ベラルーシ トレンド
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2025.12.17 03:00
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2025年12月13日、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、
2022年ノーベル平和賞受賞者の人権活動家アレシュ・ビアラツキ(Ales Bialiatski)氏をはじめ、
反体制派の象徴的リーダーであるマリア・コレスニコワ(Maria Kolesnikova)氏、
元大統領候補のヴィクトル・ババリカ(Viktar Babaryka)氏、
人権団体Viasnaの弁護士ウラジミール・ラブコヴィチ氏ら著名な政治犯を含む、
合計123人を恩赦により釈放しました。
これは近年で最大規模の政治犯解放です。
この釈放は、米国がベラルーシの経済の柱であるカリ肥料(potash)部門に対する制裁を一部解除したことの見返りとして実現した外交取引の一環です。
カリ肥料はベラルーシの輸出の重要な部分を占め、世界シェア約20%を有していましたが、制裁により輸出が大幅に減少していました。
交渉は、ドナルド・トランプ米大統領の特使ジョン・コール(John Coale)氏が12月11〜12日にミンスクでルカシェンコ大統領と直接会談してまとめられました。
今年に入ってからの米国とベラルーシの関係改善の一環で、今年だけで200人以上の政治犯が解放された形です。
ビアラツキ氏(63歳)は、1980年代からベラルーシの民主化と人権推進に尽力し、1996年に人権団体「Viasna(春)」を設立。
政治犯への支援や選挙監視を行ってきました。
2021年7月に再逮捕され、2023年3月に「密輸」や資金関連の罪で10年の懲役判決を受けましたが、国際的に政治的弾圧と見なされています。
投獄中だった2022年にノーベル平和賞を受賞(ロシアのMemorial、ウクライナのCenter for Civil Libertiesと共同)したため、妻のナタリヤ・ピンチュク氏が代理で授賞式に出席しました。
釈放された123人のうち、ビアラツキ氏を含む9人(主に著名な人権活動家)はリトアニアの首都ビリニュスへ移送され、
亡命中の反体制派リーダー・スヴィアトラーナ・ツィハノウスカヤ氏や米国大使館スタッフに迎えられました。
残りの114人はウクライナへ移送され、多くが医療支援を受けました。
釈放翌日の12月14日、ビアラツキ氏はビリニュスでAP通信の独占インタビューに応じました。
やせ細り、疲労した様子ながらエネルギッシュに語り、収監中の過酷な環境を証言:
「独房監禁、過密房、医療不足(歯の治療は抜歯しかなく、釈放後すぐに歯医者へ)、非人道的扱い、人間の尊厳を侵害する条件」。
突然の釈放について「早朝に荷物をまとめろと命じられ、目隠しされて移送された」と振り返りました。
一方で、「私は自由になったが、ベラルーシはまだ自由ではない」と強調。
残る約1,100〜1,200人の政治犯の釈放を強く訴え、「彼らの声になる」と継続的な闘争を宣言。
また、ベラルーシの人権状況がウクライナ情勢に依存することを指摘し、「和平はウクライナの犠牲であってはならない」と述べました。
国際社会の反応は歓迎一色です。
ノーベル委員会は「深い安堵と喜び」を表明。
人権団体(Amnesty International、Civil Rights Defendersなど)は喜びつつ、強制的な国外移送を「条件付き自由」と批判し、すべての政治犯の無条件釈放を要求。
反体制派のツィハノウスカヤ氏はトランプ氏に感謝しつつ、EU制裁の維持を主張しています。
この出来事は、国際的な制裁と外交圧力が独裁政権を動かした象徴的な事例として、世界的に注目されています。
一方で、ベラルーシ国内では新たな拘束が続いており、根本的な人権改善にはさらなる努力が必要です。
ビアラツキ氏のような勇気ある活動家が自由を取り戻したことは、民主化運動にとって大きな希望の光です。 December 12, 2025
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