これを面白く読めるように直していくのは、手描きを装うのとは全然違う作業。一枚絵の場合、虚無を削ぐ作業は手描きに見えるようにする作業とかなり重なるけど、本質的には「コンテンツとして楽しめるようにする」行為だと感じる。

じゃあ、AIがデータセットの特徴量を頼りに出してきたユーモアもペーソスもない画像を、どうしたら楽しめるようにできるか。この話になると、やれ文脈とか意図とか創作性とかありきたりな言葉が出がちだけど、最近プロバナナを触り倒していて、違う言葉で表現できるような気がし始めている。

私は手描き絵の方がAI絵より遥かに優れていると思っているけど、これは努力信仰では全くなくて、アセットを使っていてもコラージュでも、究極的には4x4のドット絵でも、「他人の意図が介在しないその人由来の作品」であれば、AI絵よりつねに優れていると思う。手で線を引いたから優れているのではなくて、人間の絵だから優れているのね。AI絵より手描き絵が優れているのではなくて、AIより人間が優れている。

つまり、虚無とは「人間性の欠如」。マスピ感があるのではなくて、人間性がない。そのことを、視聴した人が無意識に「虚無」として感じ取っているわけだ。人間らしさがなくて、細部を見渡して何かを読み取ろうとしても何も引っかかりがなく、虚ろなのね。

「AI絵もデジタル絵も機械を使っているんだから本質的には同じだ」と言う意見もあるけど、フォトショやクリスタで生成機能以外のどの機能を使っても、操作者の人間性はキャンバスに残るから、両者は明らかに異なる。努力や技術、手で線を引いたかどうかは絵の素晴らしさとは直接関係ない。5歳児の絵に感動するのは、その5歳児のいたいけな人間性がダイレクトに伝わるからだもんね。

AI絵はかなりの割合をキャラクターイラストが占めているけど、実は風景画とか静物画とかだと、虚無はあまり感じられなかったりする。SNSイラストは魅力的なキャラクターを通じてその人の「好き」、つまり人間らしさあふれる個性に共感する側面が強いから、もしかすると最もAI絵と相性が悪い、つまり虚無（人間性のなさ）がバレやすいジャンルなのかもしれない。

作業工程に画像生成AIを使っても、人間の絵を作ることはちゃんとできると思う。うまい人のAI絵は、その人の絵だなという感じがする。どうしたら私の絵になるのか、どこまでがAIの絵でどこからが私の絵になるのかはケースバイケースで答えはないけど、その違いを自分でくらいは、ちゃんと自信を持って言えるようでいたい。 December 12, 2025

骨付きジャークチキンを写真撮って簡単にデザインと言うか、文字など配置して画像生成AIに同じプロンプトで頼んだ結果...

1.原案
2.Copilot
3.ChatGPT
4.Gemini(NanoBananaPro)

コパイロットが感じ1文字だけ怪しかったけどそれ以外はしっかり文言や文字を継承しつつクリスマス使用になっていました。 https://t.co/gmGnVMo6dT December 12, 2025

絵を描くことが好きな私にとって画像生成AIがもたらすと思う弊害について短いコラムを書きました。ぜひ読んでみて下さい。

#画像生成AI #イラスト

https://t.co/Egvk57p106 December 12, 2025