「ここは例の単語が必要だ！」とか思ったり、ミート・ザ・ワールドに入った時には「やや、ここは梅下パビリオン！ということは、ここに三月磨臼が…」とか思ったり、心の中でデゼニランドごっこをしていたことは、ここだけの秘密である。#レトロゲーム　#ATTACH December 12, 2025